鉄矢多美子 Field of Dreams

2007年02月13日

第139幕 「ん? 桑田も井川も松坂も同一人物?」

 パイレーツとマイナー契約した桑田真澄投手が、キャンプ地入りした。米フロリダ州タンパの空港に到着した際、レッドソックスの松坂と間違えられたことが報じられているが、外国人からみると、どうも日本人は皆同じ顔に見えるらしい。先週のコラムでも紹介したが、2004年の日米野球で井川から本塁打を放っているレッドソックスのデビット・オルティスが、井川の顔をなかなか思い出せなかった。

 それでは、同じく2004年の日米野球に出場し、チームメイトになる松坂は覚えているだろうと思いきや、バツの悪そうな顔をしながら「いや~、それがその~~、どんな顔してたか覚えてないんだ。どんな球投げてたかも…」。松坂のレッドソックス入団が決まった後で、テレビで見て凄い球を投げるんだと、初めて知ったのだという。日米野球で松坂とは対戦しなかったこともあるが、では、どこを見ていたのであろうか?

 それはさておき、昨年はオルティス自身、ア・リーグの2冠王に輝く活躍を見せたが、彼がいくら打っても打ってもレッドソックスは勝てなかった。原因は「弱投」にあった。そんなレッドソックスの救世主にもなろうかという男に対する主砲の認識の甘さに内心ムッとしたが、顔を「覚えていない」のではなく、正確には同じように見えて「判別できなかった」という方が正しいのかもしれない。

 よくよく思えば、筆者がメジャーリーグの世界に足を踏み入れた当初も、向こうの選手の顔が同じように見え、だれがだれだか判別できず、同じ選手に何度も質問を浴びせ「それ、さっき答えたよ」などと言われて、初めて同一人物だということに気がついた苦い思いで出がある。桑田のそれも、オルティスのそれも、同じ現象なのだ。

 これと同様なことを、キューバのアナ・フィデリア・キュロット(アトランタ、バルセロナ五輪で銀と銅メダルに輝いた陸上女子800メートル選手)にこんなことを言われた記憶がある。「何度日本に来ても、日本人の顔が皆同じに見えてしまうの。日本人は単一民族で混血していないせいなのかもしれないけど、一応に目が細くつりあがっていて、それが見分けるのを困難にしている気がするの」と。

 今季は招待選手も含めて、一昨年につぐ最多タイの16人の日本人選手がメジャーの切符を目指しキャンプのスタートを切る。彼らの投球がベールを脱ぐと、いやがおうにもそのインパクトで、強烈な印象とともに、忘れ得ない顔になるだろう。桑田も井川も松坂も同一人物に見えるらしい外国人に、しっかり顔を判別してもらえるまで、もう少し。

February 13, 2007 12:43 PM