2006年06月26日
プロのサウンド楽しんだ:石田泰隆
プロの力が堪能できた2時間54分だった。
23日の楽天戦(福岡ヤフードーム)。この日は太鼓などの鳴り物応援を控えた「球音を楽しもうデー」だった。ドームの屋根に反響する応援団のトランペットもなく、何だか落ち着いて野球を見ることができた。
序盤は斉藤和、楽天グリンの投げ合いで、5回表まで両チーム無安打が続いた。両投手とも150キロに迫る直球を次々と捕手のミットに投げ込み、そのたびに「バチン」という乾いた音がドーム内に響いた。キャンプ中にブルペンで耳にしていたミットに収まる音とはまるで違う。真剣勝負の本気の球というものを目で、耳で、肌で感じることができた。
0-0の均衡を破ったズレータの“本塁打音”も心地よかった。5回裏。この日、両チーム初安打となる1本をバックスクリーン右に突き刺した。力強いスイングから球がバットに当たった瞬間「カーン」という甲高い音を残して、スタンドに飛び込んだ。
野手が打球を裁く時にグラブに収まる「パシッ」という音も聞くことができ、何だか得した気分になれた。あの音もプロだから出せる、プロならではの音だと思う。グラブの芯(しん)で捕球しないと、あんな音は出せない。
年に1度の企画とはいえ、普段はあまり耳にすることのない音を何度も聞くことができて、本当に楽しかった。別に鳴り物応援を否定しているわけではない。鳴り物応援は日本独自の応援方法で、プレーしている側は鳴り物応援に乗せられてプレーすることも事実だ。ただ、いつも以上に本来の「野球」というものに集中できたのも事実。試合後の王監督も「またやればいいのにな」とポツリと漏らした。年に1回の行事にするには、もったいない気がしてならない。
June 26, 2006 11:40 PM 投稿者:石田泰隆 | トラックバック (4)
2006年06月19日
甲子園は非日常的な空間だった:中村泰三
交流戦が終わった。今年は広島を除くセ・リーグ5球団の本拠地で取材をした。阪神戦で甲子園を訪れた際、03年の横浜担当時代、当時の球団社長が話していた言葉を思い出した。
「この横浜スタジアムの中を、非日常的な空間にしたい」。
その例として挙げたのが、東京ディズニーランドだった。「あそこに行けば、子供だけでなく、大人も夢とファンタジーの世界に浸る。もう1度、行きたい、と思わせるだけの空間が存在する」。なるほど、何度か足を運んだことがあるが、ディズニーランドのゲートをくぐれば、確かにワクワクする。「何度か」と書いたように、家族での入園回数は3年間の東京出向生活で複数に及んだ。ただ、プロ野球とプーさんのハニーハントは、同じ興行でも別物だと思っていた。この甲子園を訪れるまでは。
甲子園の中は非日常的だった。球場全体が気を発している。記者席は揺れ、地鳴りがする。まるで呼吸するかのように声援で空気が動く。実数で4万人以上を記録するが、今回のソフトバンク戦は本当にアルプススタンドの最上段にまで人がいた。それだけの人間が声を出して応援すれば、球場が生き物のような動きをするのも当然だろう。
福岡ヤフードームの応援もすごい。屋根に反響された声援は迫力を感じる。その優劣を論じるつもりはない。ただ、交流戦によって、セ・リーグの球場に足を運ぶきっかけはできた。甲子園の非日常的な空間は、野球ファンなら見ておいて損はない、とあらためて感じた。
June 19, 2006 10:12 PM 投稿者:中村泰三 | トラックバック (2)
2006年06月12日
とっても律儀な世界一監督:梅根麻紀
12日は移動日。チームは新幹線で博多駅から広島へ移動。移動取材だ! 駅で選手を待って撮るだけなんだけどね。
駅についたらまずチェックすることは王監督の居場所。監督を撮りのがすと重いカメラ持って駅に来た意味が無いもんね。監督の写真は絶対必要だからね。一番困るのは「どこからか入ったらしい」っていう、あいまいな情報(笑い)。その日も駅に着いたなりに同業他社のカメラマンから「どこからか入ったらしいよ」。「えっ・・・・?」。
入場券を購入しホームへ。端から端まで探すけど監督はいない。時々、キオスクで雑誌を買ったりするのでキオスクをちらっとのぞく、いない。こまった-。上司になんて言い訳しようか考えているワタシ(笑い)。
他社のカメラマンの歩幅が突然変わったので「監督来た」と察知(大げさ)。
王貞治監督はいた。ホームに仁王立ち。かっこいいぜ。スーツ姿で新幹線を仁王立ちで迎える世界一の王監督。やっぱ、監督の雰囲気って絶対普通の人と違う。後光が見えるぜ。
私たちカメラマンが寄っていっても貫録ものだ。「失礼します」とカメラを向けると「はーい、いってきますよー、あなたたちご苦労さまねー」と言いながらゆっくりと歩く。ゆっくり歩くのはカメラマンに撮る余裕を与えるためだ。ホントだよ。
監督は誠意を持って接する人間はどんな立場の人間でも受け入れてくれる。ストロボの光がなかったら「ついてないよ、大丈夫?」。撮りそこねたら「んじゃ、あのへんからもう1回歩いてきましょうかね」。…なんて気持ちのデカイ人だ!
白線できっちり止まって新幹線を待つ監督。律儀だぜ! 両手は腰だ! 背筋はまっすぐだ! とても66歳とは思えないぜ!
新幹線がホームに入って来た。扉が開くまできっちり白線手前だ。「じゃ、いってきます」と一言残しさっそうとグリーン車へ。席に座ってもファンが窓越しにいつまでも手を振る。監督も合わせて振る。発車してもファンが並走で手を振る。危ねーったらありゃしない。
行ってしまったので他社のカメラマンと駅を脱出、「人ごみ疲れるねー」なんて言いながら。おそらく広島駅でまたファンが待っていて囲まれるだろう。疲れてるに違いない。でも監督のことだからきっちりサービスするんだろうなあー。すげー、監督ー!。
June 12, 2006 07:07 PM 投稿者:梅根麻紀 | トラックバック (4)
2006年06月05日
ハマスタでの体験:進 尚幸
6月2日、交流戦の横浜スタジアムが騒然とした。三塁塁審がファウルをジャッジしたのに対し、球審はフェアの判定で併殺が成立してゲームセット。三塁側のカメラマン席から飛び出してナインを迎えるソフトバンク大道選手を撮影していると、誰かが叫んだ。「ファンが入り込んで来たぞ!」。振り返ると、グラウンドで数人のファンが、警備員に取り押えられてる。ソフトバンクの選手たちは、荷物を早々と片付けてバスへ向かった。もちろんこんな状況では、ヒーローインタビューもナシ。
抗議する横浜の牛島和彦監督を撮り歩いていると、中身の入ったペットボトルが飛んできた。コレ、当たると痛いんですよ~。昔、サッカーの取材で、サポーターからぶつけられた事がありました。こんな時は大体、カメラマンがいい標的にされちゃうんですよね。「お前ら何撮ってんだ!」って。
ベンチの中からものすごい音が聞こえたので、レンズを向ければ、今度は石井琢朗選手から「もういいだろうっ、いい加減にしろっ」と言われる始末。盗み撮りをしてるわけじゃない、目の前で起こってる事を撮ってるだけなのに。
どんなに仲が良くても悪くても、良い事だろうが悪い事だろうが、撮影するのが仕事なんだからシャッターは押しますよ。
今回の件で一番不安に感じたのは、各球場で新設されているフィールドシート。野球離れが進み、ファンと選手がより近付くために、フェンスを取り払ったスタイル。横浜スタジアムもそうでした。数人のファンが乗り込んだだけで事なきを得ましたが…考えるとゾッとしましたね。
それはそうと、選手、監督も全員ロッカールームに引き揚げ、投げ込まれたゴミだけが残ったグラウンドにネクストバッターズサークルのバットと滑り止めを片付ける人、元ソフトバンクの松修康(現横浜打撃投手)の後姿は寂しそうやったなぁ~。
June 5, 2006 03:31 PM 投稿者:進 尚幸 | トラックバック (3)
