2006年03月17日

虎の穴の良き友になれ

~阪神前田大和内野手~

 プロレスアニメのヒーロー、タイガーマスクが、次々と挑戦してくる強敵を迎え撃つため、体を鍛え、技を磨く厳しい修行の場「虎の穴」にちなんで命名したのが阪神タイガースの若手が汗と泥にまみれる練習の場「タイガーデン」である。正式には鳴尾浜球場。ここからエース井川が生まれ、藤川が育った。打者では浜中が、関本が1軍に定着した。今年も将来有望な新人が入団したが、このタイガーデンと仲良くつき合わないことには将来はない。

 虎の穴に今年飛び込んできたのが前田大和内野手(18)だ。「タイガーマスクって知ってる?」とたずねてみると「聞いたことはありますが、よくは知りません」。ちょっと時代のズレがあったのかなあ。「プロレスアニメで、虎のマスクをかぶったヒーローで、タイガーマスクというレスラーがいて…」などなど説明してみたが、どうもピンとこないらしい。それでも、タイガーデン命名のいわれを説明すると目を輝かせていた。

 「合宿に行ってみて、野球をするための環境の素晴らしいのに驚きました。今までこんな恵まれた環境の中で練習をしたことはありませんし、本当に楽しみです。1人でも、いつでも練習はできるし、大いに利用していきたいですね」

 タイガーマスクは知らなくても、自分の立場がここまで分かっていれば十分。グラウンドと室内練習場は合宿所に隣接している。ウエートトレーニング場も寮内にある。自分を鍛えるための環境は抜群。名前もいいね。大和--。鹿児島の名門・樟南出身。176センチ、65キロ。九州男児にしてはやさ男だが、キャンプは高校出の新人によくある特別メニューの練習ではなく、他の選手と同じメニューをこなしている。高校出の選手が同じメニューを故障なしでクリアしたことは、体が強い証拠だ。

 「よく食べて、もう少し太りたいです」。食べて、鍛えて、もっともっと大きくなってほしい。大いに期待が持てるね。

 守備力は早くも認められている。足も速い。鳥谷がWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)代表と壮行試合で戦う全日本に選ばれた留守にオープン戦に出場。首脳陣の評価は高い。島野2軍監督は「線はまだ細いが、体は強い。守りは放っておいても大丈夫やろ。いい2番バッターに育てたい」という方針。

 12日の巨人戦で新人紹介のあとベンチでムードを味わった。「凄い雰囲気ですね。感激しました。1日でも早く1軍に上がりたいです」。厳しい修行が待ち受けている。虎の穴と良き友だちなれ。

March 17, 2006 08:11 AM