2007年06月25日

ひょう変するグリン投手に驚き:村上秀明

 ここまで危なっかしい男もそういない。日本ハムで今季6勝をマークしている助っ人右腕ライアン・グリン投手だ。プロ球界に個性的な選手は数多くいるが、楽天から移籍1年目の彼だけは特異な気がする。毎回のようにひょう変する姿には驚かされる。

 交流戦無傷の5勝目を挙げた24日阪神戦でも、急変した。7回の途中までは、今日は落ち着いたまま終わるのかなと思っていたが、ボークの判定を下した三塁塁審に指をさして激高。記者がスコアブックに違うことを書き記していた一瞬の出来事だっただけに、また驚かされた。

 とにかく、マウンドに上がると闘争心がむき出しになる。ボークだけでなく、際どいボールの判定など不服なことに対しては、瞬間湯沸かし器のように、着火するといきなり怒り出す。怒るだけならいいが、審判に近寄って食ってかかる。「僕はグリン担当みたいなもの」と自認する高橋捕手をはじめ、なだめ役も一苦労だ。

 今季はすでに3月31日西武戦でKO負けを喫すると、札幌ドームのベンチの壁を拳で殴り破壊した。6月10日巨人戦でも、球審のストライク、ボールの微妙な判定にフラストレーションがたまり、放送禁止用語を連発。キレる姿は“恒例化”している。徐々にイライラ度が増している様子が分かるときはいいが、突然キレるから、本当に目が離せない。

 ただ、マウンドの暴れん坊に1番驚かされるのは、実はそのギャップだ。普段は絵に描いたような紳士だから、なおさらだ。報道陣との会話で、英語のヒアリングに困った様子を察すると「ちょっと待ってて」と自ら通訳を呼びにいく心配りがある。キレた試合後も、何事もなかったように報道陣にしっかりと接してくれる。

 地方遠征先の相模原球場のベンチ裏のトイレは、男子と女子の兼用のマークがついていたが、手を洗うためにグリンが入りかけたが、そのマークを指さし「もし女性が入ってきたらどうするんだ」と、まじめな顔で使用を中止。マウンドで罵声を浴びせる姿からは想像できないほどのジェントルマンだ。

 度を越した抗議で、いつか退場させられそうな不安がつきまとうが、目が離せないという点では、完全にこの助っ人右腕に魅了されている。

June 25, 2007 01:47 PM 投稿者:村上秀明

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