2007年04月27日

狩野に続く!? 将来の正捕手

~阪神・橋本良平捕手~

 ウエスタン・リーグ公式戦。今季、高校生ドラフト3位で入団した阪神・橋本良平捕手(18)は、プロ入り2試合目の出場となった4月19日の広島戦((鳴尾浜球場)で、初めてフルイニングス、マスクもかぶった。ファームとはいえ初安打を放った。胸を張りたいところだが、結果は負けゲーム。「うれしくない初ヒット」という試合内容は、先発の岩田をはじめ筒井、伊代野、玉置、吉野、水落の6投手をリードしたが、さんざんの10失点。さらに3盗塁を許した。厳しいプロの洗礼を受けた。ゲーム後のミーティングで、加藤コーチから注意があった。真剣に聞き入る表情はやはり新人だ。すべてが勉強である。

 野球漬けの毎日だ。ゲーム後も練習は続く。グラウンドでマシーン打撃。町田コーチの投げる球を打った。平田2軍監督もバッティング投手を買って出た。容赦はない。歯を食いしばって打ち続ける。これだけでは終らない。今度はキャッチング。そして、ランニング。黙々と練習に取り組んでいる。智弁和歌山出身。182センチ、89キロという素晴らしい体格。この恵まれた体も楽しみな要素だ。

 捕手を担当する加藤コーチ「捕手としての条件は持ち備えています。いい素材ですね。キャッチング、スローイング。両方ともいいですね。ポジションからして、これから場数を踏んで野球を覚えていくでしょうが、まだ、まだこれからです。やることはいっぱいありますよ」と大きな期待を寄せる。キャッチャーである。守りの要だ。自チームの投手の持ち味、クセ、性格。相手チーム打者の長、短所。守りでのベンチからのサイン等々。覚えることも、やらなければならないことも確かに山積している。

 高校時代の実績は申し分ない。06年、日米高校選抜の4番バッターとして打率5割、1ホーマー、10打点の大活躍。守っては、あの斎藤(早大)、田中(楽天)をリードしてきた。当然、甲子園大会にも出場した選手。練習後に話を聞いてみた。この日の試合がよほど悔しかったのだろう。うかぬ顔だ。負けん気の強さが頼もしい。「いいリードをして相手に得点を与えないこと。これが一番ですね。今、ファームにいるピッチャーの特徴はつかみました。バッティングより、まずリードです。2、3年後1軍に上がれたらと思っています」。捕手業に徹しているところが頼もしい。

 平田監督は違う角度から見ている。「ちょっと、横着なところがありますが、いい意味でそれが彼の持ち味だと思いますので、それをつみ取りたくないんです。もちろん、練習やゲームでそんな態度を見せたら、どやし上げますがね。キャッチャーの場合、失敗しても覚えていく事が多いと思いますので、経験を積ませる事ですね」。性格はお見通しのようだ。「出場機会が多くなれば、むずかしい事にどんどん直面すると思います。捕手であれば当然の事ですから」と、橋本は言う。苦しみの向こうには夢がある。成功するという結果より、努力するという過程を重視してほしい。

April 27, 2007 12:16 PM

2007年04月20日

将来のエース候補

~広島・前田健太投手~

 3回。打者10人。被安打1。奪三振2。四球0。失点0。自責点0。18日、鳴尾浜球場で行われた対阪神戦で、見事なピッチングを披露した。ウエスタン・リーグ公式戦で、今季初勝利といおうか、プロ入り初の勝ち星を挙げたのは、広島・前田健太投手(19)である。PL学園出身。高校生ドラフト1位で入団した新人。182センチ。70キロ。右投げ、右打ち。体型はピッチャーにピッタリだ。将来のエース候補。期待は大きい。素晴らしい素材の持ち主だ。

 予定は先発だったが、あの、ナックルボーラー、フェルナンデスの調整登板でリリーフに。マウンドへ上がったのは4回から。予定変更のアクシデントなど、なんのその。公式戦3試合目の登板は「練習試合でも、何度も先発していますし、公式戦の初登板もそれほど緊張はしませんでした。今は、落ち着いてマウンドへ上れます。初勝利ですか…。やはり、気分いいですね」。ゲーム後話を聞かせてもらった。笑顔の受け答え。やはりうれしそうだ。

 山内ピッチングコーチも大絶賛した。「大いに期待しています。キャンプからここまで全く故障なしできていますし。体は強いと思います。足腰のバネはありますし、これからは、プロとしての体力作りと、あと少し体重を増やすことです。もっとスピードは出ますよ。フィールディングは、さすがPL出身といいますか、心配はいりません。素晴らしい素材です。本当、楽しみですね」。この日の球速のマックスは144キロだったが、まだまだ、スピードアップは可能だという。

 「自分でも今、体力作りが一番大事だと思っています。1年を通して野球のできる体力といいますか。厳しい練習をクリアしていくのも体力だと思いますので、早くプロの体にしたいです。コーチからは、ストレートも変化球も腕を強く振って、思い切って投げろと言われています。ピッチングは、だいたい50球ぐらいです。目標ですが…。できる事なら、今シーズン中にでも、1軍で勝ち星を挙げたいです」。

 野球少年だった。大阪・忠岡ボーイズ時代、日本選抜選手として世界大会は出場した。桧舞台で活躍。優勝してMVPに輝いた。高校時代もエースとして甲子園大会へ。球歴は申し分ないが、まだ、プロ野球選手としてのスタートラインに立ったばかり。今は捕手のサインどおり、ただ無心で投げている。高校出のルーキーなのだから、それでいい。場数を踏めば持ち味を出せるようになる。今が本当に死に物狂いで頑張り抜く時だ。体に技をたたき込むのに近道はない。どんなにつらい練習も、ただ一心にやり続けるしかない。

April 20, 2007 04:15 PM

2007年04月13日

体力と基本

~サーパス・住友平新監督~

 「体力の無い人はなにもできません。選手はまず、体力をつける努力と基本です。そして、我々指導者は根気ですね」。オリックス(サーパス)住友平新監督(63)である。ウエスタン・リーグで、今季新たに就任した4人の中で最後の登場。ファームの基本の第一に挙げたのは、やはり基本練習の反復だった。技術を体で覚えるためには、同じ事を何度も何度も繰り返す事が必要だ。言葉でも耳にタコができるほど同じ事を言い続けても足りないくらいだ。「こんな事はわかるだろう」はあってはならない。それが、ファームの指導者だ。

 チーム力はアップしてきた。昨年はタイガースと最後まで優勝争いをするまでになった。発展途上のチーム。鍛え甲斐がある。「オリックスになった初年度と、近鉄でファームの監督をしましたが、事情あって両チームとも1年ずつしかやっていないんですよ。本来なら、ファームの場合、じっくり時間をかけて指導するのが本当ですがら、できれば今回はじっくりやってみたいですね」。経験済みだ。すべてを心得えてのユニホームである。現在(4月11日)の成績は2勝4敗2分け。

 4月10日のゲームを拝見した。阪神を相手に1対1の引き分け。先発の希望枠で入団した新人の小松聖(25=JR九州)が好投。注目してみた。ストレートと変化球、腕の振りがほとんどかわらない。打ちづらい投手だ。1軍へ上がる日も近い。また、打席にしても、9日現在の打撃成績に目を通してみると阪神鳥谷、ヤクルト青木らと同期の由田慎太郎外野手(26)がベストテントップ。迎祐一郎外野手(25)が2位。迎にいたっては3ホーマー、10打点をマーク。楽しみな選手がいる。

 「1軍の戦力として必要な選手と、これから育っていく選手の区別をはっきりつけていこうと思いますが、ファームでプレーする以上、基本的には育成の練習を中心にやってもらう。今日(10日)もアレン(外国人)をみんなと一緒に、ゲームが終ってからも最後までやらせましたが、その中でもきっちり調整していけばいい。当然、上から声がかかれば、いつでもいけるように調子を整えておく事ですね」。

 試合後、ベンチ前でその日の反省をしたあと、外野でランニング、体操などをする。その体操、全員で飛び跳ねながら大きな声で、掛け声をかけている。「あれも、みんなで一緒に、腹の底から声を出して、気持ちをひとつにするため」と住友監督。団結心を養っている。一致団結した時のチームは強い。そして、もうひとつ、選手時代売り物だった同監督の「ガッツ」注入を期待したい。

April 13, 2007 05:33 PM

2007年04月06日

準備を怠るな。ハートを鍛えよ。

~中日・辻発彦新2軍監督~

 外野手の緩慢プレーを見逃がさなかった。確か次打者の左中間安打だったと思う。一塁から一気にホームインした。西武ライオンズの現役時代、巨人との日本シリーズで見せたワンシーン。あの積極果敢な走塁。まさか、の出来事にア然とした。スタンドの興奮は最高潮に達した。勇気あるプレーが持ち味。「当然あの時は、最初からホームまでかえるつもりでスタートしましたよ。でないと…」。今回は強いハートの持ち主。今季中日ドラゴンズの2軍監督に就任した、辻発彦監督にアタックしてみた。

 4月3日、鳴尾浜球場での対阪神、ウエスタン・リーグ公式戦。スコアボードに並ぶ中日のオーダー。4番にドッカと座っているのは、今年の高校生ドラフト1位、タイガースも指名した堂上直倫(18)。5番が昨年駒大から入団した新井良太(23=広島・新井の弟)6番には、あの大阪桐蔭のパワーヒッター平田良介(19)がいる。7番が堂上兄。他にも2番には、2002年のドラ1、明徳義塾(高知)出身の森岡。アマチュア時代の名プレイヤーが名を連ねている。「まだ、頼り無いヤツばっかりですが、皆んないいセンスの持ち主です。大いに楽しみですね」。鍛え甲斐のある若手が多数いる。手腕の見せどころだ。

 育成をしていく中。これだけはなにがなんでも、全選手にたたき込んでおきたい事としてこう話した。「“準備を怠るな”ですね。グラウンドに出る前。グラウンドに出てから。これから野球を始める事に関して、事前にしておくべき事はきっちりすること。いいプレーをするための体の準備。心の準備。凡プレーはこうした準備不足から起こるものです」。野球界に限ったことではないが、確かに、備えあれば憂いなし。大事の前の小事。予防は治療にまさる、など準備段階での重要性を説く格言はある。準備したからといって、いい結果を得る保証はない。だが、準備なくしていい結果が得られないのも事実である。

 勇気と元気を前面に出した努力は、後に大きな自信となる。自信は強い精神力を生む。「技術だけでなく、ハートも鍛えてほしい。例えば、走塁ひとつにしても、行けると思ったら、アウトになってもいいから積極的に前の塁を狙ってほしい。そこで、アウトになったら自分で判断して、次のプレーに生かせたらいい。そして、基本ですね。打球を処理する場合、必ず足を運んで体の正面で捕球するとか。基本をしっかり植え付けないと応用動作は無理ですから」。辻監督である。ヤクルトで3年、コーチとしてファームを指導してきた。監督は初の体験だが「やはり、1軍が勝つ事が最優先ですから、1軍に必要な選手の調達、レベルアップがファームの基本でしょう」昨年のセ・リーグ優勝チーム。力を維持するためにはファームの底上げが必要不可欠。冒頭の走塁でわかるだろう。究極の勝負ができる男だ。“勝負師辻”の精神力注入を期待したい。

April 6, 2007 10:58 AM