2006年08月06日
三重・中村主将、「ありがとう」の気持ちを込めた選手宣誓
――仲間、家族、先生、そして今まで支えてくれた多くの人たちへのありがとうの気持ちを白球に込め、真剣味あふれる全力疾走、全力プレーで日本中を熱くすることを誓います――
開会式で、三重高校の主将、中村浩樹君(中堅・3年)は、元気いっぱいに選手宣誓! さぁ、いよいよ2006年、夏の甲子園のスタートです!
夜、宣誓を終えた中村君を訪ねて三重高校宿舎に行ってきました。(写真は三重高校主将、中村浩樹君)
「一番伝えたかったこと。それは“ありがとう”の言葉です。野球をやらせてもらう中で両親や、指導者の方々には本当に感謝しています。でも…いつもはは恥ずかしくてなかなか口に出して言えません。これがいい機会かと思って宣誓に入れました」
両親へのありがとう――中村君は親元を離れ、寮生活をしています。毎日の生活の中でも親のありがたみを感じるといいます。
例えば洗濯。「中学までは、練習着やユニホームも脱ぎっぱなしでした。でも、高校で自分で洗濯をしてみて、すごく大変なことに気がつきました。土って落ちにくいんですよ。一度手でごしごし洗わないとダメ。これまで、両親に苦労をかけていたんだなぁと思いました」自分が野球ができるのは、両親が自分のために働いてくれているから。日々の生活で、ひしひしと感じていました。そして、試合のたびに球場に足を運んで、「頑張りや」と温かい声をかけてくれる。そんな両親に「ありがとう」の気持ちでイッパイでした。
「今、こうして頑張れるのは親のおかげだと思います」
さぁ、次は初戦です。「ありがとう」の気持ちを今度はプレーに込めて。思う存分甲子園を走り回ってね!
白樺学園、大内野球部部長の「ありがとう」
「おマエら、すげーな、ホントにすげーな」
8回の攻撃。選手たちのプレーを見ながら、白樺学園の野球部部長、大内康至さん(写真中央)はそうつぶやきながら、溢れる涙をぬぐいました。
「8回で中川が三者凡退で抑えて元気にベンチに戻ってくる姿。みんな決してあきらめずに必死に攻撃し続ける姿を見て、コイツら本当にすげーって涙が出たんです」
その涙には、「ありがとう」の気持ちが込められていました。
私は以前、大内さんを取材をさせてもらったことがありました。それは日大三のグラウンド。5年前に日大三が優勝した後、グラウンドに取材に伺ったとき、新チームを相手に、ずっと投げ続けるバッティングピッチャーがいました。それが大内さんでした。小倉監督、そして選手たちは口々に言いました。「大内さんのおかげで勝てました」と。甲子園の星でも、「影の立役者」として紹介させてもらったことも。日大三のOBで、当時は日大の学生。日大準硬式野球部に在籍し、その練習が終わると毎日、日大三のグラウンドを訪れ、選手たちのバッティング練習の相手をしていました。何100~200球もの球を投げ、選手たちは打撃を強化。日大三強打の影には、大内さんの影の力があったのです。
日大を卒業と同時に、北海道白樺学園に赴任。野球部長に就任しました。
「最初は、”俺は三校出身だ”っていう気持ちもあって。俺の言うとおりにすれば勝てるから、と言ってやっていたんです。でもなかなか勝てませんでした」
この3年間、夏の南北海道大会では準決勝敗退。
「準決勝の厚い壁。正直、自分の野球はそこまで通用しないんじゃないかって思う部分もありました。本当に甲子園に行けるのだろうか。俺自身、甲子園に行くような人間じゃないのかなもしれない、とまで思うこともありました」
しかし、選手たちは、それまでの負けを決して無駄にはせず。負けを反省し課題を見つけ克服。今年はその積み重ねでつかんだ甲子園でした。
「選手たちがこうやって1つ1つ乗り越えてくれた。甲子園という大舞台で野球をやらせてもらって、ベンチからいい試合を見せてもらった。本当に“ありがとう”という気持ちでイッパイでした」と、大内さんは再び目を潤ませました。
試合後、泣き崩れる選手、一人一人の肩を抱き、
「オマエたちの野球は全国でも恥ずかしくないよ」と声をかけました。
部長就任当時はたった30人の部員。その年の秋、新チームは18人。練習では大内さんも選手に混じって時にバッティングピッチャーとして、時に捕手として、選手たちと共にグラウンドを走り回ってきました。
「日大三の時から小倉監督の謙虚な姿勢に憧れて、僕も教員、野球の指導者を目指したのです。この学校でも同じことを教えられればと思ってきました」
”天狗になることなく常に謙虚で”。それが高校を卒業してからも一番大切なこと。日頃から、態度や礼儀は厳しく選手たちに言い聞かせてきました。試合後、目に涙をためながらも、選手たちは取材記者に対しても元気にハキハキと応える姿がとても印象的でした。
そして、最後まであきらめない、全力疾走、野球に一生懸命取り組む姿勢。
大内さんが日大三から学んだ野球。大内さんが教えてきたことは、選手にしっかりと浸透していました。
大内さん、小倉監督に少しは胸を張れるかな?
「いえいえ! まだまだ背中から付いていきたいと思っています。少しでも小倉監督に恩返しというか。小倉監督の教えは間違っていなかった。それを北海道で教えています、っていうことを伝えられたかと思います」
1つ1つ、自分たちの手で歴史を積み重ねている白樺学園。
「今日も帰ったら反省をして。それをチームの財産にしていきたいと思います」
次の目標は甲子園で勝てるチーム作り。白樺学園の野球はまだまだ始まったばかり。大内さんがこれからどんなチーム作りをしてくるのか。楽しみです!
August 6, 2006 10:50 AM
