虎番ブログ

2007年06月25日

苦悩から脱するアンディーを待つ:酒井俊作

 日本に来て、もう5年目になる。今年11月で36歳になる。「優良助っ人」と言われ続けてきたシーツが暗闇から抜け出せない。相手バッテリーの内外角へと散らす配球に翻ろうされ、今季は打率2割4分前後を右往左往する。2軍落ちも経験。崖っぷちに立たされているのは間違いない。

 「試合が雨で流れてくれてよかった。野球のことを考えないですむから…」。雨天中止になったとき神妙に、心境を明かしたことがあった。普段から取材を通して、誠実さを感じる。質問に応じず、素通りする外国人選手もいるなか、必ず立ち止まって耳をそばだてる。生真面目だからこそ、スランプに陥ると、長引くのかもしれない。

 ここまで書いて、1年前を思い出した。米国でマリナーズを取材したときのことだ。主砲イバネスが、こんなことを話していた。

 「アンディーは元気にしてるかい? 昔、彼の家で子犬が産まれたことがあってね。子犬をもらった思い出があるなあ。昔は結果は出てなかったけど、地道に練習をしていたよ。3番を打っている? やっぱりね。いい選手だからね!」

 そう言って、我が事のように胸を張っていた。今年もイチローのチームメートとして主軸を張る男は、駆け出し時代にシーツとマリナーズのマイナーで一緒にプレー。その思い出を尋ねると、いきなり「犬の話」か…。そんなホンワカ話には、どこかシーツの人柄も漂う。黙々と、地道に白球を追う姿は昔もいまも変わっていない。29日から横浜戦、セ・リーグ再開。くじけずスランプと戦い、苦悩から脱するアンディーを待つ。

June 25, 2007 05:57 PM | トラックバック (0)

2007年06月18日

虎の「ハンカチ世代」が奮闘中:佐井陽介

 「ハンカチ世代」が再び世間を賑わせている。楽天マー君がプロ初完封を挙げたと思えば、今度は早大の佑ちゃん。全日本大学野球選手権ではMVPまで獲得しちゃうド派手な活躍ぶりで、見事日本一に輝いた。

 一方、虎の「ハンカチ世代」は2軍で地道に奮闘中だ。ルーキーの野原、橋本良、横山に加え、3年目の辻本。やっぱり同世代の活躍は刺激になるのだろうか? 6月のある日、昨年の高校全日本選抜で佑ちゃんとバッテリーを組み、4番も務め上げた橋本良に話を聞いてみたくなった。

 今日は佑ちゃんが投げるらしいよ? 「えっ、そうなんですか? 全然知りませんでした」。気にならないの? 「他人のことは干渉しない主義ですから」。

 真っ黒に日焼けした顔でキッパリ。ギラついた目は、僕を睨んでいるようにさえ思えた。“オレはオレ。我が道を行く”。鼻っ柱の強さに、大器の片りんを感じた。佑ちゃん、マー君VS橋本良。対戦が待ち遠しくてたまらない。

June 18, 2007 09:33 PM | トラックバック (0)

2007年06月12日

谷審判、これからも頼んます!:吉富康雄

 投手には聞いたことがあるが、チームにも審判との相性がある。コアなファンならお気づきかもしれないが、球審を務めれば今季4戦負けなし。その人が谷審判員だ。

 その谷さんが脚光を浴びた? のが8日のオリックス戦だった。鳥谷の送りバントが一塁ファウルグラウンドへの小飛球となった場面で、鳥谷と捕手日高が交錯。谷球審が守備妨害と判定し、岡田監督が猛抗議、胸を手で突く暴力行為で自身初となる退場処分を食らった試合だ。

 ところがそんな大荒れムードの展開でも、9回に鳥谷のサヨナラ死球で阪神は逆転勝利。不思議な形で『神話』は継続したのだった。

 それだけじゃない。10日のソフトバンク戦でも劇的勝利をアシストしたのが谷さん? だった。0-1の5回2死。雷雨のなか桜井が四球を選ぶと、三塁塁審の谷さんがたまらず丹波球審に中断を進言した。そのまま続行し、5回が無得点に終わっていれば雨天コールド負けのピンチだった。1時間10分後に再開された試合が延長10回サヨナラ勝ちだったのは記憶に新しいところだ。

 ありがとう、谷さん。これからも頼んます! なかなか乗れない岡田阪神だが、心の中では谷神話に期待している。

June 12, 2007 12:18 AM | トラックバック (0)

2007年06月04日

虎ベストファーザー賞は久保田?:吉富康雄

 日本ハム戦を終えて仙台に移動するチームを見送った札幌新千歳空港。出発ロビーでひと息つきながらレッドソックス-ヤンキース戦の中継を見ていると、NHKのアナウンサーがサラリと言っていた。

 「レッドソックスの投手コーチですが、娘さんの高校の卒業式でお休みらしいですね。今日はマイナーのコーチが代役です」。

 日本に来る外国人選手も夫人の出産などで帰国することは多い。お国柄、文化の違いは理解しているつもりだ。しかし、そんな理由で『伝統の一戦』を休めるとは、まだまだアメリカを甘く見ていた。

 「ウチのベストファーザー賞は久保田でしょう」と牧田球団社長が最近、冗談めかして言っていたのを思い出した。昨年、ベビーカーから落ちそうになった愛娘を助けようとした際に、右手甲を骨折するアクシデントがあったからだ。もちろん当時は深刻で久保田は「チームに迷惑をかけてしまって申し訳ない」と頭を下げていた。しかし、その借りを返そうとする今季のフル回転ぶりを見ると、納得。冗談抜きで、ベストファーザーの資格あり、だと思う。

June 4, 2007 05:34 PM | トラックバック (0)