2008年02月23日

同じ丸刈り頭だけど…:本間翼

 日本ハムの担当になり、中田選手をメーンで取材していると、何かと僕の周囲も変わってくる。初対面、もしくは久しぶりに顔を合わせる先輩や知り合いに「署名で名前は知っている。よく見ているよ」だとか「毎日大変だね。がんばってるな」と声をかけられる。でもがんばっているのは、僕ではなく中田選手だ。キャンプ初日の砂浜弾や阪神戦での鮮烈デビュー弾など、原稿は彼の活躍があればこそ。グラウンド上での表情は普段とはガラリと変わる。その姿を見ると自然とワクワクしてしまいます。

 さて、そんな彼に、僕はある“疑惑”をかけられてしまった。彼と同じく丸刈り頭の僕に向かって「(自分の)マネしたんすか?」。

 いやいやいや! キミとは会ったときからこの髪形ですから。というか、もう5年ほどずっとこの頭です。

 当然のように否定した僕ですが、彼はお構いなし。翌日から、何かにつけて「この人マネしたんですよ」と周囲に言いまくる。こうなれば僕は完全に劣勢だ。否定すればするほど深みにはまるあり地獄。いつのまにか「中田選手のマネをして丸刈りにした記者」という空気を作り上げられてしまった。

 そして追い打ちをかけるように「一緒に日サロ行きます? 白いの格好悪いっすよ」とも(言っておきますが、僕だってそんなに白い方じゃないんです)。しかも、色黒になったら、また「マネした」って言うクセに…。

 野球をしている際の真剣な表情と、それ以外の「いたずらっ子」のような表情。両面が彼の魅力だと思う。それが原稿を通して、少しでもファンに伝わるように努力していきたいと思っています。

February 23, 2008 09:56 PM 投稿者:本間翼 | トラックバック (0)

2008年02月14日

小さな記事でも:村上秀明

 何げない選手のひと言に救われた気がした。今、選手たちは名護キャンプで汗を流しているが、シーズン中よりも、ゆっくり会話できる時間が多い。名護市内で行われたイベント中に、励みになる言葉をもらった。その選手は思ったことを口にしただけだろうが、心に残っている。

 昨年から1月にかけて、何人かの選手、スタッフから同じような感想を聞かされた。「最近、新聞が面白くないよね」。注目ルーキー中田に関する大々的な報道が連日、紙面をにぎわせるようになったことについてだった。もちろん中田を否定しているわけではなく「他にも若い選手がいっぱいいるでしょ」という思いだった。

 確かに「中田」の見出しが連日のように紙面に躍ったし、今でも躍っている。報道側から言うと旬なものを題材にするスタンスは、当然だ。それを願っているファンも多い。実際、中田は面白いキャラクターだ。乗用車の助手席に乗り、座席を後ろにずらそうとしてリクライニングを倒し自分で驚く姿は、言葉がなくても周囲を笑わせる。見ているだけで、ここまで楽しい選手は少ないだろう。

 ただ、その一方で、他の選手を記事で紹介したいという思いもある。2月のキャンプに入ってから、日本ハム関連では「中田時々ダルビッシュ」のようなトップ記事が続いているが、読者の中には中田、ダルビッシュ以外も読みたいと思う人がいて当然だと思う。旬な素材、注目人物を紹介しながら、他の題材も記事にしたい。そんなジレンマを感じている。

 そんな中、救われた気がしたのがこの言葉だった。「中田ばかり? う~ん、まあね。でも、若い選手はこんな小さい記事でもうれしいもんなんですよ。それが今後の励みになりますから」。「小さい記事」という時に右手の人さし指と親指でサイズを示しながら話してくれたのは、高橋信二捕手だった。

 プロ12年目で下積みも長かった選手だけに、自らの経験を重ね合わせての思いだったと推測できる。新背番号2を背負う捕手のひと言は、こちらの方が励みになった。小さい記事でも、自信を持ってどんどん書けたらいいなと思わせてくれた。

February 14, 2008 08:04 PM 投稿者:村上秀明 | トラックバック (0)

2008年02月10日

梨田監督と始まった5年目:高山通史

 名護キャンプの取材をして今年で5年目。計5カ月をここで過ごしている計算になる。感覚には個人差があるだろうが、長い。ともに仕事をする担当記者の顔ぶれは大きく変わりはしたが、すべてが、もう見慣れた光景だ。街並みや商店、ひいては球場へ日参する名護市の関係者の面々、私生活? においては、かつてよく通っていたスナックで働く女性従業員の方々のラインアップ…。フラッシュバックしたような錯覚と闘うような、いい意味でも悪い意味でもマンネリ化した日々を過ごしている。

 個人的に大きく違うと思っていることが、背番号「88」の主だ。ヒルマン監督から梨田監督へ-。取材していて、まず返ってくる答えが英語ではなく日本語。これまでは通訳を介していたが、英語がまるで理解できない私にとっては、直接の「会話」が可能な状況になった。逆に言えば、こちらの考え、思い、感情もダイレクトに伝わるということ。ヒルマン監督は積極的にマスコミへサービスしてくれる方だったが、梨田監督も同様。取材での接点の多さは変わらないが、ただ日本語同士の「キャッチボール」ができる点で、新鮮な感覚で取材をしている。

 キャンプがスタートして10日。昨季まで弊紙の評論家だったため、その時に数度、あいさつはしたことはあるが、ほぼ初対面に近い。温厚でダンディで、紳士的なイメージを持っていて、それは今も根本の部分では変わらない。ただ新しく感じたのが、かなり熱い勝負師だといういうこと。基本の返答は、ダジャレがお得意なようにウィットに富み、また周囲を気遣っているような場合が多い。ただ時折、激しい言葉が出てくることがある。ちょっと激しすぎて? 紙面にしていないコメントが多いので割愛するが、ユニホームを着て、グラウンドでの本当の姿は、きっとその「一面」の方なのだろう。

 4年ぶりの監督復帰。話題をさらっているのはルーキーの中田翔内野手。少し影が薄いと言っては失礼だが、日本ハムは北海道移転5年目で、初めて日本人監督を迎えた。コーチ陣の顔ぶれも、大きく変わった。主力選手の田中幸、金村と投打の大黒柱がいなくなり、今では稲葉や森本、ダルビッシュへと代替わりした。新生日本ハムを操縦するのは、梨田監督。低迷球団ではなく、リーグ連覇球団を率いるという珍しいケースに、どう対応し、カラーを出していくのか。取材する側も、いつの日か本音を聞き出せるように、1年間、しっかりと梨田監督と向き合っていきたい。

February 10, 2008 01:03 PM 投稿者:高山通史 | トラックバック (0)

2008年02月03日

中田にしてやられた…:本間翼

 記者は原稿を書くために取材をします。対象となる選手に話を聞きに行き、面白いネタや裏話、苦労話などを聞いて、原稿の材料を増やしていくのです。基本的には口下手な僕ですが、会話が楽しく、もっと話をしたいと思う選手もたくさんいます。

 キャンプに入り、相変わらず世間の話題を独占中の中田翔選手もその1人。オーバー気味の体重を心配した際には「デブで動けたら最強だと思っています」。ダルビッシュの「法律に従って」という教えには「“経験してるだけあって”そういうことを言ってくれてると思う」と、おもしろ発言で僕らを楽しませてくれています。

 高校を卒業したばかりの18歳を相手にしているとなれば、会話の主導権を握るのは報道陣側なのが一般的。ですが、中田だけは例外。それどころか、恥ずかしながら完全にイニシアチブを握られています。

 先日のことでした。練習の合間にこちらに向かってポツリと「自分、太ったっすかね?」。特にそうは感じなかった僕は「動きを見ていたらそうは思わないけど…。体重増えたの?」と返答。すると「いや変わってないですけど…」とうつむいてしまいました。

 少し体が重たいのかな? それを気にしてるのかな? と心配になりましたが、彼はやはり僕の何枚も上手でした。練習後に先ほどの会話について聞くと「あれは『むしろ痩せたんじゃない?』っていう言葉を待ってたんですよ。(記者として?)まだまだっすね」とニヤリ。完全にしてやられました。

February 3, 2008 08:51 AM 投稿者:本間翼 | トラックバック (0)