2006年07月14日

高卒ルーキー陽の「超大物」ぶり:高山通史

 年上の選手には、よくからかわれる(というかイジメ? )私。ですが12歳も年下なのに堂々と渡り合ってくる選手が、日本ハムの中にいます。いろいろな意味で「超大物」ぶりを感じさせるのが19歳で台湾出身、陽仲寿(ヨウ・チョンソ)内野手です。昨年の高校生ドラフト1巡目の有望株。将来のチーム、日本球界をも背負う可能性があると言われる大型遊撃手です。

 6月下旬。久々に2軍の鎌ケ谷で再会しました。2月のキャンプ、WBC台湾代表に合流するとチームを離れた時以来ですから約4カ月ぶりのこと。昨秋のドラフトの抽選クジの確認ミスのドタバタがあってから福岡一高での練習、台湾での仮契約、新人合同自主トレ…と取材で接してきました。ルックスも良く、クールなイメージがある陽選手の素顔は、やんちゃでつかみどころのない性格です。

 そのドラフト翌日の取材で初対面。高校の後輩たちの練習に参加する時でした。待ちかまえている取材陣を横目に、コンビニのおにぎりをパクつき、飲んでいたのは甘そうな乳酸菌飲料。まずそのマイペースぶりと味覚? に度肝を抜かれたものです。プロ入りしても、そのマイペースぶりは変わらないもよう。同じ高卒新人の木下選手の証言によると、寮の夕食がない日に何を食べるかでちょっとしたケンカに。「焼き肉が食べたい」と主張した陽選手は1歩も譲らず、自室にこもってしまったそう。負けずに頑固な木下選手が最後には折れて、仲良く焼き肉をつついたそうです。

 まあ、それはさておいて持ち味の身体能力でもビックリさせられたことが何度となくあります。1月の新人合同自主トレでのこと。サッカー経験を持つ、同じ高卒新人の今成選手とサッカーボールで遊んでいると突如、あのフランス代表ジダンのフェイント「マルセイユ・ルーレット」を披露して見せたのです。聞くと、テレビなど映像を見て「マネしてみただけ」とあっけらかん。野球だけではなく、すごさを実感させられる出来事の1つでした。

 前フリが長くなりましたが、そんな思い入れもあっての再会シーンに話を戻します。まず第一声。「久しぶり」と声を掛けると何と、右手でコップ、はたまたジョッキを持つフリをして「(酒)飲んでますか? 」と私の感傷的な思いは一気に吹き飛んでしまうほどの、きついあいさつの一撃でした。そこからはこちらが取材する間も与えずに、したたかな笑みを浮かべて「猛口撃」の連続技を繰り出してきたのです。その内容は自己保身のため、詳細を明かすことは差し控えさせていただきますが…。

 イースタンに出場当初は天然芝と人工芝に戸惑いエラーを連発。ちょっと悩んでいたという話を、本人からも聞きました。ですが今では慣れてきたとうれしそうに話していました。春季キャンプ中にあるスカウトが「あの笑顔だけでスターになる資格がある」と話していた、あの会心スマイルは変わりませんでした。

 20日にはフレッシュオールスター(東京ドーム)に日本ハムからは川島選手、金森選手とともに出場します。その期間にバスケットボールの台湾の中学生代表の妹が、大会のために来日中。球宴休みなら名古屋で再会する予定を立てていたが厳しくなり「ちょっと寂しい」と漏らしていましたが、「楽しみです」と珍しく硬派に活躍を誓っていました。昨年は日本ハム鶴岡、過去にイチロー、近年ではヤクルト青木、ロッテの今江と里崎らがMVPを受賞している一流選手への登竜門。陽選手の本業、野球での「やんちゃ」な活躍にも注目です。

July 14, 2006 02:50 PM 投稿者:高山通史

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