2007年03月30日
チームを影で支え続けた背番号18のヒーロー
大垣日大の背番号18、浅野公佑君(3年、写真、前列右)はマネージャーさんです。普通、マネージャーさんは、制服を着て「記録員」としてベンチ入りします。でも、大垣日大は違います。
「自分でもユニホームを着られるなんて思っていなかったのでビックリでした」
それは3月19日。学校の室内練習場で行われた出陣式。全員荷物をまとめ、この後、新幹線で大阪へ出発というときでした。挨拶で壇上に立った坂口監督が、これまで決まっていなかった背番号17、18の選手を発表しました。「背番号18は…これまでボールも触らずに、みんなの支えてとなってくれた、マネージャーの浅野だ」
突然呼ばれた自分の名前。予期していなかったことに、「頭が真っ白になっちゃいました」と浅野君。なんたって、大阪行きの浅野君の荷物には、記録員としてベンチ入りするための制服や筆記用具が用意されていたのですから。その代わりに手にした初めてのユニホーム。「最高のプレゼントをありがとうございました」と監督と握手。「頑張れよ」と言ってくれたときの監督の笑顔は、浅野君の心に深くやきついています。
宿舎について、すぐにユニホームを着て、その姿を鏡に映しました。「ユニホームを着る嬉しさでイッパイになりました。でも…日に日にその責任感を感じるんですよ」
浅野君は投手として入学しましたが、度重なるケガで選手を断念。1年2月にマネージャーに。「選手として動けないのは残念でした。でも、チームのために働いて、記録員として甲子園のベンチに入りたいと思ったんです」
その主な仕事は練習の準備から、環境作り。時には、グラウンドのトイレ掃除も。「監督さんがよく言われるんです。グラウンドのトイレは野球部の鏡、と。いつも念入りに掃除をします」スポンジでゴシゴシ便器を洗う。これが自分の仕事。そう思えば嫌な思いはひとつもありませんでした。そして、グラウンドを見ると、必死にボールを追いかける選手たちの姿が目に入ります。チームメートの頑張る姿を一番間近で見てきたのも浅野君でした。
だからこそ、今この背番号18の重さを感じるのです。「この背番号を目指して頑張ってきたやつがたくさんいる。それを僕がつけていいのか。大きな責任を感じます。決してみんなに迷惑をかけちゃいけないんです」
甲子園では一塁のランナーコーチ。それも初めての経験。「自分なりに精一杯、大きな声で盛り上げたいと思っています」と一生懸命。おっきな声で、腕をぐるぐる回す浅野君。その姿は誰よりも生き生きと輝いています。
「一塁コーチャーズボックスから、甲子園を見渡すと、たくさんの観客が自分たちを見てる。すごいな~って思うんです。あらためて甲子園に立てていることが嬉しいです!」グラウンドでプレーする選手だけがヒーローじゃない。みな、それぞれに活躍の場があるのが甲子園。大垣日大、浅野君はチームを影で支える、背番号18のヒーローなのです。
March 30, 2007 07:11 PM
