鉄矢多美子 Field of Dreams

2006年07月07日

第118幕 果てしなく、限りなく続くテハダの連続出場

  「Mr.エンドレス」。ミゲル・テハダに会うたびにそう呼ぶことにしている。7月1日のブレーブス戦で連続1000試合出場記録を達成した彼には、そのニックネームがいかにふさわしいかと密かに自負している。の記録を続けるのがどれだけ困難であるかは、テハダの記録が現役選手でトップであり、メジャー史上でも歴代7人目ということからも察知できる。2000年5月31日から始まり、足掛け7年で達成しているが、彼の連続試合出場のすごさの裏には実はもっと驚くべき「連続出場」が隠されている・・・。

162試合を戦ったオフシーズン、故郷のドミニカ共和国に帰ると、自チーム「アギラス」の主力として11月中旬から参加し、プレーオフからカリビアンシリーズにいたるまで毎年すべての試合に出場し続けているのだ。今年の1月後半に行われたウインターリーグのプレーオフでは、それが終わった時点で、さすがの鉄人テハダも「疲れた。今年はもうこれ以上(母国で)プレーしない。(メジャーの)キャンプまでちょっと休養するよ」と言っていた。

ところがその後、2日おいてベネズエラで行われたカリビアンシリーズで、ふとフィールドを見ると「DOMINICANA」のユニフォームに身を包んだテハダがさっそうと守備練習に参加しているではないか!聞くと、不参加を決めていたが、2日休んだら疲れが飛んだから、どうしてもプレーしたくなって、直前にプライベートジェットを駆ってドミニカ共和国からベネズエラまで飛んできたのだという。

もちろん、カリビアンシリーズでも全試合に出場し、それが終わるとすぐボルティモアのキャンプに参加。そしてWBCのドミニカ代表としてもプレーするという驚異的なスケジュールをこなして今季を迎えている。思えば、ゆっくり体を休めるのは年間にほんの数日しかないことになる。何が彼をそうさせているのだろうかと、ことあるごとに質問をぶつけ続けてきたが、答えはすべて「僕は野球をプレーするのが好きだから」だった。

1000試合連続出場記録を達成した後もその答えは変わることはなかった。「自分にとって1000試合とか2000試合とかいう(記録を)考えてプレーすることではなく、1試合、1試合を大切に毎試合プレーし続けていくことなんだ。というのも僕は野球をプレーすることが大好きだからね」。

くしくも歴代1位の「2632」試合連続出場記録を持つ、リプケンJrと同じボルティモアで同じ遊撃を守りながら、連続試合出場記録を積み重ねている。それはテハダにとってモチベーションが上がる要因の一つではあるが、大先輩の記録を意識することより、むしろフィールドに出て日々、プレーが続けられることに無常の喜びを抱いているのだという。

今季もまた162試合を戦い抜き、オフには故郷にもどってウインターリーグに参加、プレーオフ、カリビアンシリーズと、エンドレスにプレーを続けるのであろう。1000試合連続出場という大記録に、オフの間もほとんど休まずプレーし続けているテハダの野球に対する深い思いを重ねると、達成された記録にはまた一味違う重みが加わる。Mr.エンドレス。その名の通り、彼の野球に対する思いは果てしなく、限りなく、続く。

July 7, 2006 06:45 PM