2007年09月07日
背番号にあやかれ
ソフトバンク・高橋徹投手
8月31日(金)鳴尾浜球場へ取材に出向いた。試合前の練習で生きのいい選手をチェックしようとグラウンドをのぞいてみた。いつものようにバッティング練習をしていない。外野でランニングをしているだけ。関係者から「今日はグラウンドが少し柔らかいので、バッティングは室内でやっています」と聞いて納得。取材対象者はゲームの中から捜し出すしかない、と判断。本部席でじっくり待つことにしたが。ソフトバンクのベンチ前、投手陣のノックが始まった。
何げなく背番号を見ていると、ファーム選手にしてはいい番号が揃っている。11、17、18、19、24などなど。九州のチームである。かつての西鉄ライオンズに在籍していた私としては、なぜか24番に目がとまった。神様、仏様の背番号ではないか。稲尾和久さん。大投手とダブらせるなんて失礼このうえない。動きに注目した。なかなかシャープだ。どんな投手かむしょうに見たくなった。思いが通じた。先発投手としてマウンドにあがったのは高橋徹投手。横浜創学館からドラフト3位で入団。今季3年目。その24番が登板した。
腕は良く振れている。ストレート、スライダー。共に球の切れはいい。すごみはないが球の切れで勝負するタイプ。「今、球種はストレート、スライダー、スプリットの3種類ですが、今現在は球種を増やす予定はありません。課題はコントロールです。今日もそうでしたが、勝負球が甘くなるケースがよくあるんです。大事なことですし、きっちりやらないといけません。当然球の切れは失われないようにしないと」5回まで無失点。7イニング投げて2点を奪われただけ。合格点を与えられる内容。まだまだ稲尾さんの域に達していないのは当り前だが、話を聞いていると強気の性格。将来有望な選手だ。
実は高橋徹、昨年の練習中、ボールを左右に投げてもらい、素早くターンして捕球する練習を繰り返しているうち、左腕を伸ばし過ぎて手術を余儀なくされた。苦しいシーズンだった。実戦といえばウエスタンで2試合投げただけ。「痛めたのが左肩でしたし、完全に休むと右肩がなまってしまいますので、毎日ボールは投げていました。でも、投手でありながらピッチングができないのは辛いですね。実を言いますと、昨年の春先すごく調子が良かったので、1軍昇格の勝負をしようと思った矢先につまずいてしまいました。悔しかったですね。本格的に投げだしたのは、秋季キャンプからです」少し寄り道をしたようだが、20歳。まだ若い。
今季の成績(ウエスタン)は8月31日現在、10試合に登板して1勝5敗。防御率3・93。いまひとつではあるが、藤田ピッチングコーチは「腕と体のバランスが崩れていたので、バックスイングを高校時代のフォームに戻してみたら、いい球がいくようになった。現段階ではこの点だけを意識して投げるように注意しています。切れのいい球を投げますし、大いに期待しています」。成長を楽しみにしている。
今年のソフトバンク投手陣。指導者からは練習を強制しない方針。選手が自主的に取り組むことにかけている。「かなりできるようになってきた」という同コーチの話を高橋徹本人に向けてみると、一瞬「う~ん」と考え込んだが、ハッキリと「上の人の倍の練習をしないと勝てないなのはわかっています」頼もしい言葉が返ってきた。夢はデッカイ方がいい。背番号24。大投手稲尾を目指せ。
September 7, 2007 11:30 AM
