2005年04月19日
第87幕 V戦士たちの再会
レッドソックスのチャンピオンリング授与式が華やかに行われた4月11日、他チームに移籍したデレク・ロウやデーブ・ロバーツはセレモニーにかけつけた。が、V戦士の1人オーランド・カブレラはレンジャーズとの試合のため、テキサスにいた。「今頃みんな優勝リングを手にしているだろうな」とボストンの地に思いをはせながら、プレーをしていたのだという。
世界一の証、チャンピオンフラッグ
昨年、前半戦を折り返した時点で「世界一を狙うには守備の強化が急務」としていたレッドソックスのエプスタインGMは、故障がちなノーマ・ガルシアパーラの放出に踏み切り、2001年にゴ−ルドグラブ賞を受賞するなど、守備に定評があったカブレラを、トレード期限ギリギリの7月31日にモントリオールから獲得した。以降、8月1日からペナントレース終了まで、レッドソックスは42勝18敗という猛烈な追い上げをかけ、ワイルドカードでポストシーズンに進出を決めたのだ。
閑古鳥の鳴くモントリオールから、熱狂的なファンに囲まれプレーしているボストンにやってきただけでも、カブレラにとってはある種のカルチャーショックだった。「チームとファンが一体になってこんなに熱くなっているチームは見たことがない」と驚きを隠し切れなかったが、気がつけば彼自身もまたそのボストンの「熱い輪」の中で燃える戦士になりきっていた。
V戦士たちとの再会をまちわびるカブレラ
「守りの強化」を念頭にカブレラを獲得したエプスタインGMの思惑は見事に当たり、ボストンに86年ぶりの「世界一」をもたらした。だが、早くも12月にはワールドシリーズを戦ったカージナルスから、大型遊撃手エドガー・レンテリアの獲得を決め、カブレラはチームを去ることになった。皮肉にもレンテリアはスカウトだった亡き父ホルベルトが発掘した選手でもあった。
今シーズンからエンゼルスでプレーすることになったカブレラのもとに、先日、レッドソックスの元チームメートたちから「6月2日」の予定を空けておくようにと連絡が入った。それは3日からボストンで行われるアナハイム戦を前に有志が集まり、共に戦ったカブレラのために仲間内でささやかなチャンピオンリングの贈呈式を行うというものだった。
レッドソックスの選手としてほんの3カ月足らずプレーしただけではあったが、カブレラはその間、凝縮された密度の高い時間を過ごした。それだけでも十分満足だったが、チームが変わった今、自分のためにプライベートで「指輪の贈呈式」を開いてくれるのだという。その思いがけない知らせに思わず胸を熱くした。6月2日に「世界一の証」を手にするカブレラ。その時V戦士たちはボストンでどんな再会を果たすのであろうか。
April 19, 2005 03:41 PM
