2006年05月05日

2000本安打へ着実に進む田中幸:高山通史

 あのいたずらっぽい笑顔が、まだ見えない。日本ハム一筋21年目の田中幸雄選手が、ようやく2000本安打まで残り30本を切った。生え抜きとしては、球団初の偉業。4日西武戦で今季4安打目を放ち、あと29本になった。だが、置かれている状況は厳しい。今季は一塁を主に小笠原が務め、出場機会、特にスタメン出場が、まだ4試合。少ないチャンスを生かしていくしかないのが現状だ。

 担当記者1年目の04年シーズン開幕前。記録まで残り99安打だった。記録に対するスタンスをインタビュー企画の中で聞いてみたことがある。印象的な言葉が心に響いた。「チームのために打った1本、1本を積み重ねていって、それが記録になればいい。入団してから、そうやって打ってきたヒットだから」。今季のシーズンが開幕してまもなく、その考え方に変わりはないか聞いてみた。その答えは、当時と同じだった。

 選手に記録を達成させるために、出場機会を増やす球団もあるという。だが、田中選手は「それで打っても、自分には意味がないでしょ。チームのためにならないと意味がないんだから」と明かした。後輩たちに慕われる人柄、そしてキレ抜群? の得意のダジャレを連発するユーモアたっぷりのキャラクター。選手としての魅力を(私の方が年下で失礼だが)さらに、そんな人間性が引き立てているように感じる。

 これまでリーグ優勝経験はなく、個人打撃部門のタイトルは打点王が1度だけ。ゆっくりとだが確実に厳しいプロの世界、第一線を生き抜いてきた。大記録達成も、そして現役生活も、間違いなくゴールは近い。今季は主将として臨むシーズン。2000本安打達成のシーンも見てみたい。だが、個人的に一番見てみたいシーンは、照れくさそうに笑いながらチームメートに優勝の胴上げをされているシーンだ。

May 5, 2006 01:42 PM 投稿者:高山通史

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