2007年01月11日
第135幕 「メジャーリーガーと発砲事件」
ホワイトソックスで井口と二遊間を組むホアン・ウリベが、選手生命がかかった大きな危機に立たされている。昨年10月13日に母国ドミニカ共和国で、口論の末、相手に発砲して怪我を負わせた事件に関与していたとされている。本人は「自分はその場にいなかった」と、発砲したことを認めていない。だが、被害者からは「たしかに彼はその場にいたし、彼が撃った」と訴えられているのだ。
ドミニカ共和国ではもっぱら「彼が撃ったに違いない」という評判が飛び交っていたが、このほど、事件に関して地元の裁判所から月に2度の出廷命令が出され「やっぱり」と、ウリベに対する風当たりも強くなっている。この状況のままでは2月のキャンプに合流できない可能性ばかりか、それが長引けばシーズンも棒にふることになる。昨年まで中日でプレーしていたマルティネスも来日前に発砲事件を起こしているが、この時は正当防衛と認められ、ことなきをえた。
平和ボケしている日本からみれば、何で野球選手が銃を持ち、いとも簡単に発砲してしまうのだろう? と不思議に思えてならないだろう。実は治安が悪い中南米では、野球選手のみならず、一般市民も護身用として銃を持ち歩くのが当たり前になっているのだ。先日、ヤンキースのロビンソン・カノのドミニカ共和国の自宅前を通りかかった際に、家の前で怖い形相で銃を持って立っている姿を目撃した。これが彼らの日常なのである。
ウリベはシーズン終了後母国に帰り、その直後にこの事件を起こしてたが、11月後半からはウインターリーグにも出場し、今シーズンに賭ける意気込みも見せていた。だが、今度は彼が所属するチーム、エスコヒードが賭博試合を行っているとスッパ抜かれ騒然となった。チームは6チーム中5位に終わり、ウリベ自身もたった6試合プレーしただけでグラウンドから消えた。
おまけに、12月には親戚の元メジャーリーガー、ホセ・ウリベが交通事故で亡くなった。発砲事件を皮切りに、賭博試合、親戚の交通事故死など、ウリベのオフは連鎖反応のように不幸なことが起こっている。ホワイトソックスでは今季、ショートの定位置が約束され、さあこれからだ、という矢先だっただけに、1年を棒に振るようなことになれば、発砲事件の代償は大きいものになる。
ウリベは、銃を持っている意味と、メジャーリーガーとしての品格について、今一度考え直す必要があるのではないだろうか。
January 11, 2007 11:49 AM
