虎番ブログ

2007年10月22日

笑いに包まれた中村豊の引退会見:田口真一郎

 こんな引き際もあるのか、と驚かされた。引退会見に涙は付き物、とは限らない。中村豊のそれは意外にも「笑い」で包まれていた。現役時代の思い出は? という質問になった。昨年9月7日中日戦の決勝アーチはペナントの流れを変える1発として印象深い。誰もがそう答えると思う。中村豊はニヤリとした。「03年、05年の優勝の瞬間です。あれが1番うれしかった。みんなで勝ち取ったものだから。そっちになります。すみません」とペコリ。「マスコミ的には9・7と言ってほしいかも…、あれで現役生活が延びたようなもんですから」。自虐的なトークで会見場に笑いが起こった。

 大阪出身で明るい性格だから、暗い雰囲気にはならなかった。直前まで現役続行に未練があったが、周囲からは「幸せな話じゃないか」とコーチ就任を勧められたという。そんな話をしていると、最後にひと言。「アガいていたのは、自分だけか…」。見事な「1人ツッコミ」にまたも笑い声が起こる。同じ関西人として、こんなノリは大好きだ。最後の決断を下した瞬間は、本人にしか分からない寂しさや悔しさがあっただろう。それをおくびにも出さずに、自らの美学を貫いた。球団はすぐに2軍守備走塁コーチのポストを用意した。その理由が分かった。

October 22, 2007 11:57 PM

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