2006年05月26日
近い将来1軍昇格
~広島期待の山本芳彦内野手~
ウエスタン・リーグが開幕して今季も2カ月が経過した。チーム成績はいまひとつだが、個人的にはここまでコンスタントに活躍している選手がいる。25日現在の成績は77打数24安打で、打率は3割1分2厘。クリーンアップの一角(3番)に座り、開幕から3割を保っている。出身校は和歌山工。今シーズン4年目。広島東洋カープの山本芳彦内野手は186センチ、80キロの恵まれた体格。近い将来1軍昇格の期待がかかる有望選手だ。
高校時代はエースで4番だった。入団してから1試合、投手として登板しているというが、元々打者として獲得した。本人もバッターとしてプロ入りした。現在内、外野のどちらも守り、ユーティリティープレーヤーとして試合に出場しているが、今年、コンスタントに打てるようになったのは「狙った球がきた時にヒットを打てる確率が高くなったことですかねえ。それと、いやな球をある程度カットできるようになりました」。大きなケガはなく順調だが、投手出身だけに、守備面では人一倍の練習が必要だ。
今は野球に集中する時だ。もっと、もっと純粋に野球を好きになる事だ。山崎2軍監督に聞いてみると「私から見たら、まだまだ甘いし、頼りない。良くなったところといったら、そうですねえ。欲が出てきたことですかね。今後バッティング面でも、守備面でもやることはたくさんありますので。これからも、もっと、もっとどん欲に野球に取り組んでほしい」だった。なかなか手厳しいが、これも期待の裏がえしと見ていいだろう。鳴尾浜球場で行われた対阪神戦。23日雨天ノーゲームとなった試合の初打席で右前打を放っていたが、24日は初回2-3のカウントから、見事左中間へ3ランホーマー。チーム5得点のうち、4打点をたたき出して勝利に貢献した。
知識や経験だけではどうにもならない世界だ。力をつけるため今はまだ失敗は許される。ただし、その失敗の原因を追究して自分の中で解決し納得することが要求される。成長するためには失敗も成功も根拠を突き止めることが大事だ。「どんな球がきても打てるようになったら最高ですが、そうはいきません。狙った球や、甘い球など投手の失投をいかに確率よくつかまえることができるようになるかです」。自分との闘いがあり、相手との戦いがある。楽な人生はない。大いに苦しむことによって道は開ける。
May 26, 2006 10:35 AM
2006年05月19日
将来の柱として期待
~阪神若竹竜士投手~
タイガースに楽しみな選手が入団してきた。若竹竜士投手(18)。地元の兵庫・育英高校の出身。高校出の新人だが、ここまで故障はゼロだ。体はもちろんのこと、肩やひじが強い証拠だ。厳しいキャンプを初体験の年からやり抜いた選手のほとんどは1軍で活躍している。近い将来の柱となる要素を持ち合わせている若竹は、4月から早くもウエスタン・リーグに登板するほど順調にきている。
キャンプから試合に出るようになるまで、ずっと指導にあたってきた育成担当の遠山コーチに聞いてみた。「順調に来ましたね。キャンプ中は一切ブルペンに入れなかった。いろいろ考えましたが、やはり体力強化を重点にやりました。ピッチングは3月に入ってからゆっくり、ゆっくりやってきました。本格的に投げ出したのは4月に入ってからです。物怖じしない性格だし、将来楽しみですね」。太鼓判を押した。
目標は藤川球児だという。若竹の練習をじっくり見てみた。外野を黙々とランニングする姿があった。星野コーチのノックを右に左に追う姿があった。ウエート・トレーニングに励む姿があった。厳しい訓練の最中でも、その目は輝いている。そして、チームメートとジョークを飛ばす若竹がいた。自主トレに参加してから4カ月が経過。もうすっかりチームに溶け込んでいる。今があるのは、一歩一歩、しっかり階段を踏みしめて昇ってきた結果だ。
「故障はしませんでしたし、自分では順調に来たと思っています。キャンプ中投げさせてもらえない時期は、早く投げたい気持ちはありましたが、果たして投げてみていい球がいくかどうか分かりませんし、複雑な心境でした。目標は結果を出して1日も早く1軍に上がることですが、今年はファームでじっくり基礎体力を鍛えたいと思っています」
しっかりと自分を見つめている。ポジションは違うが、同じ高校出の新人で良きライバルがいる。オープン戦から出場している前田大和内野手(18)。大いに競い合って欲しい。上達するためには、これからも厳しい練習が必要不可欠だ。
May 19, 2006 10:18 AM
2006年05月12日
1軍昇格を目指す
~阪神庄田隆弘外野手~
コンスタントに打率を残せるバッターだろう。昨年はウエスタン・リーグで3割6厘の成績だった。今季も5月9日現在で46打数16安打、2本塁打、7打点で打率3割4分8厘の好成績を残している。2軍戦ではあるが、今季は3割を切ったことがない。奈良県出身。智弁学園で甲子園に出場した庄田選手は、のちに明大からシダックスを経てタイガースに入団した。
素晴らしい素質の持ち主だが、年齢を見ると今年の誕生日で27歳。金本、赤星、浜中とタイガースの外野手は不動。厳しいのは承知の挑戦だ。
焦るな。克己を持て。年齢のことなど考えるな。過去にいろいろな選手を見てきたが、野球を好きであり続けた人はどんな形であれ1軍で活躍している。「確かに年齢を考えると、今年が最後かな、と思うことはあります。こればっかりは自分で決められることではありませんから」。1軍昇格は練習あるのみ。それも生半可な努力ではなく、今は死に物狂いで頑張りぬく時だろう。くいを残したくなかったら己を厳しく見つめるしかない。
シダックス時代に野村克也監督(現楽天監督)と1年間同じユニホームを着た。アドバイスは「バットのヘッドを立てろ。努力を惜しむな」だった。わかりやすく、ものすごくシンプルな助言だった。実はタイガースに入団してからもアッパーぎみのスイングを指摘された。欠点は徐々に直ってきた。現在はいい感じのレベルスイング。アドバイスをしてきた平塚打撃コーチに聞いてみた。
「長所といったら思い切りのいいところですかね。アッパーぎみだったスイングはレベルになったし、同じ3割でもヒットの内容は今年の方が上ですね。昨年と比較してワンランク上というか、バットがしっかり振れています」
成長を認めていた。技術というものは、目に見えて日に日に上達するものではない。体で覚えるのに早道や近道はないのだ。
庄田選手は「重心を左足に残してバットが振れるようになりました。スイングが鋭くなったと思いますし、今はいい形でいい結果を残すことが大事だと思っています」。何事もあきらめずにやり続けるしかない。努力は報われ、チャンスは必ずやってくる。
May 12, 2006 10:26 AM
2006年05月05日
イチ(1)を大切に
~中日佐藤道郎2軍監督~
ファームの基本方針は、各チームとも基本プレーの反復だろう。同じことを根気良く、何度となく繰り返し繰り返し続ける。中日の佐藤道郎2軍監督(59)が今季のテーマにしたのが「イチ(1)を大事にしろ」だった。何事もイチから始まる。野球の基本に当てはまる事柄も多い。筆者もプロ野球をかじった人間だが、話を聞いてみておおいに納得させられた。
佐藤2軍監督いわく「言葉でもイチを使った素晴らしい四文字熟語があります。一生(所)懸命とか、一心不乱、一球入魂など。そういう気持ちで野球に取り組めば、必ずいい結果が出ると思います」。実に熱い口調で語ってくれた。確かにそうだ。同じ練習をするにしても、嫌々で進歩があるはずもないし、魂のない練習に向上はない。
「野球のプレーの上でも大事なことは多い。たとえば先頭打者も、イチ(1)ですよね。投手とすれば、絶対にうち取らないといけない相手。最悪は四球を与えること。先頭打者を歩かせると得点される確率がすごく高い。だから、厳しいかもしれないが罰金取ってます。逆に打者は、どんな形でもいいから出塁することを期待される。ほかにも盗塁のスタートは、第一歩をいかに速く切るかが成功率を大きく左右する。守備では打球に対する第一歩で守備範囲が全然違う」
原点に戻れ、はイチからで直せということだし、練習の始まりはその日の第一歩で大切だ。投手は打者に対して初球の入り方に気を使うし、打者は初打席でヒットを打てばその後の打席が楽になる。最初の大切さは数えれば切りがない。
ファームの場合は、性急に結果だけを求めるのは無理がある。じれったい事は多々あるだろう。がまんと根気で、階段を一歩一歩上がっていくしかない。一人前の選手を育てるためには、人情と愛情、時には非情になることも必要かもしれない。選手は指導者に注目されていることが励みになるものだ。「イチ(1)を大切に」に、中日の将来がかかっている。
May 5, 2006 11:06 AM