鉄矢多美子 Field of Dreams

2007年07月04日

第156幕 ボンズが松坂に求めるもの

写真は松坂について語るボンズ

 レッドソックス松坂とボンズの対決から2週間が過ぎた。松坂に対しての印象などをテレビカメラの前では一切口にしなかったボンズに「もうそろそろ、いいのでは?」と促すと、「彼は僕たちのリーグじゃないし、たった1試合きりの対戦だけでは印象も意見も言えない」と、相変わらずコメントを拒否する構えだった。

 それでも、ここで取り逃がすと永久に何も言わなくなるかもしれない。クラブハウスへ帰ろうとするボンズを何とかくい止めなければという思いから、気がついたらユニフォームを少し引っ張っていた。と同時に、とっさに新庄の話題を持ちかけてみた。すると不思議にもボンズの足がピタリと止まったのだ。そして「Shinjo,That's my boy! How are you doing dog!」と叫んだ。

 しめしめ、敵は乗ってきたようだ。そこで機を見て再度「松坂の…」と迫ると「野茂みたいに多くの対戦をしていれば、いろいろ言えることもあるけど…」と逃げの一手。たとえ1度の対戦でも、そのときの印象くらいはもっているはずだ。それでも、なかなか胸中は語ってくれない。これ以上迫っても無理だと思い、引っ張っていたユニフォームを離したとたん、ボンズの口から驚く言葉が飛び出した。

 「もし俺と再度挑戦したかったら、今度はストレートを投げ込んで来い! そしたら俺は水の中にボールをブチ込んでやるよ」。そういうボンズの視界にはスプラッシュヒットで有名になったマッコビー・コーブが入っていた。そして、このコメントの奥には、初対決でいきなり敬遠された際の、ボンズの心の様相が如実に写し出されているような気がした。

 ともあれ、何とか松坂に関するボンズの生の声を録画できてほっとした。それにしても、この言葉を引き出す触媒的な働きをしてくれたのは新庄だった。彼の名前を出すだけで、相好を崩すボンズを過去に何度も見てきた。ボンズがなぜこれほどまでに新庄を支持しているのかといえば、その一つは「思い切りのよさ」にあるのかもしれない。

 松坂と対戦したときもボンズは「新庄」のそれを求めていたにちがいない。もし、今の松坂ともう1度対戦したなら、今度はボンズの口から別の言葉が飛び出してくるだろう。今季2人が合間見える可能性はほとんどないが、意としていなかった投球で悔しい思いをした松坂と、仕切り直した2人の対決は是非見てみたいものだ。

※写真は松坂について語るボンズ

July 4, 2007 07:25 PM