2007年01月04日
第134幕 「善意でしめくくられ新年へ」
ア・リーグ2冠王のデビット・オルティスが、フィールド外でもスーパースターの存在感を見せている。12月30日(日本時間31日)に、母国ドミニカ共和国で、彼の名前を冠したチャリティーソフトボール大会を開催し、その収益金を難病で苦しむ小児病院に寄付した。これに先立つ12月7日にも、同国の小児病院を訪問。およそ2000万円ほどの寄付金を贈り、入院中の子供たちの病室を訪ねて1人、1人を励ましている。
近年、メジャーでもこうしたチャリティー活動が積極的に行われるようになってきたが、それはドミニカ共和国の隣の島、プエルトリコ出身のロベルト・クレメンテの影響によるところが大きい。1972年12月にニカラグアで起こった大地震で被災した人々に救援物資を運ぶため、自ら乗り込んだ飛行機がサンファンの空港を飛び立った直後に墜落。帰らぬ人になってしまった。「自分の命と引き換えに弱者に手を差しのべる」というそのスピリッツは、以後、脈々と受け継がれているのだ。
ドミニカ共和国の野球少年のほとんどがそうであるように、オルティスもまた貧しさの中から立ち上がってきた。巨額のお金を手にするスーパースターにのし上がった今、それを自分だけのものにするのではなく、弱者に手を差しのべ、でき得る限りの社会貢献に身を投じている。その様は明確にクレメンテの意思を受け止め、つないでいることを思わせる。12月31日は、くしくもクレメンテの命日に当たる。オルティスの呼びかけで参加した選手たちも、34年前の出来事を胸に「今、自分たちにできること」を精一杯やり遂げた。
「助けが必要な子供たちが大勢いる。できる限り援助の手を差しのべ続けて行きたい」。チャリティーソフトボール大会には、オルティスの趣旨に賛同したペドロ・マルティネス、ブラディミール・ゲレーロ、ミゲル・テハダといった同国出身のスーパースターたちも手弁当で参加。アメリカにいて参加できなかったアルバート・プフォールスは病院あてに寄付金を送った。2006年の終わりが、ビッグ・パピの呼びかけに呼応した有志一同による大きな善意でしめくくられた。
January 4, 2007 12:05 PM
