2007年11月26日
人生の分岐点に立つ29歳の虎戦士たち:酒井俊作
これほどまでに晩秋の寒さが身に染みるのは初めてだ。結果がすべてのプロの世界。トレード、そして戦力外通告…。この1年間で何人もの29歳の虎戦士が、人生の分岐点に立った。
7人いた同世代のうち、5選手がタテジマを脱ぎ、新天地へ。浜中だけではない。三東、中村泰、金沢、相木…。私事で申し訳ないが、記者と同学年ということもあって親しみを持っていた選手たちだ。日本ハムに移籍する中村泰は「監督もコーチも新しい。白紙の状態で始められるのはいいことだよね」と意気込む。プライベートでも仲の良かった金沢と同僚になり、心機一転、先発ローテを狙う。
相木は、浜中とともに02年のインターコンチネンタル日本代表に選出された間柄だ。たびたび同期会を開いては、野球談義に花を咲かせた。「アイツなら、オリックスでやってくれると思うよ。オレもね、野球できる環境を探しているところだから」と話していた。合同トライアウトの受験は回避したが、白球を追うことはやめない。
三東は就職活動中で、新たな道を歩む。生きる世界が変わっても時間が合えばチームメートと連絡を取り合い、食事をする間柄は以前と同じだった。それぞれの07年が終わろうとしている。変わるもの、そして変わらないもの。わが身を振り返りつつ、いまはただ頑張れとエールを送りたい。
November 26, 2007 11:09 PM | トラックバック (0)
2007年11月19日
次々現れるライバルにもめげない野原:佐井陽介
プロ野球選手は辛いんです…。日本の冬の風物詩!?ストーブリーグがいよいよ幕を開けた。阪神は10月3日の高校生ドラフト1巡目で横浜高・高浜内野手を獲得。その一報にピクリと反応したのが昨年の高卒ドラ1ルーキーの野原だ。
「ドラフトの結果は知ってますよ~。本当にね、どうしましょ…」。来季1軍初昇格を狙う若虎は、走攻守揃ったライバルの出現に思わず苦笑い。確かに三塁、遊撃とポジションはかぶる。でも、初めての後輩が誕生するというのに、なんて切ない表情なんや…。
そう、プロは厳しい世界。次から次に現れる強敵を打ち破らなければ、レギュラー獲りもおぼつかない。かわいい後輩とは言え、立派なライバル。戦々恐々としていた野原だが、それから1カ月半が過ぎ、さらにショッキング!?な情報がスポーツ紙をにぎわせている。「広島新井FA宣言」である。
11月19日現在、新井は阪神入りが確実視されている。ただでさえ阪神の三遊間には今岡、鳥谷がいるのに、またまた三塁の強敵が登場でっせ。ただ、今度は野原も黙っていない。
「それは関係ないですよ」。まずは丁寧語で“オッパッピー”宣言。「でも、守備と足で勝負したいですね」。おっ、大物相手にもひるまないとは、なかなか男らしい。「バッティングでは、すぐには勝てませんから…」。最後は少しトーンダウンしたけれど、次々と現れるライバルにもめげない野原に、どうぞご注目下さい。
November 19, 2007 11:41 PM | トラックバック (0)
2007年11月12日
一流プロの共通点は野球も芸人も一緒:福岡吉央
お笑い芸人からプロ野球選手へと取材対象が変わって1週間あまり。環境の変化には戸惑いも多いが、初体験のキャンプ取材で、芸人とプロ野球選手の1つの共通点を見つけてきた。
それは「一流のプロは必ず陰で努力している」ということだ。一流芸人は人に見えないところできっちりとネタ合わせをし、舞台では完成された笑いを全力で客席にぶつける。これはプロ野球選手も同じだった。
安芸市営球場に隣接する室内練習場。練習を終えた選手たちは、トレーニング室で黙々とウェートに励む。そしてこの部屋にこもったきり、いつもなかなか出てこないのが鳥谷だった。このキャンプでは、同じ内野を守る後輩の大和に「もっと太くならないと」とアドバイスを送っていたが、その陰では自身も毎日2時間以上、みっちりと体を鍛えていたのだ。
広沢打撃コーチが言っていた。「努力することも才能の1つ。センスがありながら、色んな誘惑に勝てずにこの世界を去っていった選手も多いからね」。
鳥谷は今季、遊撃手としての連続フルイニング出場の新記録を打ち立てながらも、9月下旬にその記録を398試合で途切れさせてしまった。その悔しさは計り知れず。今はケガに耐えうる体作りに必死なのだろう。トレーニング室から出てくる鳥谷の真剣な表情に、声を掛けることすらはばかられることもあった。
November 12, 2007 10:11 PM | トラックバック (0)
2007年11月05日
阪神のフロントは元気だぞ~!:田口真一郎
秋季キャンプの取材で高知・安芸へ。時を同じくして、南球団社長が視察に訪れていた。FA市場が騒がしくなってきたので、球団トップの動きから目が離せない。5日もネット裏で登場を待っていた。「ちょっと運動がてら、ブルペンまで行こうか」。報道陣を引き連れ、社長が歩く。安芸はグラウンドが段々畑にようになっていて、勾配がきつい。
メイン球場からブルペンまでは下り道。社長との会話も弾んだ。投手陣の練習を見守ってから、再びメイン球場に戻る。ゾロゾロと報道陣もついていく。すると社長がいきなり走り出した。見上げるほどの長~い階段。運動不足を絵にかいた男たちも追随する。だって、話しが聞けないから。階段をクリアしても、次は上り坂が待っている。誰がこんな所に球場を作った? 足は動かず、頭はいらないことを考える。「社長…、あの…、その…」。追いついても、息切れのオンパレードでまともに話も聞けない。「なんや。もう1回、ブルペンに行こか~」。そんな冗談に、ツッコミを入れる者はいなかった。
その夜は太ももが筋肉痛で悲鳴を上げていた。サロンパスのニオイに、思いがひとつ。
阪神のフロントは元気だぞ-。
星野ジャパンの練習地に、宮崎オーナーが電撃視察。FAで動向が注目されている広島新井とニアミス? なんて刺激的なシーンを演出してくれた。かつて「弱腰」と揶揄されたフロントの姿は今は昔。高校生ドラフトでは、競合覚悟で大阪桐蔭の中田を指名。FA市場でも、中日福留と広島新井という大物打者の獲得を目指している。補強戦略は攻めの一手。チームを強くしたい-、社長の階段ダッシュにそんな思いが伝わってきた。
November 5, 2007 11:59 PM | トラックバック (0)
