2007年08月06日
「捨て試合」なんて失礼だ:村上秀明
見たくない展開の試合だった。もし、記者席ではなく観客席で見ていたら、怒りすら覚えたのではないだろうか。8月4日千葉マリンのロッテ戦はそんなゲームだった。
先発金村が初回に2本塁打を打たれ、終わってみれば移転後ワーストの18失点の大敗を喫した。不快に思ったのは18点を取られたことではない。どんなチームでも、長いシーズンをみれば大量失点の試合はあるだろう。後味が悪かったのは、大乱調の金村が12失点する5回途中まで投げ続けたこと。正確に言うと続投させられた、ということだった。
本来なら2回途中なり、すぐに降板させられる投球内容だった。プロ13年目の金村が自己ワーストの失点を記録したことが示しているように、投球回数を引っ張るだけ引っ張られた。計11安打を浴び、さらし者になった金村も“被害者”だったように思う。ヒルマン監督は「(続投の理由は)お話しできない。理由があってしたことだ」。周囲への気遣いからか明言を避けたが、明確な目的があった。
「中継ぎ投手を無駄に使いたくなかった」。これが答えだ。翌日5日に先発予定吉川が微熱で登板できるか不透明な状況で、もし先発回避なら中継ぎ陣の総出も想定されたからだ。防御率トップの成瀬相手に2回で6点のビハインド。すでに「戦いの意識」は翌日に向かい、勝利の難しくなった試合で中継ぎ投手陣の疲労の蓄積を避けることを優先した。
長いシーズンを考えれば、もちろん「捨て試合」は多かれ少なかれ、どのチームにもあるだろう。ファン心理を考慮すれば、チーム関係者は明言できないだろうが「負けてもいい」とあきらめの試合も存在するはずだ。この日も、もし勝利を考えた最善策なら、金村は2回前後には降板させていただろう。球場全体に「日本ハムは早々とあきらめた」と感じさせた、しらけムードが寂しかった。
観客は料金を支払って球場で観戦するプロの試合だけに、やはり最後まで勝負に徹する試合を見せるべきだと思う。ロッテファンは大勝で大盛り上がりだろうが、純粋に勝負を楽しみに見に来るファンもいる。シーズンを考えたチームの“戦略”も理解できるが、そういう観戦者には失礼な展開だった。最終回、15点差を追う攻撃を後押しする日本ハムの鳴り物応援を聞きながら、複雑な思いになった。
August 6, 2007 02:49 PM 投稿者:村上秀明
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