2008年02月14日

小さな記事でも:村上秀明

 何げない選手のひと言に救われた気がした。今、選手たちは名護キャンプで汗を流しているが、シーズン中よりも、ゆっくり会話できる時間が多い。名護市内で行われたイベント中に、励みになる言葉をもらった。その選手は思ったことを口にしただけだろうが、心に残っている。

 昨年から1月にかけて、何人かの選手、スタッフから同じような感想を聞かされた。「最近、新聞が面白くないよね」。注目ルーキー中田に関する大々的な報道が連日、紙面をにぎわせるようになったことについてだった。もちろん中田を否定しているわけではなく「他にも若い選手がいっぱいいるでしょ」という思いだった。

 確かに「中田」の見出しが連日のように紙面に躍ったし、今でも躍っている。報道側から言うと旬なものを題材にするスタンスは、当然だ。それを願っているファンも多い。実際、中田は面白いキャラクターだ。乗用車の助手席に乗り、座席を後ろにずらそうとしてリクライニングを倒し自分で驚く姿は、言葉がなくても周囲を笑わせる。見ているだけで、ここまで楽しい選手は少ないだろう。

 ただ、その一方で、他の選手を記事で紹介したいという思いもある。2月のキャンプに入ってから、日本ハム関連では「中田時々ダルビッシュ」のようなトップ記事が続いているが、読者の中には中田、ダルビッシュ以外も読みたいと思う人がいて当然だと思う。旬な素材、注目人物を紹介しながら、他の題材も記事にしたい。そんなジレンマを感じている。

 そんな中、救われた気がしたのがこの言葉だった。「中田ばかり? う~ん、まあね。でも、若い選手はこんな小さい記事でもうれしいもんなんですよ。それが今後の励みになりますから」。「小さい記事」という時に右手の人さし指と親指でサイズを示しながら話してくれたのは、高橋信二捕手だった。

 プロ12年目で下積みも長かった選手だけに、自らの経験を重ね合わせての思いだったと推測できる。新背番号2を背負う捕手のひと言は、こちらの方が励みになった。小さい記事でも、自信を持ってどんどん書けたらいいなと思わせてくれた。

February 14, 2008 08:04 PM 投稿者:村上秀明

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