虎番ブログ

2007年03月26日

誰もが意気込む「あの日」が迫る:酒井俊作

 また「あの日」がやって来る。3月30日、セ・リーグ開幕。144分の1と言うなかれ。シーズンのオープニング・ゲームは、やはり特別だ。普段はジャケットルックだが、あの日だけはなぜだかスーツを着て襟を正すことに決めている。

 刻一刻と、あの日は近づいてくる。先日、ウエスタン・ソフトバンク戦で登板を終えた江草に「去年、開幕ローテに入ってると気持ちの持ち方は多少違うやろ」と話し掛けると、照れ笑いしながら声を弾ませた。

 江草「パ・リーグが開幕して、テレビでニュースを見たんですよ。『ああ、もう開幕か』って思っちゃいましたね。寝る前にドキドキしちゃいましたよ」。

 開幕を迎える気持ちは、いつも変わらないようだ。全力を出し尽くせるか。シーズン初登板までは、自分に対する期待と不安が交錯した毎日を過ごす。昨オフ、江草はハワイ・ウインターリーグに参戦。同行した捕手の浅井は言う。「向こうの投手はパワーがあるから、低めに投げる大切さが分かったと思う。低めが身上ですよね」。やるべきことをやってきた-。そんな気概をマウンドで見たい。

 記者もまた同じだ。自分がプレーするわけでもないのに、なぜか意気込んでしまう。超夜型生活になり、ときに異様なテンションに襲われて…。誰もが、なぜか特別な感慨を抱いて球春に臨む。

March 26, 2007 09:11 PM | トラックバック (0)

2007年03月19日

太陽とキャッチボール:今井貴久

 太陽とキャッチボールをした。春季キャンプ打ち上げ翌日の3月2日。休日返上で鳴尾浜球場に姿を見せ、剛球を受けるチャンスが訪れた。大学時代に硬式野球部に所属していたという空虚な自信だけで、グラブを左手に付けた。

 速いのではなく、怖い。ボールの回転は本当に音を立てて、せり上がってくる。「うまいですね」とお世辞をもらっても、捕球する体は自然と後退していった。プロ選手の球を受けるのは初めてではなかったが、いつも触れ合いは野球をかじっていたというプライドをズタズタにされる。

 太陽の勝負は続いている。一方、我々は「当確」だ「絶望」だと書く。だが本当に伝えるべきことは、「プロのすごみ」ではないだろうか。グラウンドでは、通常ではあり得ないスピードや駆け引きがあふれている。今も残る左手の痛みを忘れず、開幕を描きたい。

March 19, 2007 07:44 PM | トラックバック (0)

2007年03月12日

桟原の黄色い声援に岡田監督チクリッ:町田達彦

 言葉は大事だ。さりげない一言に、岡田監督の将としての器を感じた。甲子園でのオープン戦の試合前。ベンチで監督を囲んでいると、グラウンドへのファンの声援がよく聞こえてくる。その日は「サジキハラさ~ん」という女性の呼びかけを背に浴びつつ、桟原投手がベンチに現れた。

 失礼ながら、万人が認めるイケメン系とは違う。どちらかといえば個性派の桟原に飛ぶ黄色い声援。監督が「どうしたん、サジ、モテるな」といじくると、報道陣は爆笑し桟原本人もしきりに照れ笑いだ。

 だが、続けて一言。「そうか、お前、独身やもんな」。説得力のあるマトメで、その場が丸く収まった。桟原も男のプライドを保てたし、些細なことかも知れないが「監督はちゃんとオレのことを分かってくれている」と思ったはずだ。果たしてその日の試合で独身貴族右腕は2回をパーフェクトに抑えた。

 人を動かせる一言が言えるかどうかは、ずばりセンスだろう。ちなみに我が虎番では酒井記者だけが独身。彼がモテても、平然と構えていられる男に、わたしはなりたい。

March 12, 2007 05:42 PM | トラックバック (0)

2007年03月05日

「鈍感力」には無縁な岡田監督:吉富康雄

 「今年は大丈夫やったナ。あれがケチのつけ始めやったからな」。広田神社での必勝祈願が終わった後の甲子園。一塁ベンチで談笑していたとき岡田監督がジョーク交じりにつぶやいた。

 ン、何やろ? と思い返してもなかなか思い当たらない。すると、監督。「去年は平成17年(正しくは18年)って言ったからな」とタネ明かしが始まった。

 そうやったなあ。昨年の必勝祈願で宮司さんが年を間違えたっけ。滅多にないこととはいえ、そりゃ、1年前の必勝祈願をしても優勝はできまへんわな。しかし、間近で聞いていた報道陣もスルーしたのに、すぐに間違いに気づいたのは岡田監督だけだったことを思い出した。

 今年はもちろん「平成19年」の優勝を願って無事、終了。岡田監督もホっとひと息? だったが、神経の細かさにはただただ脱帽。最近ちまたで話題の「鈍感力」も、岡田監督には無縁のようで。

March 5, 2007 08:14 PM | トラックバック (0)