2006年06月02日

チーム再建へ

~広島一筋・山崎立翔2軍監督~

 「当たり前のことを当たり前にできるようになれ」。一般社会を含め、あらゆる世界の肩書きを持つ役職者のだれもが部下に期待することである。特にプロ野球界の指導者の願いは強い。試合の中での展開は刻一刻と変化していく。その状況によって作戦も変わる。そして、最終的にはお客さんに楽しさと感動を与え、自チームファンに白星をプレゼントする。勝利のための作戦成功には「当たり前のことをあたり前にやる」ことが、必要不可欠な技術なのだ。

 広島東洋カープは今年ブラウン監督を迎え、複数年の計画をたて、チームの建て直しを図っている。そういう意味でも大事なファームを指導する山崎立翔(りゅうぞう)2軍監督(48)の、基本だけはみっちりたたきこんでおく方針が「当たり前のことをあたり前に」だった。簡単にできるようでできない。1軍の選手でもなかなかむずかしいことだが、自チームのゲーム展開を有利に進めていくためには一番大事なこと。たたき込むには今しかない。

 「いやあ、これっといった方針は立てていませんが、選手に毎日言い聞かせているのが『当たり前のことをあたり前にできるようになれ』なんですよ。簡単なように思えて、ある意味、一番むずかしいことかもしれません。なかなか思うようにいきませんね」

 山崎2軍監督の話だが、指揮官はゲーム状況を見て作戦をたてていく。その場面の最善の策を考えて出したサインが失敗に終ろうものなら、また次の作戦を考えざるを得ない。失敗が重なればやる事が後手、後手にまわり負け試合になる。その当たり前の事とは――。バント失敗。エンドラン時の凡フライと空振り。完全な暴走。投手のコントロールミス。特に、一発だけは絶対に警戒しないといけないケースでありながら、手元が狂ってホームランボールを投げてしまうなど、さけることのできるミスを犯すことだ。

 ファームの場合、技術はまだ未熟だ。即結果を求めるのは無理。辛抱強く指導していくしかない。根気のいる仕事だが、試合前の練習を見ていると、山崎2軍監督は常に選手をつかまえて、コミュニケーションを図っている。そしてバッティング投手も務める。「投げる人が少ないですから」。1軍にはバッティング投手がいるが、ファームにはいない。監督のこうした姿を見せられては選手は手を抜けない。「当たり前のことが、当たり前に」できるようになった時の広島東洋カープは要注意である。

June 2, 2006 10:45 AM