2006年05月15日

「八木ショック」が先輩投手陣にも飛び火:上野耕太郎

 残念ながら首位を陥落したばかりの5月14日の午後10時半過ぎに今回のコラムを書いている。それでも3日間、パ・リーグの頂点に立った。打撃陣の不調もあり強さを感じる戦い方ではない。接戦を1試合ずつ取っていく。その積み重ねが好結果につながっている。

 首位浮上の原動力に投手陣の踏ん張りがあるのはご承知の通り。セットアッパー武田久、守護神マイケルの安定感で勝利を引き寄せている。ただし、好調の「震源地」は別の所にあると思う。

 ルーキーの八木だ。今季取材をしていて明らかにムードが変わった1日があった。4月15日のソフトバンク戦だ。八木が10回、ノーヒットノーランの快投を演じた。八木に勝ち星はつかなかったが武田久、マイケルも無安打でつなぎ、劇的な勝利を手にした。

 何かが変わり始めた。金村が翌日、ソフトバンクの大男ズレータの突進を体で受け止め負傷。休日を1日はさみ、18日には新庄が引退を発表。取材をしていて妙な胸騒ぎのようなものを感じるようになった。

 一気にチームも駆け上がり、11日に首位に立った。私の主観だが、ポイントはあの1日だ。

 その八木が13日の横浜戦で初完投勝利を挙げて4勝。チームの勝ち頭になっている。14日に八木に並ぶ4勝を挙げた江尻は「後輩が当然のように抑えるから火もつく」と試合後、話した。翌日、エース金村からは「八木に刺激を受けている。まだ若いやつに負けられない」というコメントがあった。

 そう、今チームは相手チームだけではなく味方とも戦っている。合言葉は「負けられない」。日本ハムで起こった「八木ショック」は少しずつその範囲を広げている。

May 15, 2006 06:27 PM 投稿者:上野耕太郎

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