2006年11月06日
情熱にあふれた熱血コーチが再出発:中村泰三
1人の熱血コーチが去った。今季限りで退団した6人のコーチの中に、中居殉也2軍バッテリーコーチも含まれていた。90年にドラフト外で金沢高からダイエーに入団。5年間の現役生活で1軍出場は全くなかったが、その人柄を評価され、96年からスタッフに転身し、03年からコーチに昇格。実績が後ろ盾になるプロ野球界では、異例ともいえる人事だった。
経験、実績のなさを選手への情熱、野球への愛情でカバーしてきた。選手の視点に立ち、基礎から徹底的に鍛え上げた。今季、1軍に定着した山崎には、入団時から下半身の強化メニューに取り組ませた。見た目には、しごきにも近いトレーニングに、高卒の若手捕手は涙さえ見せたこともあったという。「あのカツキがですよ…」。今シーズン中には、スタメンマスクもかぶるまでに成長した山崎をそう言って懐かしがった。
キャンプ中に、悩みを持つ選手を部屋に呼び、深夜まで2人きりで話し込んだ。「野球を辞めたい」と漏らした選手を、朝方まで励まして翻意させ、翌日の練習に参加させたこともあったという。ときには鉄拳制裁を科すこともあった。行きすぎの教育を懸念する声もあったが、それも選手に対する情熱の裏返しだと受け止めていた。
将来の夢として「故郷、石川で少年野球の指導者になりたい」と話したことがある。16年間、プロ野球界に在籍し、その専門技術は蓄積しただろう。何より指導者に不可欠な野球への熱意と情熱がある。いつか、夢をかなえてほしい、と思う。
November 6, 2006 04:20 PM 投稿者:中村泰三
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