2006年08月08日
千葉経大付・斎藤選手、監督、チームメートへの恩返し
「俺に任せろ! 絶対に守って助けてやる!」
6対6で迎えた10回表。八重山商工の攻撃。
千葉経大付の斎藤将吾君(三塁・3年)はチームメートに告げて、ベンチから飛び出していきました。この回3失点。斎藤君が守備についた三塁にボールは飛んできませんでしたが、マウンドの江沢君(投手・3年)に、内野陣に、大きな声をかけて盛り立てながら、一生懸命守りました。【写真中央が斎藤君】
「ここまで支えてくれた監督やスタッフ、チームメートに勝って恩返ししたかった…」と試合後の通路で悔しそうな顔の斎藤君。
ううん、斎藤君。監督がね、さっきお立ち台に上がって開口一番、
「選手たちを思いっきり誉めてやりたいと思います」って胸を張って言ってたよ。
そう、私が言った瞬間、斎藤君の目から涙がポロポロ。
それを見た私までもウルウル。二人して、通路で泣いちゃいました (;^_^A
斎藤君は、2年前の夏、ベスト4進出を果たしたチームの斎藤祐樹選手の弟。
「兄と同じ背番号16をもらったんですよ! 野球も兄と同じで守備が得意です。斎藤家のDNAかな(笑)」と甲子園練習のとき話してくれていました。
でも、実は今年の冬、影ながら努力し続けて手に入れた背番号だったそうです。
今年の冬、守備でスランプに陥り、毎日、監督から怒られてばかり。何としてもうまくなりたい。メンバーに入りたい。その一心で練習後、コーチやチームメートの大野貴弘君(3年)に声をかけてノックを打ってもらいました。毎日、100本近く。来る日も来る日もノックを受け続けました。
「毎日監督に怒られてばかりだったけど、それでも一生懸命な斎藤に、何とかしてベンチに入ってもらいたい。そう思いながらノックを打っていました」と大野君。
春を迎えてもなお、結果が出ずに落ち込んでいる斎藤君に、松本監督が声をかけました。
「斎藤、オマエは守備練習をこの冬、人一倍やってきたんだろ。自信もってやれ!」と。
監督は知っていました。冬の間、ノックを受け続けた斎藤君の頑張りを。
「監督にそう声をかけてもらってから、自信を持って守ることができるようになりました。だから…今日は監督にも、ノックを打ってくれた大野にも、勝って恩返しをしたかったんです」
確かに、勝利も恩返しの1つでしょう。でも、最後の回の守備が、斎藤君にとっての恩返しだよ。試合後、大野君は言っていました。
「自信を持って守備についている姿はとっても頼もしかった。この冬、練習してきた成果ですよ」と。
チームメートが、そして監督も認める斎藤君、努力の高校野球、そしてその結果の甲子園だったね。
泣き崩れる選手たちを見て、最後に松本監督が言いました。
「泣くな、頑張ったじゃないか。この夏、千葉県大会をノーシードから勝ち上がってきたチームなんだよ。もっと誇りを持とう!」
初戦突破はなりませんでした。でも、大会屈指の右腕、八重山商工の大嶺君から10安打、6点を奪って最後まで苦しめた、斎藤君始め千葉経大付の選手たちのこの夏、甲子園での奮闘は、忘れません…。
August 8, 2006 12:09 PM
