鷹番日記

2006年07月18日

会話重視の森脇監督代行:中村泰三

 王監督不在のホークスで、監督業は森脇チーフコーチ兼内野守備走塁コーチが代行している。森脇コーチは96年シーズンを最後に現役を引退し、そのまま育成コーチに就任。その後、2軍監督なども歴任し、1度もユニホームを脱ぐことなく現在に至っている。その経歴を見れば生え抜き選手のように思えるが、プロ入りは78年の近鉄(ドラフト2位で入団)。83年には広島に移籍し、その後シーズン中の87年5月に南海(現ソフトバンク)へトレードで移籍している。

 ホークス担当になったばかりの94年オフ。自主トレ中の森脇コーチ(もちろん、当時は現役)を取材した。取材といっても、そのときは選手名鑑に記入する「趣味」を聞くためだった。雑誌や漫画を読む「読書」、定番の音楽鑑賞など適当に答える選手も多かった。その中で森脇コーチは30分以上にわたって、その1つの質問に真剣に口を開いてくれた。

 答えは「人と話すこと」だった。「人にはそれぞれ人生があるし、それぞれ経験していることが違う。特に僕たちは野球界という狭い世界で生活をしている。知らないことの方が多い。人と話をするだけで、気が付くこと、勉強させられるんだよ」。ジャンル、年齢を問わずに会話を積極的に行い、言葉の財産を培ってきたという。

 練習後、試合後、報道陣との取材で、森脇コーチは時間をかけて話す。グラウンド上でも、選手と1対1で話すシーンをよく見る。技術を指導し、鍛えるコーチには実技も必要だが、何よりその考え、理論を教える会話が重要になる。森脇コーチが今季、指導者として10年目を迎えたのも納得できる。

July 18, 2006 01:32 PM 投稿者:中村泰三

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