虎番ブログ

2007年04月16日

下柳の「ちょいワル」な魅力:酒井俊作

 宮崎オーナーと金本が、開幕からお互い「ちょいワル」を認め合っているが、この人も負けず劣らず、同じ雰囲気を醸し出す。38歳の下柳である。開幕投手の大役を任されたが、今季は連敗スタート。早くも「ミニキャンプ」を敢行した。

 鬼気迫る背中だった。15日横浜戦の試合前練習。右翼席の階段を最上段まで何度も駆け上がった。息を切らせゴールするとそのまま最上部にある金網にもたれかかる…。極限まで追い込み、下半身をいじめ抜く。結果が出ていないこともあるが、そんな姿が、投手陣の支柱と言われる所以だ。

 沖縄・宜野座キャンプ中の2月中旬。下柳は「投手会」を開いている。恩納村のバーにズラリと集まり、ダーツに興じた。居合わせた常連客は言う。「やっぱり下柳さんはうまかったね。狙ったところにドンピシャ。マウンドと一緒だったさ」。若手、中堅、ベテラン入り交じって夜更けまで騒いだ。下柳の「おごり」で結束力を高めた。

 何とも粋である。昨季の広島遠征中の出来事だ。昼下がり、私が市内のつけ麺屋に行くと、偶然下柳が麺をすすっていた。あいさつもそこそこに邪魔しては悪いと一番離れた席へ。帰り際にレジで「アイツも一緒に」と話している。丁重に断ったが、頑として受け付けない。「いいから、いいから」。普段は野手を取材することが多く、ほとんど話す機会もない立場だ。それでも気遣ってもらったことに感謝しきれない。サラリとした立ち居振る舞いに、渋さというか「ちょいワル」の魅力を感じた。

April 16, 2007 09:03 PM

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