虎番ブログ

2008年02月25日

育成枠・田中が野球漬け1日1000スイング:福岡吉央

 安芸キャンプで報道陣が選手を取材する安芸ドームの通路で、記者に混じって1人、ほかの選手のマシン打撃を黙々と見続けている選手がいる。阪神初の育成枠、田中慎太朗内野手(22=立正大)だ。

 昨年12月の入団会見では「僕は育成選手なので、勘違いしないようにしたい」と話していた。その姿勢は、1軍に帯同している今も変わっていない。先輩のバッティングを見るたびに「ぼくは一番ヘタな選手。どんなところでも、盗めるところは全て盗んでいきたい」と、とことん貪欲だ。

 夕食後の夜間練習でも、連日広沢打撃コーチの指導を仰ぎ、1日の合計スイング数は1000本近くに達している。部屋でも娯楽を極力排除。自ら野球漬けの厳しい環境に身を置き、支配下選手登録に向けて、常にアピールのチャンスをうかがっている。

 「大学時代は自分はしっかりしていると思っていたけど、プロの選手を見て、自分はまだまだ抜けていると思った」と、技術だけでなく、意識の面でもプロのレベルになろうと必死だ。「こないだもグラウンドで歩いていたらこけちゃいましたからね。そんなことのないようにしないと(ケガにつながる)」。

 宿舎では、ほかの選手とともにファンにサインを求められ、照れながらペンを走らせた。「ちょっとだけ(サインも)慣れました」。色紙に書き込まれた背番号は「120」。この数字が2ケタになる頃、田中はどんな選手に変わっているのだろうか。彼の成長ぶりが、阪神が今後も育成枠で選手獲得を続けていくかどうかの答えにもなるはずだ。

February 25, 2008 08:57 PM | トラックバック (0)

2008年02月18日

キャンプ地、沖縄に一本化すべき:田口真一郎

 阪神の第1次キャンプは1軍が沖縄・宜野座で2軍は高知・安芸と分離している。星野政権2年目の03年からで、ここ数年は沖縄に2軍も移すプランが何度も聞こえてくるが、実現には至っていない。候補に挙がっている恩納村・赤間運動場の設備の問題や安芸との長年の付き合いがその理由にあるようだ。安芸がいいとか悪いとかではなく、早く沖縄に一本化すべきではないか、と思う。

 今年の沖縄キャンプには、新人選手は1人もいなかった。じっくりと体作りに励んでほしい、と岡田監督が配慮してのことだが、1、2軍振り分けの前に球団関係者からこんな声を聞いた。「白仁田は沖縄に連れて行ってほしいんだが…」。これは1軍を経験させるというよりも、コンディションを考慮しての願いだった。大学・社会人ドラフト1巡目の右腕は昨年、右肩を痛めた。順調に回復しているものの、まだ無理はさせられない。今年は悪天候に悩まされた沖縄だが、それでも本州よりは温暖で、故障明けの体にはやさしい。結局は1軍選手だけの沖縄キャンプに入ると、オーバーペースで逆効果になる可能性もあり、安芸スタートになった。2軍も沖縄で練習すれば、そんな心配もなかった。

 リハビリ選手だけではない。新人右腕の石川が安芸で評価を上げている情報が入ってきたが、同じ沖縄県内ならば、1軍首脳もすぐにチェックできたし、16日の日本ハム戦で登板させることもできただろう。石川自身も1軍レベルを早く肌で感じことができ、次のステップが踏める。距離が近ければ、当落線上の選手の競争意識もさらに高まるはずだ。

 阪神は17日に沖縄キャンプを打ち上げた。これから安芸の2次キャンプに舞台を移す。那覇→高知の直行便は2日に1便。不便な交通に、モノ思わずにいられなかった。

February 18, 2008 10:47 PM | トラックバック (0)

2008年02月11日

V奪回へ岡田監督「開いてチー」戦法?:町田達彦

 裏流行語大賞とでも呼ぼうか。妙なフレーズがキャンプ中の頭の中をグルグル回って困っている。脳裏にこびりついているという感じ。そのフレーズとは…「最初はグー、開いてチー」だ。ここに書いてしまったから、また脳内でリフレインしている。

 キャンプ中の恒例行事で、記者懇親会というのがある。球団が、各社虎番記者に食事を振舞ってくれる、いわゆる宴会だ。岡田監督がホストとなってのジャンケン大会が、宴会のお楽しみ。とはいえ今年で5年目となる指揮官。「毎年、ジャイケン(関西風)では芸がないがな」とちょっと趣向を凝らした。

 「おれと同じものを出せば勝ち」となり「最初はグー」に続いて「またまたグー」「左手でパー」と掛け声にバリエーションをつけた。注意力と集中力があれば指示についていけるのだが、極め付けが「開いてチー」。思わずパーを出して脱落する記者が続出するのを見て、岡田監督はうれしそうににやけた。

 さあ、V奪回に「開いてチー」戦法。前評判の高い巨人、中日に対しても、岡田監督は奇抜な発想で勝機を探る。

February 11, 2008 04:34 PM | トラックバック (0)

2008年02月04日

玉置に「藤川2世」の素質あり:酒井俊作

 新井を筆頭にして、見どころの多い沖縄・宜野座春季キャンプも第1クールが終わった。フォード、アッチソン、金村暁、平野…。新戦力チェックはキャンプ取材の醍醐味の1つ。その一方で、フレッシュな若手にも注目したい。プロ4年目を迎える21歳の玉置だ。

 1軍投手陣の最年少。立場上、チームの雑用をこなさなければならない一方で「美味しい」ポジションでもある。ブルペンでの投球練習は年齢順に入るのが通例。つまり、自動的に最後は1人で投手コーチの視線を独占できるのだ。「ホント、美味しいっすよ~。1人で投げられるんですからね」。2日もただ1人残ったブルペンで久保、中西両コーチに投球を披露した。

 右打者の外角低めにスライダーを投じる。寸分違わぬコースを突くと、周囲のブルペン捕手らから歓声が上がる。「この球は来てる! おい、これはど真ん中や。ホームランやな…」といった感じだ。ともかく伸びのある速球や制球力抜群のスライダーは魅力たっぷりだ。昨秋はハワイ・ウインターリーグに参加。新球チェンジアップやフォークの徹底マスターも、春季キャンプの課題になる。

 21歳とは思えない冷静な口調で「ハワイで山ピーが『上から目線』で話しかけて来たんです。あと、ベッカム夫人も見ましたねえ」と言う。山下智久やビクトリア…。ハワイへの旅はスターとの遭遇でもあった。昨季は1軍の遠征に帯同すると、藤川らに食事に連れられたこともあった。「気にかけてもらえてうれしいですね」と声を弾ませる。

 「勝ち負けの分からない試合で投げたい。今までは展開が決まっている状況だった。打者の集中力も変わってくるだろうし」。真剣勝負は望むところ。同じ高卒右腕として、この男にこそ「藤川2世」の素質ありだ。

February 4, 2008 09:27 PM | トラックバック (0)