2006年08月18日

育成選手から支配下選手へ

~ソフトバンク・小斉祐輔外野手~

 育成選手から支配下選手に。背番号が3ケタの121番から93に。そして、1軍に昇格した。今年からプロ野球界が設けた“育成ドラフト”の制度。ドラフトにかからなかったアマチュア選手への救済が目的だが、年俸は240万。3年間で必要としなかったら無条件で整理される。ウエスタン、イースタン(2軍戦)両リーグとも公式戦には出場できるが、育成選手の身分のままでは1軍の試合には出られない。待遇は決して良くないが、それを承知でソフトバンクへ。小斉祐輔(23)。PL学園から東農大生産学部を経て入団。

 思い切りのいいバッティングはメキメキと頭角を現した。ウエスタン・リーグでは一時、打撃ベストテンのトップに立った。8月17日現在、2割8分5厘をキープしているが「日本で一番レベルの高いプロでやってみたかった。ノンプロ入りも考えたが、2年後、プロから声がかかるかどうかもわからない。チャンスだし、遠回りするよりいいと思って決めた」だけあって練習は熱心だし、結果も出した。今シーズン中に支配下選手になるリミットは6月いっぱいだったが、小斉は月初めに支配下選手と1軍昇格を果たした。

 大学では1年生から4番バッター。パンチ力もあり、昨秋のリーグ戦では最優秀選手に輝いた。育成ドラフト選手とはいえ、非凡なセンスの持ち主だ。秋山2軍監督は「長所はボールを遠くへ飛ばせる力も持っているということ。元々体が開く欠点はあったが1軍でそれがはっきりしたので、いま体を開かず左方向へも打てるように修正している。練習はよくしますよ。ほっとしていたらいつまででも打っていると思います。性格もPLでだいぶ鍛えられているし、しっかりしていますよ」。厳しく鍛えるのを楽しみにしているようだ。

 1軍で結果は出せなかったが、目的の6月までの昇格は果たした。一応の目標達成に気持ちの高ぶりとか、満足感はあったのかを聞いてみた。その素晴らしい返事に、彼の将来を見たような気がした。「1軍へ上がることが目的ではない。1軍でコンスタントに活躍できるようになってこそ、この世界にはいってよかったと思えることで、まだ、スタートラインに立っただけです。でも、雰囲気は味わえたし、いい体験はできたと思います。頑張ればやっていけそうな気がする。バッティングでアピールしたいですね」。練習をやり続けても進歩の分岐点がどこにあるかわからない。だから練習を続けるのは苦しいが、野球を体で覚えるもの。歯を食いしばって頑張れ。

August 18, 2006 12:46 PM