2006年07月28日

3年で3球団

~楽天から移籍の阪神坂克彦選手~

 プロ入りして3年間で3チームを渡り歩いた。入団した1年目の近鉄では、オリックスとの合併問題で揺れ動いた。迎えた2年目の新球団楽天は、ペナントレースでダントツの最下位。高校を出たばかりの若者、精神状態は良かろうはずがない。「確かに落ちついて野球ができなかったというか、へんな感じでした」。過去を振り返るのは先日牧野とのトレードが成立し、楽天からタイガースにやってきた坂克彦内野手(20)だ。移籍後の打率は・364と好調。

 やっと落ち着ける場所に出会えた。これで、じっくり野球に取り組める。合宿にはいってみてなおさら充実感が。「野球をするには素晴らしい環境ですね。1人でも、いつでも十分練習ができる。バッティングをしようと思えばすぐ横に室内があるし、ランニングなら目の前にグラウンドがある。そして、ウエートトレーング場。申し分ないですね」。20歳とまだ若い。これからでも遅くない。頑張れば、頑張るほど、鍛えれば、鍛えるほど成長する年齢だけに救われる。

 坂が近鉄に入団した年、同チームのコーチをしていた立石現阪神2軍監督代行は「元々バットコントロールというか、バットにボールを当てるのはうまかった。3年で3球団、ちょっと可哀相だったが、いまからじっくりやっていっても遅くない。課題は体力、大いに鍛えてすべてにスピードをつけてほしい」と話す。体力作りは基本の第一歩、基本をしっかり身につけないことには、技術的にも前へ進めない。

 本人も自分自身がよくわかっている。「体力的にも、技術的にも、もっともっとやらないといけないことがたくさんあります。何事もシャープに動けるようにしたい。バットでボールを拾うのはある程度自信がありますから。それをもっと強く打ち返せるようにパワーをつけたい。体を鍛えることですね。環境は最高ですし、頑張ります」。死に物狂いで頑張る場所を得た。チャンス到来だ。やる気も十分だ。1人前になるためには、まずは自分との闘いがる。そして、相手との戦いがある。負けるな。

 甲子園球場は高校野球で体験したが、プロ野球となるとまた雰囲気は違う。「タイガースの選手として、あの観衆の前で、あの雰囲気の中で、あの物凄い盛り上がりの中で、少しでも早くプレーしたい」。夢をかなえるための努力を惜しむな。純粋に野球が好きであれば、苦労も苦にならないはずだ。

July 28, 2006 04:38 PM

2006年07月21日

サーパスの勝ち頭は新人

~JR東海から入団の中山慎也投手~

 4勝2敗、防御率2・31。サーパス・中山慎也投手(24)の成績である。今シーズンJR東海から、大学、社会人のドラフト5位で入団した新人。現在、ウエスタン・リーグ2位で逆転優勝を狙うチームの勝ち頭。左腕だけに即戦力の期待は大きかったが、1度1軍に昇格したものの、わずか4試合登板しただけで再びファームへ。7月13日鳴尾浜球場で行われた首位攻防戦に先発。9回までマウンドに登り、タイガース相手に完封まであと一歩の好投も、先頭打者に四球を与えて降板した。2-0でリードしていた試合は、リリーフ投手が打たれてサヨナラ負けをする悔しい内容だったが、大いに期待できる新人だ。

 右打者の内角へ食い込むストレートは威力がある。カーブの切れもいい。「阪神戦に先発したあの日は、調子そのものはあまり良くなかったが、なんとか粘っこいピッチングができた。初完投だったので最後まで投げたかったが、先頭打者を歩かせてしまっては、しかたないですね」。その回の先頭打者への四球は御法度の世界。得点差、100球を超えていた投球数、いたしかたのない交代だ。前を向いてさらに頑張るしかない。

 谷村ピッチングコーチは「調子が良ければ、各投手ともできるだけ長いイニングを投げさせる方針だし、あの試合、中山には完投させてやりたかった。完投していれば自信にもなるし、気分的にもすっきりするしね」。親心といったらいいのだろうか、若い選手を育てるためには愛情は不可欠だ。今後については「やっぱりコントロールですね。いい球を持っているのに、抜け球は多いし、バラつきがある。もっと、ストライクゾーンをうまく使ってほしい」という。実戦で体験していく以外ない。一球一球をおろそかにしないことだ。

 1軍に定着することが中山の第一目標だが、いまひとつ。昨年、同じJR東海から入団した先輩の光原がその年7勝を挙げた。負けたくない気持ちは強い。いい意味でのライバル意識を持っている。「1軍で4試合投げさせてもらいました。思い通りの結果は出せませんでしたが、いい体験をしてきました。課題は何といっても制球力です」。コントロールは自分で学ぶしかない。投げて体で覚えるしかない。ライバルに追いつき、追い越すためには”努力”の2文字しかない。

July 21, 2006 12:26 PM

2006年07月14日

フレッシュ・オールスター出場

~阪神玉置隆投手~

 1軍同様、ファームでも7月20日(木)「フレッシュ・オールスターゲーム」が行われる。タイガースからは玉置隆投手(19)、小宮山慎二捕手(20)、前田大和内野手(18)、高橋勇丞外野手(20)の4選手が出場する。セ、パ両リーグに別れて各チームから選出された代表が戦う場所は“東京ドーム”大志を抱いて晴れの舞台に立つ。「折角出場できるわけですから、自分を大いにアピールしてきたい」。頼もしい発言は、プロ入り2年目の玉置投手である。

 市和歌山商出身、181センチ、74キロ。切れのいい速球と角度のあるカーブが武器だ。今季ウエスタン・リーグの成績は2勝2敗。「フレッシュ・オールスターでは、他チームの選手と一緒にできることが楽しみです。個人的にだれと対戦したいとかありませんが、自分の持っているものすべてを出し切りたい。ひとつでも多く三振を取りたいと思います。三者三振みたいなことをしてみたいですね」。大きな夢を描いてマウンドに登る。ウエスタンでは33回1/3イニングを投げて31三振。奪三振率はたいしたものだ。いい体験をしてきてほしい。

 期待の玉置は、先日1軍に登録された。残念ながら登板のチャンスには恵まれなかったが、ファームのコーチの推薦があっての昇格だった。葛西ピッチングコーチに聞いてみた。「実力的にはまだかもしれませんが、切れのいい球を投げていた。球速も145キロ出ていたので推薦した。雰囲気を味わっただけでもいい体験をしてきたと思いますよ」。2年目の抜擢、成長のほどが伺える。本人は「あのゲーム展開では仕方ないですね。そりゃあ、投げたかったのは確かですが、またチャンスは必ずありますから。そのためには、ファームで結果を出しておくことです。頑張ります」。この前向きな姿勢がいい。

 野球に取り組む考えもしっかりしている。プロ入りしてから、ここに至るまで一番感じたことをたずねてみると「この世界。練習で手を抜こうと思えば、なんぼでも抜けますが、それをしていては他の選手に追い付き、追い越すことはできない。絶対手を抜いたらいけないことがよくわかりました。ピッチングにしても、少しでもたくさん投げたい気持ちはあります。その時の状況によって、肩、ヒジに負担がかからないようにすることはありますが、スポーツは体で覚えないといい結果が出せない。そういう意味でたくさん投げる必要があると思います」だった。自分を厳しく見つめている。人間、満足したらそこで終わりだ。ハングリー精神を忘れてはならない。フレッシュ・オールスターで、自分を大いにアピールしてほしいし、再び1軍に登録される日が待ち遠しい選手だ。

July 14, 2006 11:47 AM

2006年07月07日

「声を出せ」がテーマ

~好調サーパス大石2軍監督~

 オリックスのファーム、サーパスが今季は好調だ。いい形でウエスタン・リーグを戦っている。大石大二郎監督の下、7月4日現在の成績は、49試合を消化して27勝18敗4分で2位。トップを走るタイガースを2.5ゲーム差で追っている。1軍の方は交流戦に入って失速。パ・リーグの優勝争いから離脱した感じだが、ファームはひと味違う。若手育成を目標に掲げたテーマは「声を出せ」で、チームに活気がある。優勝の可能性は十分だ。

 各チーム「声を出せ」「全力疾走」は基本中の基本だが、技術面ではないことから、一番忘れられがちな基本である。「チーム全体のテーマとしては、ベンチにいても、守っていても常に声を出すことを義務付けています。声を出すことによってチームは活気付きますし、まとまりも出てきます。声を出すということは常にその時点での状況に注目していないといけませんし、選手の気持ちがひとつになりますね」。ひとつのプレーに全員が集中する。仲間意識を高める効果がある。1人より2人、2人より4人。団結力、結集力を生んでいる。

 投手陣にも厳しいアドバイスをする。「相手に追加点をやるな」である。傷を深くするなという意味だろう。要するに「タイムリー打とか、エラー等で1点を取られた時は2点目を与えるな。2点取られた時は3点目をやるな。最少失点で済ませることによって反撃のチャンスが出てくる。いずれも簡単なように思えるがむずかしいですね」。いまある成績は掲げたテーマが浸透してきた証拠だろう。

 期待の若手には、今年履正社から入団した“ナニワのゴジラ”岡田がいる。阪神鳥谷、ヤクルト青木らと早大で同期の由田がいる。また、昨年法大から入団した大型内野手田中がいる。みんな大きく育ってほしい選手だ。大石2軍監督は「確かにここまではいい成績できています。昨年とはあまり比較にならないと思いますが、今年はベテランたちも真剣に野球に取り組んでくれていますし、チームとしてはいい形になっています」という。選手に自信を植えつけるためには、やはり勝つことが一番。勝つ喜びの中から得るものはたくさんある。若手指導にあたるファーム首脳陣に要求されるのは辛抱、根気、我慢。そして、愛情である。

July 7, 2006 11:07 AM