虎番ブログ

2006年07月31日

もし球児が先発のままだったら…:吉富康雄

 先週の町田記者に続いて球児クン話でご勘弁。オールスターでのオール直球勝負にあらためてすごさを実感しながら、人生の不思議さをかみしめた。ご存知の通り藤川は98年のドラフト1位。阪神では先発投手として期待されてきた。故障などもあり伸び悩んでいた投手だったのだが、岡田2軍監督との出会いがすべての流れを変えたといえる。

 岡田監督はターニング・ポイントとなった試合をはっきりと覚えている。「碧南(愛知)のウエスタン中日戦や。(試合中盤に)山崎、大豊に連続ホームラン打たれてな。その時にリリーフでいかさなアカンと思ったんや」。当時から直球には目を見張るものがあったが、中盤になると必ずといっていいほどつかまる傾向があった。それでも当時の1軍ではなかなか配置転換の決断には至らなかったようだ。

 「リリーバー球児」は岡田監督が1軍に昇格して実現した。“たら、れば”を言えばキリがないが、もし球児が先発投手のままだったら…。岡田監督は常々「本人の持って生まれた運や」というが、伝説の投手となりつつある現在の姿を見るとやはり感慨にふけってしまう。

July 31, 2006 08:58 PM | トラックバック (2)

2006年07月24日

球宴、他球団担当から羨望のまなざし:町田達彦

 オールスターで一堂に会した各球団の担当記者から、次々と言われた。「球児投手、すごいね。特に甲子園での入場シーン、あれからしてシビレるよね」。

 やや哀愁を帯びたリンドバーグのバラード「EVERY LITTLE THING EVERY PRECIOUS THING」が流れ、リリーフカーで球児が現れた時のスタジアムの一体感。(勝ち試合では)毎日のように見ている当方より、相手チーム担当の胸を刺激するようだ。

 慣れもあるし、日々の変化が微小で気がつかない部分もある。オールスターでは球児だけでなく、MVP藤本にシーツ、金本、鳥谷…タテジマがやけに目立っていたのを、なんか当たり前のように感じてしまった。それも他の担当からすごくうらやましがられた。

 昨年の9・7ナゴヤドームが後にそう語られたように、今季も秋に喜びがあるのなら、神宮と宮崎のオールスターはいわゆるターニングポイントになるはずだ。球宴で勢いをつけて、ってパターン。こっちも乗り遅れないようにせねば。

July 24, 2006 08:36 PM | トラックバック (2)

2006年07月17日

芝生に真心こめる中村豊:酒井俊作

 雨、雨、ひとたび曇り空になっても、また雨…。球宴直前の9連戦の最終カード巨人戦の初戦が降雨中止になった。決定前からやきもきするのは、選手やコーチ、球団の営業担当者、阪神園芸のグラウンドキーパー、そして記者も一緒だ。試合が行われれば、自然に埋まるはずの紙面は、中止になったとたんに白紙になる。室内練習場とロッカーを何度も往復し「ネタ探し」に奔走することになる。

 梅雨時は、必然的にグラウンドコンディションも悪くなる。ぬかるむ黒土、滑りやすい芝生…。そんななか、人知れず「工夫」しているのは中村豊だ。「雨が降った次の日は、芝生がはがれやすい。浮いていたら埋める。気づいたらやっています」。5日横浜戦は降雨コールド試合だった。翌6日、試合前の練習から引き揚げる前に緑の芝生を見渡しては足で押していた。

 雨の日だけではない。いつだって芝生に真心をこめている。「練習用のスパイクはツメの短いのを履いています。だって、はがれたらイヤでしょう。エラーしたこともあるし、できることはね…」。12日広島戦は9回から守備で出場した。無死一塁で新井の打球は右翼ポール下にライナーで飛んだ。左腕を思い切り伸ばし、最後はフェンスに激突しながらつかんだ。最高のプレーをするために、準備を怠らないから-。「守備のスペシャリスト」と言われている理由を感じた。

July 17, 2006 10:34 PM | トラックバック (0)

2006年07月10日

球速い藤川も流行に乗るのは…:浜田 司

 「虎の無失点男」の微笑ましい一面を見た。最近、藤川がハマっているのは韓流ドラマ「冬のソナタ」。秋田遠征に向かう空港ロビーで「ユジンですわ、ユジン」とチェ・ジウ演じるヒロインの名前を連呼してきた。

 流行に乗り遅れているのは否めない。韓流ブームも、そろそろ下火。「冬ソナ」が流行ったのも、もう1年以上も前のことだ。だが、そんなことはお構いなし。「知ってますか」と得意気に聞いてきた。「知ってるよ、パチンコ台にあるから」と返すと、「それやからアカンのですわ」と笑われた。

 遠征先の宿舎で、2度ほど泣いたことがあるという。「福原(忍)さんなんて部屋に入ったらダーダー泣いてましたよ」。そういえば5月の横浜遠征の時はテレビドラマ「海猿」の再放送を見て「面白い」と喜んでいた。球が速くて、走るのも、しゃべりも、頭の回転も速い藤川だが、流行に乗るのだけは遅いようだ。

July 10, 2006 07:33 PM | トラックバック (5)

2006年07月03日

難病で苦しむ少年に勇気を与えた赤星:片山善弘

 改めて巨人終身名誉監督・長嶋茂雄氏の偉大さを思う。04年3月に脳梗塞で倒れたが、08年の北京五輪代表監督に意欲的だというから驚きだ。

 私事だが、虎番になって最初の春季キャンプ出発前日、父が脳梗塞で倒れた。車イス生活となった親父へ、励ましの言葉はなかなか見つからない。「同年代の長嶋さんは元気になった」。こう言えた分だけ、どれほど救われたことか。

 先日、吉村和馬君(11)という少年が甲子園で赤星対面した。難病・筋ジストロフィーと闘い「何もしないよりは…」と阪急、阪神電車の駅を一つずつ歩むことにしたのだという。途中からは車イス。丸6年かかった一つのゴールが「聖地」だった。

 病の影響で今の手の握力は4キロしかない。タイヤでこすれ、マメだらけになった両手。赤星がぎゅっと握り締める姿を見て何ともうらやましい職業だと思った。かくいう私も知らぬ間にプロ野球に勇気付けられている一人なのかもしれない。

July 3, 2006 06:59 PM | トラックバック (7)