2005年08月13日
無心で戦う東北高校。天まで届け大きな花!
「実は…今日、甲子園の土を入れる袋を持ってきちゃったんですよ」と東北の加藤信吾君(写真右、中堅・3年)。「あ! 僕もです!」隣にいた坂本良太君(写真左、投手・3年)。ええ~! ホントに? “今日は、負けるかも!”なんてこと考えてたの?
「勝てると思ってなかったんですよ。それは初戦からそう。去年のチームと違って弱い弱いといわれていた。甲子園に出れて恩の字。だから、甲子園では無欲。みんなで笑顔で楽しもうってそれだけ。今、野球が楽しいですよ!」と加藤信吾君。
そんな話を聞いていた後ろで、今日、タイムリーを打った山田豪君(左翼・3年)がお立ち台の上から、「信じられない! 無心でやったらこの結果。うれしいです!」という声が聞こえてきました。ホントにみんな、無欲だったんだね。7回表、一死二三塁のピンチに打たれたレフト前ヒットを山田豪君がホームへ好返球。本塁で刺したシーン。実は、ベンチの選手たちは「ウソだろ!」って思ったんだって。何しろ、山田君は肩が弱くて、しかも守備もあまり上手じゃない。「あれは絶対に豪にとって一生に一度のプレーだね」と試合後も選手たちは大笑いしてました!
去年はエースダルビッシュ有君を中心に、真壁君と采尾君の3枚看板投手。攻撃陣も家弓、大沼、横田、そして今年の主将加藤政義君、と強力打線。優勝候補筆頭に上げられていたっけ。彼らが卒業して残された2年生。秋の新チームから「今年の東北は弱い」といわれ続けてきました。
春の東北大会で初戦敗退(専大北上に3対6)。その晩のミーティングで、一人一人が反省と課題を言い合いました。そこで一番多かった反省点が守備面。「チームとして、もっとスキのない野球をしないといけない、と話あったんです」と加藤政義君(遊撃・3年)
翌日から、1から守備練習を徹底しました。内野、外野、ポジション別に別れノック、フライの入り方、カットの仕方、クッションボールの対応。1日約1時間。基本を叩き込んだのです。守備からリズムを作り攻撃につなげる。この基礎練習が、今年の守りの東北野球を作りあげたのです。
「先輩たちが築いた伝統や歴史がある。それを忘れることなく、もう一度0からスタートをきる。できること。当たり前のことをからしっかりと。基礎を固めて土台を作って前進したいと思っています」今年1月。取材に行ったとき。五十嵐監督はそう話てくれました。冬の間はボールを握らずに地道にトレーニング。そのときの合言葉は「冬にしっかり根を伸ばせ」。春にはそれを基本に守備の芽が生え。そして今、甲子園で大きな花を咲かせながら、選手たちは1勝ごとにすくすくと天に向かって伸びています。
「去年はどうしても前評判が高くて受身だったのかもしれません。今年はチャレンジャーとして無心でぶつかっている。それがいいのかもしれませんね」と、坂本良太君。
もっともっと。大きく咲け、東北高校!
August 13, 2005 07:11 PM
