2007年06月05日
第152幕 ボンズ金縛り? 大記録に向け大スランプ
ボンズが大スランプに陥っている。まるで金縛りにでもあっているかのように、打てない。ハンク・アーロンの通算本塁打記録755まであと21本としてシーズンインし、4月は本塁打8、打率3割5分6厘と好調な滑り出しを見せた。「記録更新はオールスター後の7月中旬から下旬」と予想していた「ボンズ番」の記者たちは、この滑り出しを見て、「Xデー」の予想を大幅に変更せざるをえなかった。
5月に入ると、すぐさまボンズの本塁打記録更新の取材用特別パスの申請受付が行われ、メジャーリーグ機構も記録を達成した際、本塁打を識別する特別な刻印ボールの準備をするなど、舞台裏もあわただしくなっていた。ところが、肝心のボンズが5月8日に10号を打ってから14試合ノーアーチ。結局5月は本塁打4、打率1割9分4厘と、全く期待はずれに終わった。当然のごとく、新聞には「SLUMP」の文字が躍る日が多くなっていた。
こうなれば、ブツブツと文句も多くなる。夜間は冷え込むサンフランシスコの気候に「寒い」を連発。そのため球団は今季からボンズのために(と言っても過言ではない)ホームのベンチに暖房設備を整えた。そこで「暖」をとりつつ「僕は42歳で、もう年なんだ。22歳ではないから、寒さが身に堪えるんだよ」と、ブツブツ。春先に全米を襲った寒波には「野球をする気温じゃない。70度(摂氏では約21度)を越えないとね」とブツブツ。
その気温に関して言えば、このところ、ジャイアンツが試合を行っている地域は、連日70度を越えている。「野球ができる気温」になっているのだが、肝心の「ボンズの温度」が上がってこないのだ。6月5日からの試合は、現在95度~105度前後(摂氏=35度~40度)の真夏のアリゾナで行われる。そこはボンズが大学時代(ASU)を過ごした愛着のある場所で、ジャイアンツのキャンプ地でもある。「気温」と「環境」が揃った第二のふるさとで、リラックスできれば、復調のきっかけをつかめるかもしれない。
振り返れば「ベーブ・ルースまであと6本」から始まった昨年も、記録に到達するまであと1本になってから、12試合、40打席と足踏みしている。ボンズは否定するが、プレッシャーも尋常ではないのだろう。シーズン前には「あとたったの21本じゃないか。そんなものすぐだよ」と豪語していたが、シーズンに入ってからは「俺は(記録達成を)引っ張るよ」と訂正した。すぐ手の届くところにあるように思えても、実際はなかなかつかめないというのが現実なのだ。スランプに陥っている今、先人の残した偉大な記録がどれほどのものであるか。ボンズは、ひしひしと感じているに違いない。
June 5, 2007 12:05 PM
