2007年07月19日

寡黙な「薩摩隼人」に注目:高山通史

 7月13日の楽天戦。フルキャスト宮城での練習開始前に、ほほえましいシーンがありました。主役は飯山裕志内野手。寡黙な「薩摩隼人」がその日、28歳の誕生日を迎えました。日本ハムでは各選手がバースデーを迎えると、トレーナーが全体ウオーミングアップの前にほかの選手に「今日は●●の誕生日です」などと知らせて祝福し、その誕生日の選手が短いスピーチをするのが恒例。しかし飯山は最後まで「拒否」したのです。

 みんなが第一声を待っているにもかかわらず、せかされても輪の中心に立とうとしません。坪井ら先輩に「ユウジ行けよ」と言われても、苦笑いするだけでまったく身動きなし。まさに“テコでも動かない”とは、このことです。結局、みんなに何を言われても、からかわれても断固としてポリシーを貫き、最終的にはスピーチから逃げ切ったのです。

 極度のシャイですが実は飯山は、かなりユーモアあふれる人。契約更改で年俸アップした時の会見では「これでコロコロに変えることができます」。ちなみにコロコロとは移動の時に使用するスーツケースのことらしい(それまではスポーツバッグを使っていたと思うので間違いないと思います)。取材をしていても、あまり多くを語りはしませんが、最後にはいたずらっぽく「(取材は)大丈夫ですか」と記者に一声掛けてくれる、気遣いの人でもあります。

 今季は開幕1軍で、ほぼ守備固めだけで前半戦の61試合に出場。記事にはあまりしていませんが、先行逃げ切りが勝ちパターンのチームカラーの中では、立役者の1人です。言葉を発することは少なくても、見ているだけで「何か」を感じる数少ない選手です。

 ちょうどその飯山の誕生日の翌日の7月14日。個人的にですが1年間、365日の中で忘れられない特別な日でした。かなり尊敬し、愛すべき人の誕生日。ちょっと連絡がとれない状態で、お祝いの言葉を伝えることができず、モヤモヤとしていたところに、この飯山選手のほのぼのシーンです。「誕生日おめでとうございます」という言葉を届けられなくても、きっとそんな思いは届いているだろう-。飯山のキャラクターを、自分に都合よく解釈をし、言い訳をしてしまう仙台の夜になりました。

 チームだけではなく、記者のピンチをも助ける? いぶし銀の飯山クンに、ちょっと注目してみてください。

July 19, 2007 12:59 PM 投稿者:高山通史

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/11876