2007年06月11日

14連勝中の“珍記録”:村上秀明

 連日の紙面をにぎわせたド派手な14連勝中に、ひっそりと1つの“珍記録”が刻まれていたのをご存じだろうか。日本ハム球団としては18年ぶり、パ・リーグ史上10人目だった。野球史に残る珍事は、急変した気まぐれな天候によってもたらされた。

 6月8日のヤクルト3回戦。舞台は初の交流戦となった愛媛・松山の坊っちゃんスタジアムだった。14連勝を狙った日本ハムは高卒新人の吉川が、7安打を浴びながらの粘投でプロ初勝利を挙げたが、その記録の“主人公”はルーキー左腕ではなく、3番手で登板、いや正確に言うと3番手で登板するはずだった4年目の右腕金森だった。

 8回裏のヤクルトの攻撃を迎え、場内では「ピッチャー、金森」とコールされていた。だが、それと前後するように、雨足が強まり稲妻のごう音が辺りいっぱいに響いていた。雷雨の中、マウンドに駆け寄ったばかりの金森に告げられたのは、一時中断。結局、降雨コールドゲームとなり、投球練習を1球もすることなく金森の“登板”は終わった。

 実はこれが、いわゆる「0球登板」という珍記録として残るそうだ。交代発表後の降雨コールドゲームで、パ・リーグで過去9人しかいないが、昨年はなぜか3投手(オリックス萩原、西武石井貴、オリックス松村)が記録。日本ハムとしては90年10月9日ダイエー戦の内山正博投手以来で、東映時代も含めれば4人目となった。

 白井ヘッドコーチは翌日「投手はカナモリじゃなくてカミナリだったな」とギャグにしたが、金森は「また珍記録ですね。やっぱり投げたかったですよ」。プロ初登板となった5月25日のヤクルト戦でも、味方が逆転サヨナラ勝ちで初勝利が転がり込んだこともあり、珍現象ととらえて苦笑いだった。

 金森のプロ3試合目の“登板”は、投球成績表を見ると投球回数は3分の0にもならず、空白になっている。ただ名前を呼ばれただけの「0球登板」。球団新を更新した大型連勝以上に「シンジラレナ~イ」と言いたくなるような記録を目にするのも、プロ野球の楽しみの1つかもしれない。

June 11, 2007 07:59 PM 投稿者:村上秀明

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