2007年06月29日
フレッシュ・オールスター連続出場
~阪神タイガース・高橋勇丞外野手~
2年連続してフレッシュ・オールスターゲームに出場する。高橋勇丞外野手(21)。阪神タイガースに入団して今年で3年目。将来が嘱望される若手だ。178センチ、76キロ。均整のとれた体。今シーズンの夢舞台となる、四国は松山の坊っちゃんスタジアムの隣、愛媛県の出身。地元同然。故郷に凱旋して大暴れしたいところ。昨年もヒットを放っているが、高校時代、2004年のセンバツ大会。甲子園を大いに沸かせた済美高が優勝した時の3番バッター。大舞台には強いはず。錦を飾ってほしい。
「昨年もヒットを打ちましたが、今年は地元ですし、いまから楽しみにしています。できる事なら、スタメンから出場して、いいところでヒットを打ちたいですね。本当、楽しみです」。当然、愛媛から応援に来る人は多数いるはずだ。地元ファンの期待に応える可能性は高い。なぜなら、フレッシュ・オールスター、今年の監督はタイガースの平田2軍監督だ。起用は間違いない。若い選手にとっては自分をアピールする場所でもある。頑張れ。
高橋勇丞が、非凡な野球センスを岡田監督に認められたのは、昨年、倉敷で行なわれた秋季キャンプ。今季のスタートとなるスプリングキャンプでは、1軍の沖縄行きの切符を手にした。主力の金本、今岡、赤星らと同じ場所で練習をした。緊張した半面、うきうきした気持ちで野球に取り組んだ。「わかってはいましたが、自分の力がまだまだ足りないのを痛感しました。それより、練習前のアップにしても、今岡さん達は真剣に取り組んでいました。僕もいい加減にやっていたわけではありませんが、あの姿を見て、すごく感じるところがありました。それと、スピードですね。バットスイングひとつにしても凄い。いい体験をしました」。野球漬けのキャンプが有意義だった。
1年目が53試合。2年目が11試合。成績に目を通してみると、目立った数字は残していない。公式戦ではまだ一度も1軍からのお呼びはない。現状を平田2軍監督に聞いてみた。「走ること。守ることは1軍でも通用します。バッティングですね。ちょっとアウトサイドインのクセがありますが、そこそこのパワーはありますし、あとは実戦の経験ですね。足も速いんですが、盗塁をする時の決断力というか、勇気がまだない。やっぱり経験ですね」。昨年までの盗塁数はひとつしかない。確かに少ないが、今年はすでに3盗塁している。
着実に成長している。打率は91打数20安打で・220(6月27日現在)。喜べる成績ではないが、年間1年ずつだったホームランが今年は3本。1歩1歩前進している。バッティングでアピールできれば申し分ないが、守備でもいい。走塁でもいい。バントでもいい。人より優れた技術を身につけろ。「野球は好きです」。表情はいきいきしていた。勇気を持て。勇気は己に自身と強さを与えてくれる。
June 29, 2007 12:14 PM
2007年06月22日
甲子園大会の怪物
~中日ドラゴンズ・平田良介外野手~
1試合3ホーマー。高校3年、夏の甲子園大会。準々決勝の東北戦で清原(オリックス)と並ぶ大会記録を樹立。あの華々しい活躍は、いまだ記憶に新しい。大阪桐蔭のスラッガー。昨年の高校生ドラフト1位で中日に入団。2年目を迎えた平田良介外野手(19)。1年目は、いきなり肩痛におそわれた。全く投げられない時期があった。バッティングもできない。早々に試練にぶち当たったが、もう肩は完治した。さあこれからだ。何事にも負けるな。
気持ちの切り替えが早いのか。それとも、物事にこだわらない性格なのか。現在の表情にはくよくよした様子はない。昨年の今頃と、今年の気持ちに違いがあるだろうと思って、心境をたずねてみると「いや、あまり変わってないですよ。同じ気持ちでやれていると思います」だった。6月20日現在の成績は、33試合に出場。100打数、30安打、打率が・300。2ホーマーを放って11打点。我々が持つ平田のイメージからすると、満足のいく数字ではない。それでも、3塁打2本、2塁打3本、42塁打で長打率の・433には、その片鱗は見られる。
前に出てきた談話もそうだが、話を聞いていると、ちょっとひっかかる言葉が出てきた。「練習がキツイので、練習で疲れて試合でいい結果が出せない」である。これは、もうレギュラーポジションをつかんだ、チームの中心選手であれば許される話しだが、若い選手の言うセリフではない。成長途上の選手は、自分をとことん追い込み、人一倍練習するのが本来の姿だ。練習はいやいややっても進歩はない。練習でもできないことが、試合でできるはずがない。厳しい練習は自分のために必要不可欠なのだ。甘い考えは捨てろ。
辻2軍監督の目はこうだ。「平田ですか」と言ったあと、ひと呼吸置いてからこう言った。「まだ、プロになり切っていないね。やる気というか、前向きなところが我々には見えてこないんですよ。最近、ちょっと試合で使っていませんが、いまのままではね」。技術以前の問題を指摘したが、20日の試合には先発で起用していた。期待度のあらわれだろう。選手を育てる条件に、人情と愛情だけでなく、時には非情になることも大事。
成長の過程には、1日1日の積み重ね。1球1球の積み重ね。1打1打の積み重ね。1試合1試合の積み重ねが必要だ。もっと、もっと自分に厳しくなれ。「やっぱり、1日も早く1軍で活躍することが目標ですし、これからは技術は当然のことですが、体力をつけることも平行してやっていきたい」。人間、満足したらそこで終わりだ。学ぼうとする意欲がなければ成長はない。元気を出せ。努力せよ。成功するという結果より、努力するという過程を重視することだ。チームの中心選手になる素材だ。心、技、体を鍛えるための努力を惜しむな。
June 22, 2007 11:44 AM
2007年06月15日
野球漬けの毎日
~阪神タイガース・清水誉捕手~
キャッチャーへの注文は多い。阪神・清水誉捕手(23)。関学大出、ポスト矢野候補の新人。現在猛練習中。野球知識の向上は当然のこと、理想を追求し、完璧を求めて勉強するポジション。捕球-。投手を調子に乗せる武器になる。いい音をたてて捕球することによって、ピッチャーの気持ちが前向きになる。送球-。速く、正確に、強くの優先順位で投げる。そのための下半身の使い方とフットワーク。ミットの芯での捕球が条件。配球-。相手打者と味方投手の技量、長所、欠点、性格、その日の調子を知り尽くすこと。チームの命運はキャッチャーの指1本にかかっている。データーなど、試合前の準備を怠るな。そして、先を考え、先を読む。捕手の責任と使命は多大だ。
オープン戦、公式戦を通じて1軍を経験した。試合にも出場した。そこで清水が感じたことは「準備ですね。何事も準備がないと始まりません。投球を受けるのもそうですし、試合前に相手打者のデーターを頭の中にいれておくのも準備です。大事なことですね」。準備は不可能を可能にするともいう。研究熱心でなくてはならない。目配り、気配りができなくてはならない。投手を思いやる気持ちがなければならない。一球の恐ろしさを知れ。根拠のない配球はするな。捕手は頭脳労働者だともいう。討ち取った球、打たれた球、空振りした球など、結果は絶対に記憶しておく事。それだけに経験が要求される。
今は、毎日が野球漬けである。朝から晩まで汗と泥にまみれている。「練習することは全く苦になりません。お陰さまでこの鳴尾浜は環境に恵まれていますので助かります。大学時代は1時間半ぐらいかけて家から通っていましたが、今は合宿所ですし、何もかも揃っていますので、いつでも練習はできます」。懸命に野球に取り組む清水を、加藤バッテリーコーチは「ファームにいる間に、完全にマスターしてほしいのはキャッチングですね。捕球する時、ちょっと上体が落ちる(前かがみになる)クセがある」と指摘する。試合後の練習、マシーンを相手に黙々と捕球練習する清水の姿を見た。
現在(6月13日)の成績、24打数7安打で打率・292、打点5。バッティングに関しては意に介していないようだが、大学時代、巨人・金刃(立命大)から2ホーマーを放っている。昨オフには関学大OBで、現役大リーガーの田口と自主トレを行った。「まずは捕球と送球です。捕球がしっかりできない事には、投手陣からも信頼されませんから」。己を心得ている。努力家だけに先が楽しみだ。
卓越した理論を要求されるキャッチャー。どんな状況にあっても冷静であること。洞察力と鋭い勘の発揮。考えれば考えるほど、体験すれば体験するほど難しい問題にぶち当たる。頭の中がパニックになることがあるだろう。夢を持て。勇気を持て。克己を持って体当たりすることだ。野球に集中する時だ。もっと純粋に野球に取り組め。自己表現する場は必ずやってくる。今は、チャンスをつかむ準備期間だ。
June 15, 2007 10:33 AM
2007年06月08日
ポスト谷繁
~中日・田中大輔捕手~
1軍ベンチで試合を見ながら、高いレベル、球場の雰囲気等を勉強していくか。ファームでゲームに出場して実戦を体験しながら育成していくか。二者択一。中日首脳陣が選択したのは後者だった。田中大輔捕手(22)。東洋大から希望枠で入団した新人。174センチ、75キロ。やや小柄ではあるが、大学ナンバーワンの実力。ポスト谷繁。高校時代(如水館)には、甲子園大会に出場した努力家。辻二軍監督の「捕手としての必要なものは、すべて持ち合わせた選手」が物語る期待の星。一軍昇格は意外に早くやってきそうだ。
試合前のシートノック。二塁への送球を見ていると実にスムーズ。評判どおり肩はいい。辻2軍監督は「いい肩はしていますが、まだ捕球してから投げるまでの時間がかかります。もっと早くなるはずです」こう見ているが、本人も承知しているところがいい。「確かに肩は自分の持ち味だと思っていますが、ボールがミットにはいってから、送球するまでを早くするための足の使い方など、この世界、やればやるほどむずかしい事がいっぱい出てくるみたいで…。でも、半面やり甲斐があります」目下、猛勉強中、送球を素早くする条件は、投球をミットの芯で捕球すること。芯で捕球することによって、右手にボールをスムーズに移すことができる。後は田中が言っているように、フットワークなど下半身の使い方がポイント。
捕手-。楽天・野村監督の言葉を借りると「捕手は、守りにおける監督の分身である」という。守りのカナメだ。それだけ大事なポジションだが、逆に、黒子であり、陰の力であることを要求される。主役はあくまでも投手。主役を奪ってはならない。など、脇役に徹することが理想。そして、いかな状況にあろうとも、常に冷静沈着であれ。とにかく捕手への注文は多い。「1軍にいたら、あまりゲームに出られないと思う。それより、ファームでどんどん試合に出て、実戦でいろいろな経験を積んだ方がいい。いま、いろんな体験をしていると思いますし、着実に成長しています」辻2軍監督である。捕手というポジションを心得た方針だ。
強い精神力の持ち主だという。考え方も、しっかりしている。「やはり、プロのレベルは高いですね。特にスピード。早く1軍に上がって、ハイレベルの技術を盗みたいとも思いますが、まずはファームでいい結果を出すことです。首脳陣にアピールしたいのは、やっぱりキャッチャーですから、リード面です」田中の話しだ。確かに投手から信頼を得ることは大事である。記憶力と判断力を基本に、相手を洞察しながら推理してリードする。そして、その日の直感が冴えれば、自分のペースに誘い込める。
いい結果を求めてマスクをかぶるなら、そのための備えを忘れるな。味方投手の調子と精神状態。相手打者のデーターの把握。敵を知り、己を知らないことには配球は成り立たない。6月5日現在、36試合中、32ゲームに出場。打撃成績は・207と低迷しているが、チームは今、ウエスタン・リーグの首位。その原動力は投手陣。防御率は同リーグ唯一の2点台(2・89)捕手田中の存在が光っている。
June 8, 2007 01:37 PM
2007年06月01日
強運の持ち主
~中日・堂上直倫内野手~
中日ドラゴンズ・堂上直倫内野手(18歳)。182センチ、80キロ、右投げ、右打ち。愛工大名電。高校生ドラフト1位で入団した新人。阪神、巨人と3チームが競合した大物。交渉権を中日が獲得したところに強運を感じた。父親、照さんは元投手で現在は合宿所の館長。兄の剛裕は同じチームのライバル。夢はかなった。あとは、どこまで自分を追い込めるか。妥協を許すことなく野球に取り組めるか。良くも、悪くも本人次第だ。
次代のチームを背負う存在。期待は大きい。5月27日現在の成績は、33試合に出場。138打数、32安打、打率0.232。1ホーマーの17打点。平凡な成績でありながら、全試合に出場。打順はすべて4番。地位は人を育てるという。英才教育。辻二軍監督に聞いてみた。「これからも、よほどのことがない限り4番で使っていきます。大きく育てたいし、それだけの素材の持ち主です。体も結構強いし、楽しみな選手です。この前(5月26日)の試合で、調子があまり良くなかったので、はじめてエンドランのサインを出しましたが、これからは、また自由に打たせていくつもりです」まさしく、将来の4番バッターを見据えた育成だ。
厳しい指導も目の当たりにした。5月27日、鳴尾浜球場で行われた阪神戦。内角のかなり厳しい球が、バットと右人差し指、親指に当たるアクシデントがあった。痛そうだったが、そのまま打たせた。結果は空振り三振。次のイニング、守りをどうするか注目した。三塁の守備についた。送球練習、痛そうに投げていたが、最終回まで出場させた。「大丈夫です」意外や、本人はケロッとしている。チームの中心選手は、ケガにも強くないと勤まらない。大事をとって休ませたいところだが、これも教育の一環か。
「この世界にはいって、約4カ月経ちましたが、僕の場合、打つこと、守ること、それ以外のことも、すべてプロのレベルに達してしません。まだ、やることはいっぱいあります。お陰さんでゲームに使っていただいていますので、いろいろな体験はできますし、その中から学ぶことはたくさんあります。具体的にという問題ではなく、今、言いましたように、すべてにおいて、まだ、まだです。今のところコーチの人からのアドバイスはありません。自由にやらせてもらってます。ここまでは、自分なりには順調です」
堂上の話しである。驕りはない。しっかり自分を見つめている。2試合で3本のヒットを見た。センター前1本とライン前2本。パワーヒッターらしい打球にはほど遠かったが、2打席は得点圏に走者を置いていた。勝負強い選手だ。試合前のバッティング練習、一緒に見ていた阪神・佐野スカウト(元コーチ)が指摘してくれた。「バットのヘッドが出てこない。一軍へは、まだ時間がかかりそうですね」と-。高校時代の金属バットによる影響だろう。だが、ティー打撃ではヘッドは走っている。ひと皮剥けた時、パワーヒッターの本領を発揮するはずだ。
June 1, 2007 12:18 PM