2007年09月11日
米国製カンピューター:村上秀明
米国産の「カンピューター」も今季限りで見納めのようだ。先日、日本ハムを5年間指揮してきたヒルマン監督が今季限りの退団を発表した。電撃辞任に衝撃を受けたファンも多かっただろう。優勝戦線真っただ中のシーズン終盤では異例の公表に違いなく、賛否両論はあるだろう。どっちにしろ、ヒルマン監督の日本での采配は残りわずかになった。
取材していると、ヒルマン監督はデータを重視し、対戦相手との相性などを強く意識した選手起用が特徴的だと感じた。試合中はストップウォッチを欠かさず、捕手の二塁へのスローイング、投手の投球モーションの時間を計測する。「数字」をすごく意識する監督だが、時折、驚くような起用もある。一見、普通に見える選手起用だが、取材してみると「サプライズ采配」も少なくない。
最近では9月7日札幌ドームでの西武戦。先発グリンが7回のマウンドに上がりながら右肩不安を訴え、急きょ降板。2番手で登場したのは武田久だった。実はこの時、武田久はブルペンでまったく投球練習をしていなかった。準備万全の中継ぎ投手がいたにもかかわらず、期待を込めて“強行”に指名。武田久は7回からブルペンで投球練習をすると知っているはずなのに…、である。
8月29日楽天戦では、9回無死一、三塁で代打に坪井を指名。ベンチ裏で準備していた選手がいたにもかかわらず、ベンチに控えていた坪井が、1スイングもしないで慌てて打席に向かった。武田久にしろ、坪井にしろ、選手の気持ちを代弁すると、使ってもらっている立場とはいえ、迷惑な話だろう。特に途中出場の選手たちは、ウオームアップで体を温め、気持ちを高ぶらせる。その時間が十分なく、結果を求められるのは酷な注文だ。
それでも、武田久は2回無失点で勝ち投手となり、坪井は初球を打ち返し、まさに“一振り”で決勝打を放った。指揮官の強行なまでの「カンピューター」が好結果につながるから、不思議なものだ。かつては巨人長嶋監督も「ひらめき采配」と表現され、元祖「勘ピューター」として数々のサプライズを演出。首位争いをする中、米国製カンピューターがどんな機能を発揮するのか、見届けたいと思う。
September 11, 2007 10:13 AM 投稿者:村上秀明
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