2006年08月11日
佐賀商・2年生記録員、中村君の思い
8回裏、桐生一にツーアウトから4本の長短打と1つの四球で3点差をひっくり返されて逆転負けを喫した佐賀商。(佐賀商5対6桐生一)
まさかの敗戦に試合後の通路で選手たちは涙…涙。
その隅っこで、泣きながら小さい手帳に何かを書いている選手がいました。記録員としてベンチ入りした中村祐士君(2年・マネージャー)でした。
そこにはこう書かれていました。
『本当に凄いところ(甲子園)で、
流れに逆らわず終盤まで2点に抑えていて、
必ず試合が8、9回で動く予感がした。
8回2アウトをとってから、余裕とスキが見え始め、
そしたら、2アウトから4点を取られて
とてもこの4点は大きかった。
地方大会で見せた粘りをここで見せることができませんでした。
この1年間、苦しい練習を頑張ってきて、
みんなを一生懸命サポートしてきた。
また初戦突破ができなかった。
来年、必ず勝って、またここに帰ってきて
次は必ず勝つ』
「今の気持ちを…すぐに書いておこうと思って…」と中村君。
“8月10日 初戦 桐生一戦”と書かれたそのページには、
試合に持って行くもの、準備するものが細かくメモされていました。
2年生でマネージャーを務める中村君。昨秋、新チームになったときはなかなか、先輩たちに要望が言えずに苦しい時期が続きました。
「こうすれば絶対に良くなるだろうと思うことでも、先輩たちが怖くて言えなかったんです。でも、それに気づいてくれて。“何でも思ったことを言ってくれ”と言ってくれました。すごく嬉しくて。それからは先輩でも何でも言いあえるいい関係を築くことができたんです」
昨年夏は、1安打で悔しい敗戦を喫した甲子園。この夏は必ず甲子園で1勝を勝ち取るために。「先輩も後輩もない。一丸で頑張ろう」と主将の中山亮君(遊撃・3年)も、中村君をサポートしてくれました。監督、部長先生、コーチの指示を忘れないように、ずっとメモを取り続けてきた今年の手帳。実は、甲子園練習でも、忘れ物をして大失敗。初戦では絶対にそんなことがないように、と、細かくチェック。この日は、試合に必要なもの、すべてを揃え忘れ物なく完璧な状態で試合に臨みました。
「9回…2アウトになっても、誰一人として涙を見せずに、逆転を信じて戦いました。負けていても、絶対にあきらめないその粘り強さは、佐賀商の伝統。それを引き継いで、新チームになっても頑張ります!」
試合後、3年生の先輩たちは、「今までサポートしてくれて、ありがとうな」と中村君に声をかけました。 この日のメモを記したそのページの最後に、今のこの悔しい気持ちを忘れないように。
号泣する選手たちの隅っこで、泣きながら記したこの気持ち。絶対に忘れないよね、中村君。
来年は、笑顔でこの通路で気持ちを書くことができるように。さぁ、来年の甲子園勝利に向けて頑張ってね!【写真は、佐賀商の3年生。上段左から中山亮君、西村昴樹君、山口哲志君、下段左から秋月靖親君、大隈浩君、森田修平君】
August 11, 2006 10:54 AM
