2007年09月24日

「こんがり戦士」の活躍に期待:村上秀明

 球団史上初のリーグ連覇に向け、優勝争いも大詰めだが、日本ハムは「こんがり戦士」たちの奮闘が欠かせなくなってきた。9月に入ってから、1軍と2軍の選手入れ替えが活発化。1軍のベンチ入りメンバーの顔触れが日々、変化している現状がある。

 先発陣でグリン、吉川が故障のため戦線離脱。中継ぎで42試合に登板した江尻も右ひじ痛で登録を抹消された。グリンは近々、復帰する見通しもあるが、投手陣は苦しい台所事情には違いない。野手に目をやっても、故障を抱えた主力選手も多く、休養と控えのサポートが不可欠になっている。

 だからこそ「こんがり戦士」の活躍が必要なのだ。2軍戦は屋外球場の鎌ケ谷を本拠地に、試合、練習のほとんどが屋外で行われている。もちろん個人差はあるが、選手のほとんどが、自然と顔や腕がこんがりと日焼けする。強い日差しの中、白球を追い掛け、昇格のチャンスを待っていた選手ばかりだ。

 そんな「日焼け組」が、主力が抜けた穴を埋められるかどうか。選手層の厚さと言わないまでも、少しでもカバーできるかどうかがポイントになるような気がする。中継ぎ陣で、金沢は再降格したが金森、萩原、菊地の昇格組が貢献できるかどうか。野手では2年目陽、ルーキー金子洋の活躍が期待される。

 そんな中、早くも明るい話題があった。16日に昇格したルーキー山本が23日ソフトバンク戦でプロ初先発した。2本塁打を浴び黒星を喫したが、7回途中まで3失点。開幕1軍だったが、結果を残せず降格した左腕が、先発ローテーションの谷間で、健闘といっていいだろう。

 先日、鎌ケ谷に取材に行くと、エースとしてチームを長年引っ張ってきた金村がいた。8月5日に降格後、じっくり調整していたが右肩不安は消えなかった。無理をして17日にブルペン投球したが、右脇の下に痛みが走った。復帰どころか本格投球のメドすら立っていない。

 こんがり焼けた右腕を見せながら、状況を説明してくれた金村は「ここにいるのは悔しいけど、クライマックスシリーズもあるし、まだあきらめていない」と口にした。リーグ連覇、さらに日本シリーズ進出をかけたクライマックスシリーズと続く。1軍昇格を思い描いて必死に取り組んできた「こんがり組」の真価を、これから発揮してほしい。

September 24, 2007 03:08 PM 投稿者:村上秀明 | トラックバック (2)

2007年09月21日

楽天ファンの行動に癒やされた:高山通史

 ヒルマン監督の後任に、優勝した時に備えての取材…。そんな張り詰めがちだった心を、和らげてもらった。9月19日楽天戦。試合後、田中幸雄選手の引退セレモニーが行われた。もちろん大ベテランの感極まったあいさつにも、年を追うごとに感情を失っていくハートが、少しは動かされた。グラウンド上で、そのシーンをボーっと眺めていると、ある場所にくぎ付けになった。

 左翼席の楽天の応援団。右翼席の別れを惜しむ日本ハムファンからの田中幸の応援歌に乗って、数人が「~ユキオ!」というフレーズに乗って、ジャンプをしているではないか。田中幸の応援のお決まりのアクション。しかも多くのファンが帰ろうとせず、ライバル球団の選手のセレモニーを見守っていたのだ。0-6の大敗。しかもマー君こと田中が、ダルビッシュに投げ負けた。悔しいであろう、その完敗した試合後なのに、だ。

 田中幸も、その気持ちをしっかり受け止め、理解していた。試合後に行われた記者会見で「楽天のファンの方にはすごく感謝している。2000本の時も、そうだったから」。5月17日に同じ東京ドームで大記録を達成した時も、楽天ファンが敵味方なく、大きな拍手を送っていた。まさに球場が一体となっての祝福ムード演出に一役買っていた。日本ハムファンが主役なら「脇役」だが、欠かせないスパイスになっていたのだ。

 気持ちが、ほんわかとした。いいシーンだな-と思ってしまった。実は、記者は担当している自軍の選手の場合しか、こういったセレモニーを目にするというか、取材をすることがない。他球団、対戦相手の選手が同様の記録、試合後のセレモニーを行ったとしても、自軍の取材へ回り、立ち会えることが少ないからだ。だから日本ハムファンが同じケースの時にどのような反応をしているかは分からない。だが自分にとっては2度とも、偶然かは分からないが、楽天ファンの同じ反応を見たのだ。

 フルキャスト宮城での試合を、シーズン中に何試合か取材に行く。個人的に球場全体の雰囲気が好きだし、売店等で売っている食べ物も「笹かまぼこ」など地域色が出ていたりし、試合前の食事をしているだけでも結構、楽しい。日本の中で一番「ボールパーク」に近い気がする。札幌ドームは機能美にあふれ、最新の設備を誇る球場だとは思う。熱狂的な雰囲気は心に響くが、あの天井の色を含めた、暗い感じが、実は好きではない。スタンドが埋まっていない試合前の練習取材は、かなりテンションが落ちる。特に夏。あの北海道のさわやかな夏の青空から球場入りすると、気持ちが乗らない。

 球場が、多少なりともファンを育てるのか-。どうなのかは分からない。ただ今回を含めて知る限り、楽天のファンの行動に、かなりいやされた。ちょうどその前のカード。ソフトバンク戦後に福岡市内の選手宿舎へ、試合後に取材へ向かうと、ロビーは多くの日本ハムファンでごった返していた。食事などで外出しようとする選手をエレベーター前で待ち受け、追いかけ、サインや握手をねだっていた。きっと一部ファンなんだろうが、どうなんだろう-。東京ドームではその時のシーンを思い出し、少し考えてしまった。

 人間は「環境動物」と言われる。環境によって左右される生き物だという。田中幸のあふれそうだった涙の一部を、少しは手助けしてくれたのが、その時の楽天ファンの反応だっただろう。その試合、マウンドにいたのは田中。高校時代にほんの少しだけ、数試合、取材したことがある。今は当時よりも輝き、誰もまねできない、言葉に表せないような、すてきな笑顔を見せているのが印象的だ。マー君を見て、思う。人間はやはり「環境動物」なのかと。田中幸雄の花道を完ぺきに飾った、えんじ色の集団を見て、その思いは確信に近くなった。

September 21, 2007 01:08 PM 投稿者:高山通史 | トラックバック (2)

2007年09月18日

バントが生んだドラマ:村上秀明

 バントで笑い、バントに泣いた9月10日からのロッテ4連戦。終わってみれば3勝1敗と3位のライバルを突き放したシリーズだったが、バントがドラマを生んだといってもいいだろう。今季の日本ハムを象徴する数字の一つに、犠打が挙げられる。

 11日は降雨中断から再開直後、9回無死一、二塁から4番の小谷野がきっちり送りバントを決め、セギノールの起死回生の3ランを誘発した。その試合では、田中賢がシーズン犠打51のリーグ新記録となる送りバントも記録。12日には代打田中幸がスクイズを試み、守備妨害で失敗したが、犠打による奇襲を見せた。13日の先制点も犠打を挟んでのものだった。

 代役とはいえ4番に座った小谷野が犠打を決めたように、一部主力をのぞけば、中軸にいようがバントのサインは出る。小笠原がFA移籍、新庄氏が引退と、得点力低下が最初から見込まれたゆえの戦略だった。足を絡めた作戦と同時に、コツコツと犠打を絡めた試合運びが目立つ。ヒルマン監督いわく「いつも犠打をすると思われたくない」と、時折、強攻も交えながらも、犠打を重要視する傾向は強い。

 15日終了時で、チーム犠打数はリーグダントツの131。すでに昨年の133に迫る勢いだ。1992年(平成4)の球団史上最多164には及ばないかもしれないが、年間試合数が違うものの、歴代2位だった昨季を上回るのは確実だろう。12球団最低(16日現在)の3割8厘の出塁率を補うためにも、その出塁を確実に生かすための手段に、やはりバントに頼らざるを得ない事情がある。

 8月14日に史上27人目の通算200犠打を達成した金子誠は15日現在で204個まで伸ばし、通算犠打の球団記録205(白井一)にあと1に迫っている。田中賢はシーズン犠打のプロ野球記録の67(01年ヤクルト宮本)に向け、地道に数字を積み上げている。記録更新が今季の戦いぶりを明確に示していると言える。

 リーグ記録を更新された平野外野守備走塁コーチは「何か(目標が)ないとやってらんないよ、バントなんて」と、選手の思いを代弁してくれた。もともとプロ選手はエースで4番ぞろいで、プロ入り前までは犠打の経験が少なかった選手も多い。大げさに言えば「打つ」というプライドを隠し、スイングを犠牲にしての貴重な仕事は、「連覇」という目標が支えているようだ。

September 18, 2007 05:02 PM 投稿者:村上秀明 | トラックバック (0)

2007年09月13日

やはり「アメリカ人」だった:高山通史

 やはり「日本人」ではなかった。ヒルマン監督が9月8日に突然、今季限りでの辞任を表明した。球団も、日本ハム本社も続投を希望していたが、自ら身を引くことを決めたのだ。試合前に球団広報からの報道陣への連絡メールが「ヒルマン監督に関する特別記者会見」。3連休のまっただ中の2日目だったが、取材へと急ぎ、向かうことになった。

 あくまでその時点では推測だったが「特別-」とのタイトルから、続投ではなく、辞任だろう。予想通り、試合後、あっさりと監督を辞めることを発表した。とても淡々と、懇々と、決断に至る経緯、心境を約1時間も話し続けた。ほとんど表情を変えることなく、報道陣の質問に応じていた。いい意味でも悪い意味でもなく、かなり「クール」だった。開き直り、すっきりした表情にも見えていたのだ。

 就任2年目から今季まで同監督を取材してきた。昨季までは、喜怒哀楽が激しく、時には放送禁止用語も聞いたことがあるほど血気盛んな、まさに「アメリカ人」だった。しかし今季は、どんな時も感情をほとんど表情に出さず、冷静にその時々の状況を分析していた。戦術も「スモール・ベースボール」ではなく、高校野球に代表されるような「野球」だった。小技に長ける日本の野球の特長のような選手を生かした采配だった。もう「ベースボール」ではなかった、と個人的に思えた。

 選手とも対話をし、失敗についても穏やかな口調で指摘する。不振の時にはあえて声を掛けない、また明るく振る舞って接するなど、日本の「わび」「さび」を理解したかのような掌握術も見せていたように思う。快調に首位を走り続けている今季は、さらに、そんな力に磨きがかかったように見ている。戦力ダウンが不安視、確実視されたチームをここまで導いてきた理由の1つに「日本人」を操るのにマッチした、監督自身の内面の変化もあるだろう。

 電撃的な辞任表明。久しぶりに「個人主義」のアメリカらしさを、感じてしまった。球団幹部から公表をシーズン後にと再三、要請されたが、踏み切った。好調なチームを率いている日本人監督ならば、きっと二の足を踏んだだろう。しかも、それ以前に、今回のような発表をする思考はないだろう。ヒルマン監督が貫いた、最後のわがまま。きっと「アメリカ人」として選んだように思う、生き様の行方を、注目している。

September 13, 2007 02:39 PM 投稿者:高山通史 | トラックバック (2)

2007年09月11日

米国製カンピューター:村上秀明

 米国産の「カンピューター」も今季限りで見納めのようだ。先日、日本ハムを5年間指揮してきたヒルマン監督が今季限りの退団を発表した。電撃辞任に衝撃を受けたファンも多かっただろう。優勝戦線真っただ中のシーズン終盤では異例の公表に違いなく、賛否両論はあるだろう。どっちにしろ、ヒルマン監督の日本での采配は残りわずかになった。

 取材していると、ヒルマン監督はデータを重視し、対戦相手との相性などを強く意識した選手起用が特徴的だと感じた。試合中はストップウォッチを欠かさず、捕手の二塁へのスローイング、投手の投球モーションの時間を計測する。「数字」をすごく意識する監督だが、時折、驚くような起用もある。一見、普通に見える選手起用だが、取材してみると「サプライズ采配」も少なくない。

 最近では9月7日札幌ドームでの西武戦。先発グリンが7回のマウンドに上がりながら右肩不安を訴え、急きょ降板。2番手で登場したのは武田久だった。実はこの時、武田久はブルペンでまったく投球練習をしていなかった。準備万全の中継ぎ投手がいたにもかかわらず、期待を込めて“強行”に指名。武田久は7回からブルペンで投球練習をすると知っているはずなのに…、である。

 8月29日楽天戦では、9回無死一、三塁で代打に坪井を指名。ベンチ裏で準備していた選手がいたにもかかわらず、ベンチに控えていた坪井が、1スイングもしないで慌てて打席に向かった。武田久にしろ、坪井にしろ、選手の気持ちを代弁すると、使ってもらっている立場とはいえ、迷惑な話だろう。特に途中出場の選手たちは、ウオームアップで体を温め、気持ちを高ぶらせる。その時間が十分なく、結果を求められるのは酷な注文だ。

 それでも、武田久は2回無失点で勝ち投手となり、坪井は初球を打ち返し、まさに“一振り”で決勝打を放った。指揮官の強行なまでの「カンピューター」が好結果につながるから、不思議なものだ。かつては巨人長嶋監督も「ひらめき采配」と表現され、元祖「勘ピューター」として数々のサプライズを演出。首位争いをする中、米国製カンピューターがどんな機能を発揮するのか、見届けたいと思う。

September 11, 2007 10:13 AM 投稿者:村上秀明 | トラックバック (0)

2007年09月08日

ミスマッチなベンチのスーツ姿:高山通史

 ファンの方やテレビで、日本ハム戦を見たことがあるなら人なら1度は目にしたことがあるだろう。札幌ドームで勝った場合の試合後、スーツ姿の人たちがベンチで、ヒルマン監督や選手と握手や抱擁をしているシーンを。その方々の大半は「要人」で日本ハム球団、札幌ドームの幹部の面々。交流戦などで12球団を見たが、きっとこのような、勝利の儀式は日本ハムだけだろう。ほかでは目にしたことがない。

 球団、本拠地球場も一体になったアットホームな、いい球団だな-。そんな見方もあるだろう。だが個人的には、違和感をずっと感じている。戦いを終えたユニホーム姿の中に、貫録十分のスーツ姿の一団…。それが歓喜で沸くベンチへ、表現は悪いが、ズカズカと入り、選手と握手なりをしているのだから。個人的にはずっと「ミスマッチ」だと感じている。

 関わりの深い球団を応援する、その思い入れの深さは、すごいと思う。かなり我を失って、興奮しているシーンも目にするから、純粋に感服してしまう。しかも日本シリーズなど特別な試合ならまだ理解できるが、ただレギュラーシーズンで1勝だけで…。せっかくの試合の余韻がもったいない。かなり興ざめしてしまうのも事実だ。

 試合が終わった後のベンチ裏で、選手たちをねぎらえばいい。正直に言って、その握手をしている相手が、誰が誰だか分からずに、応じている選手も、中にはいるだろう。球団の中では移転4年目で、一部ファンのマナーの低下を危ぐする声があると聞く。確かに行き過ぎた行為を、実際に取材中にも目にすることがある。

 だからこそ思う。そのスーツの方々が、もし「ファン」のような感情があっての行為ならば…。そのような感覚を持って、絶対に、一般の「ファン」が立ち入ることができないような空間、雰囲気を体感しているのだとすれば、まずは自分たちの姿を顧みる必要があるのではないかと。その方々に関しては取材などで人柄も知っているだけに、個人的に、ちょっと残念に思う。

 クライマックスシリーズへはこのまま順調にいけば、進出しそうだ。勝ち抜けば2年連続の日本シリーズの可能性もある。ニュースなどをも含めて日本ハムが、全国中継されるまたとないチャンス。日本ハムを知らない野球ファンには勝利した後のベンチにいるスーツ姿の方々より、喜びに沸く選手の姿を、もっと見てほしい。

September 8, 2007 01:38 PM 投稿者:高山通史 | トラックバック (0)

2007年09月04日

データで見る日本ハムの強さ:村上秀明

 首位を走る日本ハムの強さは、新聞を見てもらえれば、その理由の一部がはっきりと記されている。日刊スポーツでは「両リーグ投手全成績」と記載されているデータのコーナーがそれ。パ・リーグの防御率のいい(低い)順番に投手の名前が並んでいるが、4日付時点で日本ハムはダルビッシュ、武田勝、グリンの3人が2、3、4位と上位にランクインしている。

 同日のパ・リーグのランキングには規定投球回数(チーム試合数)に達した16人が並んでいるが、ベスト10の顔ぶれを見ると、分かりやすい。日本ハム3人、ソフトバンク3人、ロッテ3人と、最多勝争いトップの西武涌井をのぞけば、見事に上位3チームの主力投手が名を連ねている。まだシーズン途中だが、ここまで明確な結果は珍しい気もするが、やはり先発投手の安定感が勝敗を大きく左右していると言える。

 中でも、日本ハムのすごさはトップ5に3人がひしめいている部分ではないだろうか。スポーツに「たら」「れば」は禁物だが、このままシーズン終了まで3人が5傑に残れば、前身の東映時代の1962年(昭和37)に久保田治(1位)安藤元博(3位)土橋正幸(4位)が達成して以来、46年ぶりの快挙。東映が初のリーグ優勝を飾り、日本一にも輝いた年度以来のことで、連覇を狙う日本ハムにはありがたいデータだろう。

 さらに、後押しするデータを挙げると、仮に1人でも6位以下に転落したとしても、2人がシーズン終了時にベスト5人に残っていれば、1998年(平成10)の金村暁(1位)関根裕之(5位)以来、球団史上10度目(3人の62年含む)となるが、過去9度はすべて3位以内を確保している。今とは優勝争いの形態、試合数など細かな部分が違う年度もあるが、最低2人が防御率でリーグ5本の指に入れば、今年に当てはめるとクライマックスシリーズ進出となる。

 リーグ優勝に向けて残り25試合となったが、果たして防御率トップ5に3人が入った1962年の再現はなるか。数字だけではないが、このままダルビッシュ、武田勝、グリンの先発3本柱の好投は欠かせない要素だろう。ただ、46年前にはエース格の尾崎行雄も実は6位にランクしていた。欲を言うと、もう1人のベスト10入りが必要かもしれない。そこまで言うとぜいたくだろうか。

September 4, 2007 12:58 PM 投稿者:村上秀明 | トラックバック (0)

2007年09月01日

何となく淡々と:高山通史

 ドキドキした時があったかな、ワクワクした時があったかな。9月に入った今、思い返しても、そんな節目の試合を挙げることができない。今年の日本ハムは、悪く言えば「何となく」勝ってきて、きっちりと首位にいる。昨季は実は仕事を忘れてしまうほど、面白い試合がシーズンで何試合かあった。でも、今季は、淡々と記者席から試合を見ている。昨季に勝ち慣れした(プレーをしているのは自分ではないが…)からではないだろう。

 開幕前から戦力ダウンしたというのが、評論家諸氏の予想で大半の見方。大物野手、超目玉の即戦力の新人投手をしっかりと補強したソフトバンクが、パ・リーグをぶっちぎりで制覇するという意見が、ほとんどだった。キャンプ中にヒルマン監督は過剰反応して「我々を下位に予想しているが、我々には我々の戦い方がある」などとと自信を見せてはいたが、すべてが本音ではなく、少しは強がりがあっただろう。

 これが強さなのか、正直なところ分からない。ただ1つの要因に安定した戦力を維持し続け、また新戦力の台頭があるだろう。まずは基本のベースとして主力の故障者が少ないということ。その中でも金村、八木ら故障、不振の選手は出ているが、新外国人のグリンに高卒ルーキー左腕の吉川らが、その穴を埋める活躍をしている。野手でも小谷野、工藤ら、昨季はほぼ2軍でくすぶっていた選手が1軍に定着し、活性化している。ずっと1年間、戦い方も変わらない。得点力が低いので「スモール・ベースボール」を駆使して挙げた少ない得点を、強力な投手陣で守り切る。しかも選手も淡々と、それぞれの役割に徹している。

 優勝した時には、担当記者は優勝原稿なるものに思案する。歓喜の1年にふさわしい記事を書くために、その時に備えて取材をするのだ。だが今年は…、どうしよう。弱音を吐いてばかりはいられない。こちらは選手のように淡々と、というわけにはいかないので、ちょっと力み始めた、今日このころだ。

September 1, 2007 11:16 AM 投稿者:高山通史 | トラックバック (2)