虎番ブログ

2005年10月26日

勝敗度外視…阪神らしい野球を:酒井俊作

 何かにすがりたい気持ちは痛いほど分かる。日本シリーズで3連敗して迎えたこの日は「神頼み」だ。阪神ベンチの最後部座席の下に、清めの塩が盛られた。さらに、通常は試合直前にベンチに置かれる虎の張り子が、練習前から鎮座していた。「(塩を)誰が置いたのか、分からないんだけどね」。球団関係者は一様に首をかしげる。10失点が3試合続いた…。悪夢のような日本シリーズと決別するためにも、何かを変えたい。そんな気持ちがヒシヒシと伝わってきた。

 私事で恐縮だが、甲子園に戻ってきた25日の試合からシーズン中の仕事ルックに戻した。先輩方から「ネクタイはどうしたんや?」と言われるのだが、せめて“普段着取材”で何か変われば…と、スーツを脱ぎ、ノーネクタイに。2年間、阪神を担当してきて、実質初めての日本シリーズ取材。非力で、試合の情勢に、何の影響も及ぼさないが、取材する選手には普段通りに戦ってもらいたい気持ちからだった。

 日本シリーズが始まる前に選手は異口同音に同じコメントを発していた。

 「日本シリーズを負けると、何か消化不良なんだ。何か物足りないまま、シーズンを終えてしまう…」

 勝敗はともかく、来季につながる阪神らしい野球をまっとうしてほしいと切に願う。

October 26, 2005 09:01 PM | トラックバック (15)

2005年10月25日

江草の笑顔が虎の未来を開く:柏原 誠

 2日ぶりの笑顔にこちらも救われました。23日の日本シリーズ第2戦で救援登板しながら4失点と大荒れだった江草。試合直後は今にも泣きそうで、一夜明けた24日も「真ん中にいってしまったから…」とボソボソしゃべっていたのが、この日ようやく持ち前のスマイルが戻りました。

 「ある意味、ただではマウンドを降りないところを見せてやりましたよ。引退したら笑えるんでしょうね。今は絶対笑えないですけど(笑い)」。試合を見た方はご存知でしょうが、江草は日本シリーズ新記録の1試合3暴投を記録。不名誉な記録を自虐的に振り返ってしまうのは、ネアカな江草の真骨頂です。

 正直、傷心の選手と接するのは嫌な仕事です。ただ初戦で炎上した橋本もそうですが、しっかりと自分なりにしゃべろう、立ち直ろう、または忘れよう、という姿勢は誰にでも真似できるものではない。何度打たれてもリベンジしてきたストッパー久保田や、フォーム改造で9勝を挙げた杉山も含め、阪神の未来を担う「松坂世代」には屈強な素材がひしめいています。

October 25, 2005 07:56 PM | トラックバック (6)

2005年10月23日

悪夢も霧中、虎こそ天に感謝:町田達彦

 個人的な趣向だが、プラカードを掲げての応援はあまり好きではない。どこかに「いっちょう目立ったろうか」という意識が透けて見え、鼻白むからだろう。だが千葉マリンでのシリーズ2戦目、練習中にスコアボードに映った映像にはクスリと笑った。

 「夜霧よ昨夜はありがとう」。裕次郎かい、と小さく突っ込み。その上で、本当に天候不良に感謝すべきはロッテファンでなく、阪神サイドではないかと思いを巡らせた。

 3ラン、2ランと猛攻を浴び、点差は一気に「9」まで広がった。まだ1死。永遠にも感じられたアップアップの状況を、めったにない経験で強制打ち止めにしてもらった。考えてみれば、アーチの着弾点だってかすんでよく見えない。「悪夢」の映像が脳裏にこびりつくこともないのだ。

 早く真っ白になって、出直そう。「ウソみたいにいい天気だな」と平田ヘッドコーチも気を取り直してマリン球場に入った。引きずっていても霧がない? 岡田監督なら“空そうよ”と軽く受け流すだろう。

October 23, 2005 07:04 PM | トラックバック (9)

2005年10月22日

決戦直前、金本と赤星は対照的:酒井俊作

 ついに決戦が始まった。無数のテレビカメラ、そして報道陣が三塁ベンチにごった返す。練習を終えた選手も、人をかき分けるようにロッカーを出入りしていた。ピンと張り詰めた空気が流れるなかでも、自然体の男がいる。金本だ。濃紺ジャージを着た杉田トレーナーに突っ込みを入れる。

 「オリックスに移籍するんですか?」。確かにオリックスカラー。大舞台を前にして、ジョークを飛ばせるあたり、さすがです。シーズン中からマッサージを施してきた恩人と爆笑し合った。杉さんは赤星にも声を掛けた。「楽にやれよ!」。普段は笑顔が絶えない赤星もさすがに「無理っすよ~」と苦笑い。シーズンが終わって16日間の空白。頂上決戦に賭ける選手の表情もさまざまだ。

 さて、私たち阪神担当も大詰めだ。16日間は村上ファンド問題、そして日本シリーズ直前取材などでせわしなく動き回った。合間にプレーオフ。先輩方から声が飛ぶ。「宿舎のキャンセルはちゃんとやったやろうなあ」。日本シリーズに備えて、事前に予約していた立川、博多の宿泊先のホテルをキャンセル…。西武、ソフトバンクが敗れ、そして曲者ロッテが残った。息詰まる熱戦の取材。シーズンのラストスパートと行きたいところです。

October 22, 2005 08:05 PM | トラックバック (5)

2005年10月21日

決戦前夜、久保田「1セーブ」:柏原 誠

 身を呈してのファインプレーです。決戦前夜の緊張をなごませたのは意外にも久保田でした。夜6時から千葉マリンで始まった前日練習。最初の投内連係中に脇から飛んできたボールが股間を直撃しました。当然本人は「アタタタ」と悶絶しましたが、こういう時って痛みを知っているはずの人たちも条件反射的に笑ってしまうもの。運が悪ければ血尿が出たりの大ゴトなんですが…。

 久保田は痛みにも負けず笑顔でした。「当たったわ~。高校の時もずっと当たったことなかったのに。吉兆? そんなわけないでしょ!」。この日、幕張には朝から根来コミッショナーはじめ球界のトップが終結。他球団担当とともに取材に借り出された虎番も全員がネクタイ姿でした。そんな風情でベンチに大挙したものだから、緊張ムードに拍車がかかります。

 そこにタイミングよく、久保田のキ○タマ騒動(誰も心配してなかったけど…)でユル~い空気が流れました。選手も記者も笑顔、笑顔。ホント、野球は1つのプレーで流れや雰囲気が変わるんです。寡黙な豪腕ストッパーが大きな「1セーブ」を記録しました。

October 21, 2005 10:07 PM | トラックバック (0)

2005年10月18日

ロッテの特ダネ…スペ砲が否定:浜田 司

 ロッテといえば…。ソフトバンクに比べて馴染みの薄いチームが阪神の相手になり、身近な人にささやかなアンケート調査を実施した。一番多かったのはサブマリン渡辺俊。次にバレンタイン監督だった。あとは西岡、今江らの名前が挙がったが、少数。今季Aクラスを走り、熱いプレーオフを見せたわりには名前が売れていない。

 個人的に忘れられないのが先発左腕セラフィニだ。近鉄担当だった昨季のこと。バーン(現オリックスのケビン)が投じた危険球に怒り、ベンチから1番に飛び出してきたのが、なぜか中継ぎ待機していたセラフィニだった。血の気が多く、挑発に乗りやすい? 弱点みっけ! と思っていたのだが…。

 「カッカしやすいなんてことはない。ナイスガイだぜ」。マイナー時代に対戦歴のあるスペンサーに否定されてしまった。せっかくネタだと思ったのに…。ガッカリしたものの、他にも興味をそそる選手が多いロッテ。そういう意味では面白いシリーズになりそうだ。

October 18, 2005 08:38 PM | トラックバック (7)

2005年10月13日

プレーオフ制は改善すべきだ:松井清員

 岡田監督が視察したプレーオフの取材で、福岡までやってきました。選手は「どっちなんだろう?」と日本シリーズの対戦相手を毎日気にかけていますが、それは番記者も同じです。千葉かそれとも福岡か…。でも戦前の予想を大きく覆し、結果はロッテまさかの2連勝。早くもロッテの日本シリーズ進出に王手がかかりました。

 でもやっぱり気持ちは複雑です。果たしてペナントレースでソフトバンクに4・5差つけられて2位のロッテと日本一を争うのはいかがなものか。これは岡田監督もよく口にすることです。しかも阪神は03年にソフトバンクの前身ダイエーに敗れたリベンジへの思いがあります。

 もちろんロッテはルールに則り、正当な権利を得ての出場ですから、文句を言われる筋合いはありません。ただ選手の本心はどうなのでしょう? もちろんソフトバンクの選手も泣くに泣けないでしょう。現行のプレーオフ制は来年、改善すべきと思います。

October 13, 2005 11:13 PM | トラックバック (16)

2005年10月05日

猛虎シリーズに集中されたし:酒井俊作

 まるで優勝したチームとは思えない。最終戦を迎えた甲子園は殺伐とした空気が流れた。関係者入り口前でテレビクルーが虎党にインタビューしていた。レポーターがパネルを見せると間髪入れずに「ムカツクねん、こいつ!」と荒げる声が、何ともなしに漏れ聞こえる。パネルの顔は投資グループ「村上ファンド」率いる村上世彰氏だった…。

 甲子園の記者席で原稿を書いている。周囲を見渡しても、各紙の虎番の数が少ない。電鉄首脳への取材で出払っているためだ。まるでストーブリーグのようなムード。今岡選手会長は「しっかり理解できていないところもあるし、不安とかは考えられない」と語る。本音だろう。プロ野球選手が、投資に詳しいとは決していえない。おまけに相手の顔が見えない。まだメディアで「生の声」を聞いたことがないのだから。

 ある選手が試合直前につぶやいた。「1000億円だぞ…。どんな額かも考えられないよね」。苦笑いを浮かべていた。釈然としない日々はまだ続きそう。そうは言っても、日本シリーズも近づいてくる。いまはただ“雑音”にまどわされず、日本シリーズに集中されんことを願うばかりだ。

October 5, 2005 08:45 PM | トラックバック (21)

2005年10月04日

優勝の余韻に浸るはずが…:浜田 司

 余韻に浸ろうと思ったのが間違いだった。優勝を決めた9・29以来となる甲子園でのゲーム。祝賀ムードを、おかわりしようと球場に出向いたが、それどころじゃない関係者を前に恐縮してしまった。

 「全然読んでないんですよね、時間がなくて。読みたいんですけどね」。藤川は自宅にあるVを報じるスポーツ紙に全く手をつけていないという。優勝翌日から東京遠征に出て、試合のなかった前日3日も移動日だった。帰宅後は家族サービス。今シーズン働き続けたセットアッパーは、優勝が決まっても忙しい。

 違う意味で余韻に浸れないのが牧田球団社長。村上ファンドの一件があっては、浮かれていられない。球団事務所から球場入りする際には、ファンから「タイガースを守ってや」と声をかけられる始末…。球団70年の歴史の中で、苦難の末つかんだ5度目の頂点。そこへ冷や水をブッかけられた方々の心中、お察し申し上げます。

October 4, 2005 08:28 PM | トラックバック (2)

2005年10月02日

テンション高いで~!3日遅れの祝勝「2次会」:柏原 誠

 昨日の勝利でだいぶ「シラフ」に戻ったかに見えた虎軍団ですが、完全に元に戻るのはもう少し先になりそうです。今季の東京ラストナイト。試合後、都内で3日遅れの「2次会」が開催されることになってます。優勝当日は深夜までテレビ出演、さらに翌日午前の東京移動だったため、選手は公式な2次会を行いませんでした(個々では色々あったようですが…)。

 お楽しみが控えているせいか、試合前からテンションが高かった。酒豪下柳は、勝利投手にもなったV決定試合の直後に「飲むぞ~」と叫んだように、楽しみで仕方ない様子です。そこにカラんだのは正田コーチ。「汗が足りないな。夜に備えて体をカラカラにしておけよ」。他愛ない冗談は次第にエスカレート。「ユニホームを着て行け。阪神の看板を背負ってれば変なことできないだろ」「女性のマンションには近寄るなよ」と言いたい放題。

 こんな会話が公然と? 許されるのも頑張ったごほうびです。それにしても、リラックスムードが一転、ヤクルトに連夜の快勝とは…。このメリハリ、いつまでも奈良漬け状態の私に分けてほしい。

October 2, 2005 10:16 PM | トラックバック (1)

2005年10月01日

ビールかけ執行委員長と実働部隊長のマル秘裏話:町田達彦

 緊急トップ会談の場に、期せずして居合わせた。本拠地甲子園で理想通りに胴上げを決め、大阪市内のホテルに移っての祝勝会。ハデなビールかけの後に、選手が各テレビ・ラジオ局の特別番組にはしごで出演しているときだった。

 ホテルロビーでたたずむ球団幹部と、シャワーを浴びてさっぱりの主力選手。こんな会話が交わされた。

 「カネ、どうやった、今回はどんとあったろう」。

 「いやー、多かったですね。全然終わらないんで参りました」。

 「増やして欲しい言うたのは自分やん。それでわしが業者にかけあって」。

 「いや、存分に楽しませてもらいました。ヌマザワブチョウのお陰です」。

 (スパイ記者注、ヌマザワブチョウ=ビールかけ執行委員長、カネ=ビールかけ実働部隊長)。03年はビール2000本があっという間になくなった反省から、今回は5000本を用意。するとなかなか減らず、最後はもてあましたとの報告だった。果たして適量は何本なのか、これから一度と言わず何度も実験しないといけませんな。

October 1, 2005 07:47 PM | トラックバック (1)