2007年12月05日
静まり返る球場に15年目のベテラン:押谷謙爾
オフの福岡ヤフードームは静かだ。報道陣は契約更改の取材に訪れるくらいで、記者室もちょっぴり閑散としている。シーズン中は毎日のように顔を合わせていた選手たちも、それぞれオフタイムを過ごす。その中でも何人かの主力がドームで来季に向けて汗を流している。佐藤誠投手(32)もその1人だ。
前年に右ひじの手術を受けた影響で開幕は遅れた。中継ぎ陣の不調もあり、前倒し気味に4月20日に1軍招集。ウエスタン・リーグで4試合3回1/3を投げた段階だったが、チームの窮状を救うため戦った。テレビドラマ「スクールウォーズ」のテーマ曲「ヒーロー」とともにマウンドに駆け上がり、初登板から16試合連続無失点。「苦しんだ2軍の時のことを忘れないようにという思いで、曲を選んだんです」。2軍生活の間、移動バスの中で見ていたビデオだった。落ちこぼれ軍団が全国制覇を成し遂げるドラマに、けがから復活をかける自分を重ねていた。開幕前に二女誕生という発奮材料もあっただけに、燃えていた。
ただ、前半戦で9ホールドを挙げた踏ん張りは、後半戦にダメージとなって右腕を襲った。「9月くらいまで痛み止めを飲んだりしたけど、握力も入らないほどバテバテの状況でした」。球宴後は5試合に登板したが、4試合で失点するなど5回1/3を投げ8失点、防御率13・50。そのまま8月中旬から2軍暮らしに戻り、そのままシーズン終了を迎えた。
契約更改交渉では減俸でサインした。「後半の大切な時にいなかったし…」と不本意なシーズンを振り返る。来年は、的山、小久保、大村と並んでチーム最長のプロ15年目を迎える。人気のない球場で淡々とトレーニングする佐藤。静まり返る球場に麻倉未稀が歌う「ヒーロー」が聞こえてきそうで、思わず胸が熱くなった。
December 5, 2007 12:35 AM 投稿者:押谷謙爾
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