2007年04月07日
第145幕 変貌したボンズ、22年目のイメチェン?
開幕第2戦目でバリー・ボンズが今季1号本塁打を放った。新装なったAT&Tの大型ビジョンに通算本塁打数「735」の大きな文字が浮かぶ中、ネット裏に勢ぞろいした家族の視線を受けながらダイヤモンドをゆっくりと走り抜ける。割れるような場内の歓声を浴び、ハンク・アーロンの世界記録755号まであと20本と迫った瞬間、それでもボンズは冷静沈着だった。
「カウントダウン? まだ早すぎる。それは(あと5本となる)750号になってからのことだね。みんなそれまで家で休んでていいよ」とジョークを交え、はやる記者団の言葉をかわす。開幕してわずか5打席目で飛び出した本塁打。いやがおうでも記録更新の期待が膨らむが、そうした周りの押せ押せムードに乗せられることなどなく、あくまでも自分のスタンスをしっかり保っている。
それにしてもボンズの変貌ぶりには驚かされる。彼の中で何が起こっているのだろうか? ここ数年悩まされてきたひざの調子がよく、走り込みができたため、体が絞れてコンディションがいいことが気分を快活にさせているのかもしれない。開幕日の試合前にはこれまで行わなかった記者の囲みインタビューを受け、開幕戦で意表をつく二盗までしてみせた。たとえ本塁打が出ても試合に負けた場合はコメントしないことが多かったが、今年は1号本塁打のあときちんと話をしている。
その都度とまではいかずとも、このように節々で報道陣とのやりとりを行う姿は、これまであまり見られなかったことだ。キャンプ中から「今年は楽しく野球をやりたい」と言い通してきた。その言葉どおり、練習の前後にはジョークを飛ばし、監督やチームメートとも楽しそうに会話を交わしている。今のところ記者団ともいさかいは起こしていない。少しイメチェンしたそんなボンズに対し、取材記者たちは軽い衝撃さえ受けているようだ。
一時はハンク・アローンを超えたら引退も…とささやかれていたが、それがほぼ確実になった今、もう一つのマイルストーン2000打点、3000本安打を今季中に達成することも視野にある。よしんばそれに足りなければ、来年もという腹づもりを持っているのも確かだ。ただし、それには故障さえなければという条件がつく。いずれにしろ、ボンズの中で何かが変わった。22シーズン目のイメチェン? いや、実は今の姿が本当の彼なのである。
April 7, 2007 12:46 PM
