2007年09月21日

復活を目指して

~ソフトバンク・山田秋親投手~

 手術に踏み切った。最近、肩、肘(ひじ)にメスを入れる選手は多くなったが、決断するまでの精神面の葛藤は大変だったと思う。右肘内側側副靭(じん)帯再建手術。昨年の3月、復活を目指して覚悟を決めた。計り知れない鍛錬が待ち受けている事は承知のうえ。その厳しい状況に直面している選手がいる。ソフトバンクホークス・山田秋親投手(29)。立命館大から、大きな期待を寄せられて入団した大物。今シーズンで7年目を迎える。大きな転機。どう切り抜けるか。注目したい。

 長期の治療だった。一度故障した体を生き返らせるためのトレーニングは並大抵の事ではない。誰も助けてくれない。自分で立ち向かって行くしかない。妥協したら負けだ。「昨年は確かに苦しかったですね。いやになったといいますか、やはり野球選手でありながら、野球ができない。ピッチャーなのにボールが投げられない。本当、つらいですね。精神的にもまいりました。もう、二度と味わいたくない体験でした」(山田)。これから、失った自信がもう一度蘇るまでの努力も必要とされる。今、苦しみのど真ん中にいる。死に物狂いで頑張らないと復活はない。

 昨年は1年間ゲームに登板することはなかった。復活を目指してひたすらリハビリに励んだ。違和感なくピッチングができるようになったのは今年の6月から。藤田ピッチングコーチに現状を聞いてみた。「もう違和感なく投げています。今、良かった頃の140キロ台後半のストレートを投げろといっても無理です。昨年、手術したばかりですし、じっくり、慌てずやっていくことが必要だと思っています。技術的にはちょっと体が開き気味で、球の切れ、コントロールとも良くないので、一時は先発していましたが、最近はリリーフで使っています」。故障再発に気を使い、辛抱強く指導していく方針だ。

 9月19日現在、山田のウエスタン・リーグの成績は、10試合に登板。2勝0敗1セーブ。防御率は3・27。数字だけを見る限り、まずまずといったところだが、投球内容は満足できないのが現状。故障あがり。当然のことだが前を向いて進んで行くしかない。一歩一歩前進するしかない。「やっと6月頃から違和感なく投げられるようになりました。今ウエスタンでは、リリーフ、先発といい体験をしています。いい時を10としたら、現在は7ぐらいですかね。でもね。良い時のピッチングができるように頑張ります」。焦りは禁物だが、山田の目は前を見つめていた。

 何事にも勇気を持って挑戦することだ。勇気は己に失いかけている自信と強さを与えてくれる。そして、今こそ、もっともっと純粋に野球を好きになれ。今は邪念を捨てて野球に集中する時だ。復活に向けた努力を惜しむな。

September 21, 2007 11:56 AM