2007年06月11日
森脇コーチの広島市民球場での“儀式”:押谷謙爾
広島との交流戦。試合前にソフトバンクの背番号88が広島市民球場の一塁側ブルペンへと向かった。森脇コーチだ。「なかなか機会はないけど、ここに来ると必ず、ね」。炎のストッパーと呼ばれ、93年に脳腫瘍(しゅよう)で亡くなった津田恒美投手(享年32)の功績と人柄をたたえる銅板にあいさつするためだ。
広島時代に無二の親友だったと聞く。津田さんは91年に腫瘍がみつかり、現役を引退。長らく病と闘ったが、93年に他界した。ダイエーで現役だった森脇コーチは福岡市内の病院に入院していた友の元に足繁く通った。自分の年俸を減らしてでも現役復帰できるよう、球団にかけ合うと言ったのは有名な話だ。「期せずして福岡で会えるようになって…。友達として何ができるのか。病気をやっつける気持ちが高まるならと思って。当時は選手枠もなかったから」。残念ながらその言葉は現実とはならなかった。
翌94年、森脇コーチの結婚披露宴には津田さんの席があった。次々と料理が運ばれ、キャンドルサービスも行われた。「周りはドラマみたいと言うけど、僕としては当然のこととしてやっただけです。式に来てもらい、みんなと同じものを食べてもらおうと。本当に心からそう思っていた」。強いきずなで結ばれていた、親友だった。今でも関係者とは手紙のやり取りを欠かしていない。
「津田プレート」に触れて臨んだ広島戦は今シーズン初の交流戦連勝となった。腕を組んで、三塁コーチボックスに立つ「88」の背中を見ると、なぜか胸が熱くなった。
June 11, 2007 11:03 PM 投稿者:押谷謙爾
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