2007年07月16日

日本ハムを支える「あの人」の門下生:村上秀明

 練習前の直立不動が、楽天戦のいつもの光景になっている。日本ハムだけでなく、楽天以外の11球団の選手もそうだろうが、ノムさんこと楽天の名将野村克也監督へのあいさつだ。野村監督がかつて指揮を執ったヤクルト、阪神の選手たちは当然だろうが、意外と日本ハムにも“野村門下生”が多い。

 14日のフルキャスト宮城でも、同じようなシーンがみられた。まずは日本ハム2年目の左腕武田勝が、野村監督が報道陣と談笑している三塁側の楽天ベンチに向かった。社会人シダックス時代の恩師の前で約5分、直立したまま会話を交わした。

 野村監督「今何しとるんや」

 武田勝「先発です」

 野村監督「うちに投げたいやろ」

 武田勝「(苦笑いで)……」

 さらに楽天の「ナベツネ」こと左腕渡辺恒に「チェンジアップを教えてやってくれ」と真顔で「臨時コーチ要請」も受けた。武田勝は「機会があったら」と交わしたが、野村監督の真剣な言葉が印象的だった。

 昨年まで楽天に在籍したグリンも、野村監督の前で「すいません、すいません」と日本語で平謝り。野村監督から「お前がいれば楽天はチャンピオンや」と直接ぼやかれたからだ。日本ハムの移籍が決まった昨年オフ、グリンが野村監督に宛てた3ページにわたる英語の「わび状」は知られているが、野村監督が本気で残念がる右腕の存在が頼もしく見えた。

 野手陣では、元ヤクルト稲葉、元阪神坪井がそろってあいさつに足を運んだ。元指揮官から「茶髪軍団」と呼ばれ、ほぼ黒髪の坪井もなぜか茶髪扱いになっていたが、プレーの褒め言葉も聞こえてきた。特に稲葉に対しては「返球がNO・1なんだよな。ノックでもほとんどストライクだったからな」と認められていた。

 考えてみると、中継ぎから先発とフル回転で投手陣を支える武田勝、すでに昨年の7勝を上回る勝ち星をマークしている助っ人右腕グリン、不動の3番でチーム最多の打点をたたき出している稲葉、いぶし銀の坪井と、“元野村ファミリー”が首位を快走するチームを支えているといえる。

 野村監督が親しみを込めながらポツリと吐き捨てるように言った「みんな裏切り者だな」のセリフが、何となく心地よく聞こえた。野村監督の野球界への多大な貢献度、偉大さを実感するとともに、これからも門下生たちの活躍に期待したい。

July 16, 2007 01:56 PM 投稿者:村上秀明

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