2007年09月18日
バントが生んだドラマ:村上秀明
バントで笑い、バントに泣いた9月10日からのロッテ4連戦。終わってみれば3勝1敗と3位のライバルを突き放したシリーズだったが、バントがドラマを生んだといってもいいだろう。今季の日本ハムを象徴する数字の一つに、犠打が挙げられる。
11日は降雨中断から再開直後、9回無死一、二塁から4番の小谷野がきっちり送りバントを決め、セギノールの起死回生の3ランを誘発した。その試合では、田中賢がシーズン犠打51のリーグ新記録となる送りバントも記録。12日には代打田中幸がスクイズを試み、守備妨害で失敗したが、犠打による奇襲を見せた。13日の先制点も犠打を挟んでのものだった。
代役とはいえ4番に座った小谷野が犠打を決めたように、一部主力をのぞけば、中軸にいようがバントのサインは出る。小笠原がFA移籍、新庄氏が引退と、得点力低下が最初から見込まれたゆえの戦略だった。足を絡めた作戦と同時に、コツコツと犠打を絡めた試合運びが目立つ。ヒルマン監督いわく「いつも犠打をすると思われたくない」と、時折、強攻も交えながらも、犠打を重要視する傾向は強い。
15日終了時で、チーム犠打数はリーグダントツの131。すでに昨年の133に迫る勢いだ。1992年(平成4)の球団史上最多164には及ばないかもしれないが、年間試合数が違うものの、歴代2位だった昨季を上回るのは確実だろう。12球団最低(16日現在)の3割8厘の出塁率を補うためにも、その出塁を確実に生かすための手段に、やはりバントに頼らざるを得ない事情がある。
8月14日に史上27人目の通算200犠打を達成した金子誠は15日現在で204個まで伸ばし、通算犠打の球団記録205(白井一)にあと1に迫っている。田中賢はシーズン犠打のプロ野球記録の67(01年ヤクルト宮本)に向け、地道に数字を積み上げている。記録更新が今季の戦いぶりを明確に示していると言える。
リーグ記録を更新された平野外野守備走塁コーチは「何か(目標が)ないとやってらんないよ、バントなんて」と、選手の思いを代弁してくれた。もともとプロ選手はエースで4番ぞろいで、プロ入り前までは犠打の経験が少なかった選手も多い。大げさに言えば「打つ」というプライドを隠し、スイングを犠牲にしての貴重な仕事は、「連覇」という目標が支えているようだ。
September 18, 2007 05:02 PM 投稿者:村上秀明
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