2007年07月23日

ひちょりパフォーマンスの舞台裏:村上秀明

 今年も華やかなオールスターが終わった。マー君こと高卒ルーキー楽天田中将大投手の先発登板など話題も多かったが、日本ハム森本稀哲外野手も球宴ならではのパフォーマンスで、場内を沸かせていた。東京ドーム、フルキャスト宮城の2戦とも現場で取材したが、慌ただしい舞台裏だった。

 第1戦。選手紹介の時に、森本は頭に突起物をくっつけた、とんがり頭で登場した。製作期間は2週間ほどで、材質は最後まで不明だったが、柔らかい素材で、本人いわく「時間を掛ければ掛けるほどうまくいく」。頭に完全に同化するような特殊メークだった。

 登場の直前、森本が東京ドーム内のある場所を“占拠”していた。選手が使用する風呂場だ。選手紹介の約15分前、守備練習を終えた森本が慌てて風呂場に直行した。硬化するパテを使用するため、風呂場が必要で「他の選手に出ていってもらって迷惑を掛けた」。メークは時間との戦いでもあった。

 「時間をかけたらもっと一体化した。ちょっとすべり感が…」。頭の部分だけだったので遠目には気付きにくく、場内は爆笑ではなく、気付いたファンだけがクスクスと笑った。翌日は「ゼロだと思ったら、100のうち30はうけていたかな。40は気付かれてなくて、30は見られてもいなかったかな」。少し悔しそうだった。

 さらに追い打ちをかけたのが携帯電話に届いた1通のメールだった。送信元は、テレビでパフォーマンスを見た同僚の稲田直人内野手からのもの。第1戦の後に届いた文はわずか1文字。「大丈夫」。滑ったことに対する慰めだったが、森本は「その(同情の)メールが一番いらないよ」とフルキャスト宮城で叫び声を上げていた。

 第2戦のムエタイボクサー姿も、試合前のシートノック後に急いで着替えた。1回表の守備に就いた全パの選手たちをベンチ前で激励した後、再びユニホームに着替え、1回裏にはベンチに戻って座っていた。「今日はばっちりだったでしょ」。途中出場の試合では優秀選手賞の活躍で、有意義な「衣装直し」だった。

 “ご意見番”の稲田も、第2戦のムエタイ姿に「あれは面白かった」と絶賛だった。野球以外のパフォーマンスに異論を唱える人もいるだろうが、グラウンドでは全力プレーをしているのだから、個人的にはファンが笑って喜べば大賛成。「エンターテイナーとしてはまだまだ発展途上ですよ」。演出に一生懸命だった舞台裏を見て、森本のさらなる発展? を見届けたいと思った。

July 23, 2007 03:37 PM 投稿者:村上秀明

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