2007年03月19日
体感できるファンサービスを:高山通史
パ・リーグ開幕まであと5日。19日、遠征へと向かう機内でこのブログを書いている。選手たちと同じチーム便に同乗した。糸井、ルーキー金子洋、昨季途中で1軍に初昇格した稲田らとあいさつを交わした。搭乗ロビーで選手を取材するため、その姿を探すのも仕事の1つ。昨季までなら新庄氏、小笠原を真っ先に目で追っていた。一緒に取材をする担当記者の顔触れも違う。あらためて今季、チームが変わったのだと感じた。
球団にとっては大切な1年になる。本拠地を札幌へ移して4年目。昨季は奇跡的ともいえる快進撃で、終盤戦の札幌ドームは連日、超満員だった。ただ今、記憶に残っているのはそんな衝撃的なシーンだけ。実はシーズン序盤から中盤にかけては、スタンドがガラガラの日も少なくなかった。新庄氏が何かパフォーマンスをやると予告すれば、ほぼ満員になったが、それ以外は決してそうではなかった。あの熱狂的な一体感は、1年の大部分ではなく一部だった。
チームが強いから、引退を宣言していた新庄がいたから、小笠原が打ちまくったから…。不確定ともいえるそんな要素が昨季、少なからずさまざまな側面でプラスに作用してきたのだろう。いい流れができ、今季がスタートする。それをうまく受け継ぎ、つなげていけることができるのか。確固たる球団、チームカラーを築いていくことができるのか。反動は必ずあるだろうが、それをどう次へのパワー、きっかけへと変えていけるのか。今年は本拠地移転元年に続く大きな分岐点だと思う。
日本ハムは「ファンサービス・ファースト」という球団理念を掲げている。30日からの札幌ドーム開幕戦で「超満員大作戦! 07~北海道開幕戦~」と銘打ち、数種類の開幕記念イベントを実施する。ただ、その企画は球団スポンサーが絡んでいる物、手が込みすぎて分からない物が多い気がする。もちろん日本ハムファンなら喜ぶ物もあるが、個人的な価値観ではどこへ向けて行おうとしているのか、見えてこない。もちろん集客という大きな目的があるのは理解できる。だがその延長線上にあるはずの「ファン」に焦点が合っていると、あくまで私見だが思えない。
ファンは球場へ、何を求めに来るのか。「野球」であり「日本ハム」を、またお目当ての選手を見に来るのだ。開幕イベントで駅員さんがユニホームを着ても、タクシーにステッカーを配布しても、スーパーでパネル展を開催しても…。たぶんそれで開幕を実感する、イベントとして楽しみにする人はいないだろう。24日の開幕戦の相手ロッテは有名OBが始球式をし、有名歌手が君が代を独唱。「ファンが考えたオープニング演出」を行い、「ハムを食う、開幕弁当」を発売し、「3万本の開幕戦限定フラッグ」を配るという。
すべて「野球」にシンプルな付加価値をつけただけ。すべて球場に来れば、ファンが体感、実感できるものばかりだ。日本ハムよりも、球場へ来るファンへ向けて焦点が合っている。日本ハムは球団、選手グッズに関してもそう。北海道移転と同時に球団の「ブランド・イメージ」を大切にする戦略をとり、ある程度の規制の中で製作されている。イメージを壊さないために、ファンが本当に欲している物が作られていない可能性もあるのだ。
昨季、ユニホームを着た選手たちは、これまでの球団の既成概念、イメージを覆すような快挙を遂げた。さまざまなファンとの距離をグッと近づけた。あまり活字、記事にはならない。だがこの春は、球団サイドの「変化」にも注目している。
March 19, 2007 01:01 PM 投稿者:高山通史
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